先日、長年利用してきたサーバーでアクセス集中によるアクセス規制を受けました。
それで、旧サーバーの方から「CPU負荷対策をしてください」と言われたので、出来る限りの対策はしました。
けれど、トラフィックの増加もあり、いくらチューニングしようとも、もうそのサーバーのスペックではもうどうしようもない状態になってしまっていました。そこで「それなりに負荷のかかるサイトでも対応できそうなレンタルサーバー」ということでmixhostに白羽の矢を立てました。
mixhostというレンタルサーバーに決めた理由は、「日本のレンタルサーバーでは抜きん出た性能とプラン体系」を誇るサーバーだったからです。詳細はこちら。
それで早速、mixhostに30日間無料体験登録をして、自前で「Wordpressのサーバー移転」を試みてみました。
しかし、当サイトの場合、3年以上の運営期間がありました。
その蓄積により、Wordpressのメディアファイルも膨大、しかもデータベースサイズも大きく、一般的な方法では移行できないなんてことになりました。その代替手段としてSSHでコマンド操作をして移行作業を行う必要が出てきました。
ただ、僕はSSHのコマンド操作は、お遊び程度しかやった事がなく、「もし誤った操作をしてしまったら…」と考えると、なかなかやる気が起きませんでした。
そんなときに、mixhostのサポートの方から「WordPress移転代行サービス」もあるということを教えていただいたので、即座に申し込んでしまった自分がいました。
その結果だけを先に書くと「頼んで大成功」でした。
というわけで以下では、「mixhostのWordpressサイト移転代行サービスに申し込んでから完了までの流れ」について紹介したいと思います。
目次
mixhostのWordpress移転代行サービスとは
とその前に、「WordPress移転代行サービス」とは、mixhostレンタルサーバーを運営しているサーバーのプロが、WordPressサイトを他サーバーからmixhostに移設してくれるサービスです。
料金も、1サイトあたり9,900円(税込:SSL対応サイト)とかなりの格安になっています。
ちなみに、Googleで「WordPress移転 代行」で上位に出てくる代行業者の「引っ越し値段(1サイトあたり)」と比較するとこんな感じになります。
- A社:6万円~
- B社:5万円~8万円(データサイズ次第)
- C社:5万円~9万円(データサイズ、サイト構成による)
- mixhost:9,900円 (税込)
率直に「なんでここまで安いのか?」と思ったので、サポートの方に質問してみたところ、「移転代行で大きく利益を出さなくても継続してレンタルサーバサービスを利用してもらうことで経営として成り立つ値段になっている」とのことです。
また、移転サーバーもmixhostになるので、「サーバー運営ノウハウの蓄積もあり、短時間で効率よく移転を行えるシステムを導入している」とのことでコスト削減もできているそうです。
そりゃ、移設先のサーバーは自ら運営しているサーバーになるので、サーバー毎の仕様を調べる作業コストも必要もないというので納得です。
この値段設定が「採算度外視」でやられているのだとしたら、正直ユーザーとしても安心して使うことができません。けれど、ここまで設備を整え、先を見据えて行っておられるとなると安心感があります。
そういったことであれば、利用者・mixhost双方、以下のように両者Win-Winとなる関係が成り立ちます。
- 利用者側:サーバー移転が楽。しかも代行費用が激安でナイス!
- mixhost側:サーバー契約者数を増やし安定的な収益を得ることができる
僕は個人的に「サービス利用者」と「サービス提供者」どちらかが圧倒的にWinな関係は、長続きしないと考えています。ですので、こういった適切な両者Win-Winとなるサービスは、システム的に見ても心強いです。
移転代行してもらえる条件
申し込み手順の前に、「WordPress移転代行サービス」にサイト移転をしてもらうのに必要な条件は以下。
- 独自ドメインで運営している
- WordPressでサイトを運営している
- WordPressのマルチサイト機能を利用していない(1つのWPで複数ブログを管理していない)
- mixhostとレンタルサーバー契約している(無料体験期間でもOK)
とりあえず、WordPressサイトの移転を代行してもらうなら、上記条件に当てはまっている必要があります。
主な手順
mixhostの「WordPress移転代行サービス」にお願いしてから完了するまでの大まかな流れは以下のようになります。
- mixhostに登録する
- WordPress移転代行サービスに申し込む
- 移転元のアカウント情報を知らせる
- mixhostから移行代行予定日時が送られてくる
- 移行が終わったら動作確認用のURLが送られてくる
- hostsファイルを編集して存分に動作確認
- 問題がなければネームサーバーを変更
以下では、それぞれの流れについて、詳細に説明します。
mixhostに登録する
まずmixhostの「WordPress移転代行サービス」に申し込むには、mixhostサーバーを利用している必要があります。
mixhost以外の、「他サーバーA」から「他サーバーB」といった移行代行はしてもらえないので、注意が必要です。
必ず「他サーバー」→「mixhost」となる必要があります。
無料でのサーバー試用登録方法はこちら。
WordPress移転代行サービスに申し込む
mixhostの登録が終了、もしくはアカウントを持っている場合は、「WordPress移転代行サービス」から「ご契約後のお問い合わせ」をクリックします。
もしくは管理パネル(cPanel)の「新規お問い合わせ」から申し込んでもOKです。
以下のような項目が表示されるので「WordPress移転代行サービスのお申し込み」を選択してください。
すると、問い合わせフォームが表示されます。
ここで、以下のテンプレートに書き込んで「WordPress移転代行依頼」を行います。
—————————————————————————— 移転を希望するWordPressサイト数:(例:1サイト) 移転を希望するWordPressサイトURL:(例:http://example.com/) 現在ご利用中のレンタルサーバー名:(例:○○○サーバー) ——————————————————————————
当サイトを例にするならば、以下のように記入します。
サーバー移転を希望します。 —————————————————————————— 移転を希望するWordPressサイト数:1 移転を希望するWordPressサイトURL:https://nelog.jp/ 現在ご利用中のレンタルサーバー名:○○サーバー ——————————————————————————
記入画面はこんな感じ。
このような内容で送信すると、折り返しmixhostサポートの方から連絡があるのでそれを待ちます。
移転元のアカウント情報を知らせる
しばらくするとサポートから折り返し案内があります。
その案内に従って、WordPressのアカウント情報や、移転元サーバーのアカウント情報を、mixhostの方に伝えます。
mixhostに伝える設定情報は、移転元サーバーの仕様や、運営者の考えによっても変わってくると思いますが、僕の場合は以下の内容を伝えました。
- 移転を希望するWordPressのURL
- 移転を希望するWordPressの管理画面のURL
- WordPressの管理者権限ユーザー名
- WordPressの管理者権限パスワード名
- 移転元のレンタルサーバー名
- 移転元レンタルサーバーのログイン名
- 移転元レンタルサーバーのパスワード
- 独自ドメインのメールアドレスは使用しているか?
「WordPressのアカウント情報等を教えるのは怖い」と思われる方も中にはおられるかもしれません。
ただ、僕はそこらへんはあまり気になりませんでした。
なぜなら、移転を代行してくれるのは、これからお世話になるサーバーの方だからです。
サーバーを移転した場合、結局大事なデータは、移設先のレンタルサーバーに置くことになります。その、レンタルサーバーを信じなければ、いずれにせよサイトを公開できません(さもなくば、自分でサーバーを立てるしかありません)。
レンタルサーバー間”のみ”のサイト移転の安心感
僕は、このmixhostのサーバー移転は「レンタルサーバー間オンリーのデータ移行」になるのが素晴らしいと思います。
移転代行業者に頼むケース
というのも、どこか「別の移転代行業者」に頼んだ場合は、WordPressデータは、「移設元サーバー → 別の移行代行業者 → 移設先サーバー」と3つの業者間を行き来します。
僕のような素人には、この「別の業者がどこまでちゃんと仕事をしてくれるのか?」ということはわかりません。もちろん、「その界隈では有名な業者で安心」ということもあるかもしれませんが、頼んだことがない者にとっては、そんなことはわかりません。わざわざ業者の信頼性をいちいち調べるのも面倒くさいです。
mixhostに移転代行を頼むケース
一方、「mixhostの移行代行サービス」に頼むと、データに接触するのは、どちらもレンタルサーバーサービスのみです。
これだと、大事な情報(アカウント情報を含む)がレンタルサーバー間のみでやりとりされます。
レンタルサーバー業は、サイトデータのような「大事なデータをずっと安全に預かり続けてくれている」という実績があります。そうでないと、レンサバ業なんてできません。その点においては、「レンタルサーバーがデータを預かる」というのは、かなりの信頼があると言っていいと思います。
少なくとも、僕のような業界のことをよく知らない依頼者にとっては「別の移行代行サービス」に頼んで、「よく知らない業者の手を経由」するよりは、安心できます。
mixhostから移行代行予定日時が送られてくる
代行への申し込みが受理されると、mixhostから移行代行予定日の連絡があります。
僕の場合は、以下のような内容でサポートの方から連絡がありました。
WordPress移転代行につきまして、下記スケジュールで進めさせて頂きます。
移転代行作業日時:2017/1/27(金)9:00〜15:00
移転作業中は、記事の更新はご遠慮下さいますようお願いいたします。
※記事の更新が必要な場合は、予約投稿機能をご利用下さいませ。
で実際に、その予定日時通りにWordPress移転を実施していただきました。
移行代行当日はWordPressへの投稿や編集は行わない
で、mixhostの方からも案内があると思うのですが、「移転代行作業日時にWordPressへの投稿や、設定が変わってしまうこと」はやってはいけません。
なぜなら、移転元のWordPressと移転先のWordPressに差ができてしまうからです。
どうしても記事を予定時間に公開したい場合は、作業日時前に予約投稿で設定しておく必要があります。
実際の移行にどのくらいの時間がかかったのか?
それで、当サイトのケースでいうと、実際の移行作業にかかった時間は以下でした(サポートの方に聞きました)。
移転元サーバーでの作業
データベース及びWordPress本体ファイルの取得:5分程度
WordPressメディアファイルの取得:30分程度
mixhostでの作業
データベース及びWordPress本体ファイルの復元:5分程度
WordPressメディアファイルの復元:10分程度
動作確認及びLiteSpeed Cacheのセットアップ:10分程度
移行時間計:およそ1時間程度
やはりプロ。めちゃくちゃ速いです。
ちなみに、僕がやった場合は、途中失敗したところまでで、これだけの時間がかかっています。
エックスサーバーでの作業
データベースの取得:1時間程度
WordPress・メディアファイルの取得(FTP):10数時間以上
mixhostでの作業
データベースファイルの復元:1時間程度(失敗:ここで挫折)
移行時間計(失敗):20時間弱
「FTPでファイルをダウンロードしていた時間」は自動でやらせていたとしても、僕のようなサーバー素人がやると、これだけ無駄な時間を要してしまいました。
僕自身、「何でそんなに早く移行できるの?」と思ったもので、質問してみると、以下のように丁寧に教えていただきました。
データを取り出す際、FTPなどで1ファイルずつコピーを行うと非常に時間がかかる為、弊社ではほとんどの場合tar.gz形式などでアーカイブを作成し、そのファイルを転送する事により所要時間を削減しております。
SSHのコマンド操作で、先にファイル自体を圧縮して転送しているから、そんなに早かったんですね。この時ほど「餅は餅屋」という諺を実感したことはないような気がします。
やはり、そこらへんはプロの仕事です(業界では常識なのかもしれませんが)。
その他にも、mixhostの代行サービスに依頼したおかげで、以下のようなことも移転作業と合わせて行っていただきました。
- 不要なデータベーステーブルを移行から除外(使ってないプラグインの不要なテーブルを指定して移行しないでくださいとお願いした)
- LiteSpeedサーバー用のキャッシュプラグインのセットアップ
- WordPressの簡単なチューニング作業
あと、サイト移転希望者の方には、アクセス数に応じた適切なプランの提案などもしてくれるそうです。
1万円台の料金で、どこまで至れり尽くせりなんだか。
と、ここまでがmixhost側が行ってくれる作業になります。あとは、自らが行う作業となります。
移行が終わったら動作確認用のURLが送られてくる
移行作業が終了すると、mixhostから、動作確認用の以下のようなURLが送られてきます。
http://サブドメイン.初期ドメイン/
例えば、サブドメインがexampleで、初期ドメインがtest.mixh.jpである場合は、以下の通りとなります。
http://example.test.mixh.jp/
ただ、動作確認用のURLだと、管理画面へのログインはできません。
また、ドメインが変わることにより、クロスドメイン制約によりFont Awesome等が正常表示されなかったりもします。
なので、どうせなら確認をする際には、必ず次の「hostsファイルの編集」を行って動作確認を行ってください。
hostsファイルを編集して存分に動作確認
hostsファイルを編集すると、mixhost上のサーバーデータを完全な形で動作確認することができます。
管理画面などにログインして、管理画面の動作確認も行うことができます。
hostsファイルの詳しい編集方法は以下を参照してください。
僕の場合は、以下のようなことをチェックしました。
- テーマはきちんと反映されているか
- インデックスページは表示されるか?
- 投稿ページは表示されるか?
- 固定ページは表示されるか?
- WordPress管理画面にログイン出来るか?
- WordPress管理画面の設定画面は動作するか?
- WordPress管理画面の設定が引き継がれているか?
- プラグインの動作に問題はないか?
参考 hostsファイルの設定方法 – mixhostサポートサイト
問題がなければネームサーバーを変更
動作確認をして問題がなければ、最後にネームサーバーの設定を変更します。
mixhostのネームサーバは以下になります。
- ネームサーバー 1: ns1.mixhost.jp
- ネームサーバー 2: ns2.mixhost.jp
- ネームサーバー 3: ns3.mixhost.jp
- ネームサーバー 4: ns4.mixhost.jp
- ネームサーバー 5: ns5.mixhost.jp
僕が利用している、ムームードメインでは、以下のように設定しました。
詳しい、ムームードメインでの設定方法は以下のページを参照してください。
ネームサーバーを変更したら、あとはただひたすら設定が反映されるのを待つだけです。
だいたい数時間~72時間程度でmixhostの方に完全にアクセスが流れます。
mixhostへの支払い方法
全ての作業が終了して、しばらくしたら移転作業料の請求書がmixhostの管理画面に届きます。
すると、請求書の一覧が表示されるので「未払い」となっているボタンをクリックしてください。
すると、以下のような請求書が表示されるので、「支払い方法」を選択した後、「お支払いはこちら」ボタンを押してください。
僕はクレジットカードで、以下の画面から支払いました。
すると、先程の請求書画面が表示されるので、「お支払い済み」となっていれば支払い完了です。
支払いは、数週間の猶予があるので、すぐさま払う必要はありません。
mixhostの移行代行サービスに依頼する利点と難点
僕が今回、「WordPress移転代行サービス」にサイト移転を依頼して良かった点としては以下。
- 移行料金が破格の安さ
- プロに頼めるのでサーバー素人の自分がやるより安心で確実
- 素人(自分含む)がいろいろ移行作業するより頼んだ方が時間を大幅に短縮できる
- データの移動はレンタルサーバー間のみ(よくわからない業者を経由しない)
- WordPressのチューニングもやってもらえる
- LiteSpeedサーバー用のプラグインを適用してくれる
- 希望すればアクセス数に応じたプランの提案もしてもらえる
- 完全に移設先の動作確認を終えてからネームサーバーを変更してアクセスを移せる
反面、難点として思いつくのは、このぐらいでしょうか。
- サーバやWordPressのアカウント情報を教える必要がある(これはどんな移行業者も)
- 作業が完了し動作確認後にアカウント情報のパスワードを変更する必要がある(これはどんな移行業者も)
アカウント情報を知らせるのは、僕は大して気になりませんでした。というのも、教えるのは「大事なデータを預けるレンタルサーバー業者」だからです。
レンタルサーバー業者が、悪意のあることをやろうと思うと、アカウント情報があろうがなかろうが、ほぼどんなことでも出来るからです。もちろん、レンタルサーバー業者がそんなことをする確率は、限りなく限りなく低いと思います。
なぜなら、そんなことをしているのがバレるとレンタルサーバー事業の信用に関わってくるからです。とにかくそんなデータ管理業者として、あるまじき行為を働くサーバーには、誰も大事なデータを預けません。当然そうなると事業として成り立たなくなるからです。
ですので、「よくわからないGoogleで調べた移行代行業者」に頼むよりは、遥かに安心感がありました。
まとめ
こんな感じで、当サイトを「WordPress移転代行サービス」によりmixhostに引っ越してきました。
最初、自分でWordPress移行作業を行っていたので、「大容量となったデータベースがエクスポートできない」などのトラブルがかなり起こり、余計な時間を浪費してしまいました。
で、引っ越しを代行してもらったら、ビックリするほどあっさりと終わり「最初から頼んでおけば良かった…」となったのはいうまでもありません。
なので、もしmixhostにサイト移転を考えている場合、「WordPressのサーバー間引っ越しに自信がない」なんて場合は、代行してもらうのも賢明な選択のような気がします。
圧縮は本当にやばいですよ…
コマンドさえ覚えれば圧倒的です
※調べればすぐに出てくるので覚えていなくても効率良いです
OS違いますが
CentOS で tar.gz 圧縮・解凍コマンドのメモ
本当にこれだけで効率が上がるのですごいですよね
コマンド覚えられませんが… 笑
※もっと使用頻度が多ければ自然と覚えますが…
FTPだと本当に一つ一つなので時間が掛かります…
全体的な話になると
圧縮ってすごいですね 笑
やっぱりデータベースのエクスポート、インポートは速いですね
質問なのですがWordPressの設定はそのままでしたか?
サーバー再構築後のWordPress復旧でエクスポートしてインポートしたら
WordPressの設定部分で500とかになりました
逆に面倒くさかったので記事データと復旧できそうなやつだけを復旧して
あとは全部設定しなおしました
データベースのエラーを探るよりも一からやった方が楽だなと言う考えからです 笑
こういうことがあったのでどうだったのだろうという質問です
やはりプロの方は違いますね
安心感があります