Cocoonをエックスサーバーに事業譲渡後の2年間を振り返る

先日、WordPressの無料テーマCocoonをエックスサーバー社に事業譲渡してから2年が経ちました。

この度、僕がこれまで開発・運営していた「無料WordPressテーマのCocoon事業」を、「エックスサーバー株式会社」に事業譲渡さ...
この度、WordPress無料テーマの「Cocoon」事業は、レンタルサーバーやインターネット関連サービス事業を運営する「エックスサーバー株式会社」に事業譲渡させていただきました。それと同時に、今後も私(わいひら)がCocoonの開発・運営...

事業譲渡後、Cocoonの開発・運営には業務委託として関わってきました。

先日、「事業譲渡から2年」ということでエックスサーバー社のXWRITE開発チームの方と対談をさせていただきました。

2022年9月7日、エックスサーバー株式会社は、わいひらさんからWordPressテーマ「Cocoon」の開発事業を譲り受け、同時に業務提携を開始しました。提携後は、エックスサーバーが「Cocoon」の開発業務を全面的にサポートし、開発や公...

詳しくは上記の記事に書かれていますが、事業譲渡後から2年をこちらでも振り返ってみようと思います。

Cocoonを事業譲渡した経緯

話はさかのぼりますが、Cocoonを初公開したのが2018年3月です。

これから事業譲渡までの4年半は、基本的に一人で開発・運営してきました。いわゆる「一人親方」もしくは「ワンオペ開発」ってやつですね(*1)。

Cocoonは、公開当初から無料テーマだったので、収入はほぼAdSense収入だけでやってきました。入ってくる金額は月5~8万円くらい。ですが一応、支出はほぼサーバー代だけなので、金銭的だけでいえばプラスではありました。

とはいえ、Cocoonの開発や運営・保守にかかる膨大な時間は、自身の時給を500円として換算しても、大幅なマイナスという状況でした。

自分の労力を経費に含めないことで、ようやく月数万円の利益。以前から運営していたサイトの収益をCocoonに注いでいるという状態でした。

僕自身、WordPressテーマ開発は元々Simplicityからはじめ、ほとんど趣味として取り組んでいたので、Cocoonもその延長で始めました。なので開発初期の2年間は、大して儲からずとも趣味としてそれなりに楽しんでやっていました。

しかしその後、「ただ楽しくやる」ということが、できなくなる問題がいくつか起きました。

2020年の10月に、僕は異所性骨化という「本来骨組織が存在しない部位に異常な骨が形成されてしまう病気」を発症しました。その病気により股関節に不要な骨ができ、股関節が固定されたことにより可動域がなくなってしまったことが原因で、ちょっとベッド上で座位を取ったはずみに大腿骨を骨折してしまいました。

先日、異所性骨化(いしょせいこっか)という病気になりました。その病気が原因で、大腿骨まで骨折することになってしまいました。 ...

コロナ禍真っ最中のあの重い雰囲気の中、この大腿骨骨折はかなりしんどかった。面会もNGでしたし。

とはいえ、大腿骨骨折の手術は無事に成功しました。

しかしその後、今度は「余計にできた骨の除去手術」も受けなければなりません。手術は1年後となりました。というのも骨化症状が治まるのを1年間(*2)待ってから手術する必要があったからです。それにより1年間は、全く車椅子に乗れない状態が続くこととなりました。車椅子に乗って散歩もできない。これもかなりメンタルを削られました。

2021年11月前半に異所性骨化の手術を終え、退院してきてようやく生活も落ち着いてきました。2020年10月に、異所性骨化(...

さらに良くないことは続くもので、時を同じくして長年僕の介護をしてくれていた父の癌が悪化しステージ4となりました。それにより抗がん剤治療をするため父の通院・入退院も増え、父への心配と自身の体調が相まって、極めてストレスフルな状況に。

さらには、この時期の手前くらいからWordPressのブロックエディターがいよいよ多くの人に使われだしました。当然Cocoonも、その対応もしなければなりません。その合間に、テーマの機能追加や不具合修正、フォーラム対応などにも追われ、まさにてんてこ舞い状態に。

従来のWordPressクラシックテーマ対応だけなら、主にPHPとCSS対応なので何とかやっていけた気がします。ただ、そこに新仕様のブロックエディター(Gutenberg)が加わったのはマジでキツかった…。

当時Gutenbergは新しい技術のため、ネットで検索してもほとんど情報が出てきません。しょうがないのでGitHubにあるソースコードを見て、試行錯誤を繰り返すため、とにかく普段の3~5倍くらい時間がかかるようになってしまいました。WordPressのバージョンが変われば、仕様が大きく変わることもあったので、その対応にも追われます。

そんな手間がかかるもんだから、収益の柱だった自身のサイト運営にも手が回らない状態が長く続くことに。

「このまま一人でやっていたら自分はパンクするわ…。身体的にも精神的にも金銭的にも…」

と思いながら更新をしている日々でした。

でも、そんな無理を続けると流石に限界が来てしまいました。そりゃそうですよね。

そこで、「少しでも負担を軽減するためにブロックエディターだけでも外注に出せないか?」と考えて、Cocoonに「寄付機能」をつけて寄付を募ったのが当時の経緯です。

詳しくはこちら。

エックスサーバー株式会社へのCocoon事業譲渡より、2022年9月7日から寄付特典機能はすべて開放され全機能を無料で利用出来るようになりました。新しくCocoon寄付特典を追加した経緯や、特典内容などを説明させていただきます。これまでの経...

この記事の公開後、多くの皆さんに寄付機能を利用して頂き、当面の外注資金を確保することができました。皆様、その節はありがとうございます。

そして、前述の記事を公開した結果、SWELL了さんに声をかけていただくこととなり、業務提携という形で開発資金を援助していただくことになりました。

タイトルの通りとなりますが、この度、無料WordPressテーマ「Cocoon」様(以下、「Cocoon」)とWordPressテーマ「SWELL」は、業務提携及び資本提供の契約を結ぶこととなりました。 2022年9月、Cocoon開発事業

ここでようやく自分の持ち出しとか関係なく、資金面で安定的にCocoonを運営できる環境が整ったことになります。その説は誠にありがとうございました。助かりました。

了さんのおかげで、資金面では非常に安定しました。ただ、資金だけではどうしても解決できない問題もありました。それが自分自身の健康面での問題でもあり、ワンオペ開発の永遠の課題ともいえる「プロダクト(Cocoon)の継続性」という問題です。

当時、大腿骨骨折後の異所性骨化除去手術を待つ間にも、高熱やらなんやらで体調不良が続きました。ここまで調子が悪いと弱気になるもので「こりゃ自分はいつ死んでもおかしくないな…」とその都度思うようになりました。

それとともに寄付機能を募った際に、「Cocoon作者が体調不良」ということもユーザーの方に少し周知されることとなりました。それにより、メールやフォーラムに以下のような「今後のCocoonに関する問い合わせ」がいくつか届くようになりました。

Cocoonは、「わいひら」様が管理・更新できないと判断したとき、どのようにテーマを運営する予定ですか?

将来のCocoonというテーマについてどのように運営していく予定ですか?

至極ごもっともな質問だと思います。

「収益化している自分のサイトが利用しているテーマの開発者」の体調がすこぶる悪く、「開発者が急に体調不良で開発停止になったら?」と考えると、先が心配になるのは当然のことでしょう。僕だって同じ立場ならテーマが心配になります。

しかしながら「Cocoonが、これだけ心配して頂けるほど必要とされるテーマになった」とも言えるので、大変光栄なことでもあります。

当時、上記の質問に対して、僕は以下のように返信しました。

一応、Cocoonライセンスは100%GPLなので、開発が停止した時点で(開発継続中だったとしても)、誰でも開発を引き継いで配布することができるようになっています。

そこら辺については、こちらに書いたので画像で引用しておきます。
>https://wp-cocoon.com/100-percent-gpl/

あと、先日こちらを書いたときは、何社からか「Cocoon事業を売却して当社に運営させていただけないか」というお話もいただきました。
>https://wp-cocoon.com/cocoon-donation-privileges/
当時、開発できなくなったわけではなく、無料テーマ体制も維持したかったため、辞退させていただきましたが、どうしても継続が無理で、必要という声がある場合は、そういう手もないわけではないかと思います

当時、寄付機能の記事を書いてからというもの、いくつかCocoon売却のお話も頂いていました。ただ、いずれも「売却後は有料テーマで」というお話でした。

そりゃそうです。

皆さんもご存知かもしれませんが、無料テーマってほんと儲からないんですよ。実際、SWELLと提携する前は、自分の労力を含めたらゴリゴリの赤字事業だったんですから。そんな無料テーマの実情があるので当然、事業譲渡後は収益化のために有料テーマ化するという判断は当然かと思います。

ただ僕自身、Cocoonを事業譲渡した理由でも書いたように、Simplicityテーマの頃から合わせて8年も無料テーマ開発をやってきたので、それなりに無料テーマというものに思い入れもありました。

というのも僕自身、もともと無料テーマからWordPressを始めてサイトを作成しました。その後、目標であった確定申告もできるようになり、それなりに余裕を持った生活もできるようになりました。

僕は過去、事故で首を骨折して、頸髄損傷となりました。その結果、両手両足が動かなくなり、重度障害者となりました。それは...

僕のような重度障害者が、サイトで収益を得られるようになったのも「無料テーマでWordPressを始めてサイトを作ったのがきっかけ」だったからです。

その「サイトを作るというきっかけ作り」において、双方無料で利用できる「WordPress+無料テーマ」という組み合わせは、非常に優秀なコンビだと思っています。

僕も初めてWordPressサイトを作った時は、当時月1000円(税別)でエックスサーバーで場所を借り、人件費以外のコストはそれだけで始めました。

どんなにお金がなかったとしても、当時の僕のように障害者年金生活だったとしても、月1000円(税別)であれば、なんとかひねり出すことはできるのではないでしょうか。

なのでサイト運営を開始するハードルを費用面で下げるために「無料テーマ」というのはどうしても残しておきたかった(*3)。僕自身もサイト運営を始めた「きっかけ」が無料テーマだったというのも大きかったです。

そんなわけで、それまで頂いたCocoon売却提案は丁重に辞退させて頂いていました。ただもちろん、自分の体調がいよいよやばくなってきた時には「有料テーマ化を目指しているところに事業譲渡」という選択肢も当然僕の中にありました。

やはり「僕が倒れてCocoonが開発中止」となるよりも、「たとえ有料テーマだったとしても存続」となった方がユーザーの利益になると思ったからです。

そんなこんなで「ライセンスがGPL以外に、今後Cocoonの継続性を高めるためにはどうしたらよいものか…」と数ヶ月頭を悩ませていました。

そこにTwitter(当時)のDMに一通のメッセージが届きました。

その届いたDMは、エックスサーバーからのものでした。

エックスサーバーからの提案

DMはまずエックスサーバー社のT部長さん(Twitterネーム)からいただきました。

そこから社長の小林さんに繋いでいただき、ChatWorkでお話しさせていただくこととなりました。

その時、頂いたのが「Cocoonの事業譲渡」の提案でした。

その後、事業譲渡に関するお話の中で、僕はまず小林さんに以下の質問をしました。

  1. Cocoonは今後とも無料テーマのままで良いのか?(有料テーマとなるのか)
  2. 今後のCocoonのライセンスはどうなるのか?
  3. 現在すでに他社サーバーのWordPressインストール機能に組み込まれているがそれはどうなるのか?

すると初っぱなから以下のような回答をいただきました。

  1. Cocoonは今後も無料テーマのままで(有料化は想定していない)
  2. CocoonのライセンスはGPLのままで(誰でも自由に使えるライセンスを維持)
  3. 他社サーバーもそのまま使っていただいて全く問題ない

そして事業譲渡後も、僕(わいひら)が主体で開発・運営を業務委託という形で行い、僕が体調が悪い時には、XWRITE開発チームの方がフォローに入っていただき連携をするという提案まで頂きました。

この回答を聞いて、僕は率直に「えっーーーーーー!!マジで無料テーマのままでいいの!?」と思ってしまいました。前述しましたが無料テーマって、よほどうまくやらなきゃマジで儲からないんですよ!

それに僕は事業譲渡したら当然Cocoon運営から退くものと思っていました(その前に頂いた事業譲渡提案では譲渡後は完全にお任せするというのもあった)。もちろんそれでも全然良かった。

なので、これまで何年も手をかけてきたCocoonに今後も携われるのかと。加えて僕が体調が悪い時には、エックスサーバー社のプロの面々がバックアップしていただけるということに。まぁ、なんと贅沢な。

エックスサーバー社からの提案は、僕にとって想定の上をいくものでした。それも僕が強く要求したわけではなく、ファーストコンタクトから前述のような提案をいただきました。

僕がWordPressサイトを始めたのが2013年。その際に借りたのがエックスサーバーです。その時点でも、エックスサーバーはブログ運営者にとっては一番有名なサーバーだったと思います。当時、ネットの評判でサーバーを決めた記憶があるので。

その後時は進み、事業譲渡時点(2022年)で既にエックスサーバーは、日本シェアナンバーワンのレンタルサーバー(W3Techsより)となっていました。そんなトップのサーバー会社が、「無料テーマのままでCocoonを引き継ぐ」と言ってくださってるんです。

※画像は2024年10月時点のもの

この提案に対して、どこに断る理由がありましょうか。少なくとも僕には全く断る理由を一つも見つけることができなかった。

そして事業譲渡・業務提携の最終段階に入って、社長の小林さんが、わざわざ富山の片田舎にある僕の家まで直接会いに来てくださいました(*4)。

小林さんはとても気さくな方で、雑談も交えつつ、お互いについての質問もしつつ、事業譲渡等の話をさせていただきましたが、僕は二つ返事でOKした記憶があります。そりゃそうよ。

エックスサーバーに事業譲渡して

その後、2022年8月頃に契約書を交わして、名実ともにCocoonテーマはエックスサーバー社所有となりました。

その際、僕は何を思ったかというと「正直とにかくホッとした」ということでした。

その当時、僕は以下のような不安要素を考えていました。

  1. 元々体が弱くて体調も崩しやすい
  2. 大腿骨骨折・異所性骨化手術後のリハビリと頻繁な通院
  3. 自分の急激な体調変化によるCocoon継続性の問題
  4. 父の体調悪化
  5. WordPressのブロックエディター対応の大変さ

これが今回の業務委託契約により、➀~➃の要因で僕が体調不良になっても、XWRITE開発チームの方々がフォローに入っていただけるようになりました。そして⑤のような技術的な問題で僕の手に余るものだったとしても、こちらも相談・対応等々フォローしていただけるようになりました。

とにかく当時、「Cocoonを手放した寂しさ」よりも、「ワンオペ開発の不安から解放されたことによる安心感」の方がはるかに勝っていた覚えがあります。もう、肩の荷が下りたというか。

この「肩の荷が下りた」というのには「Cocoon開発の継続性が高まった安心感」も、大きかったと思います。これは自分だけでなく誰にでも言えることですが、人間ほんといつ死ぬかわかりません。ワンオペ開発の場合、開発者が死んだら基本的にそのプロジェクトは終わりです。

そうならないようにCocoonのライセンスを「誰でも自由に再開発できるGPL」にはしているものの、誰かが引き継いでくれるとも限りません。こういったプロダクト事業継承問題は概ね全てのワンオペプロダクトに当てはまるものかと思います。

今回の事業譲渡で、「自分に何かあってもエックスサーバー社がCocoonを引き継いでくれる」という意義は僕にとって非常に大きかった。自分自身、現状、子を残す可能性は無いので、その代わり何かを残せた気にもなりました。こんなん書くとなんか死んじゃうみたいですが、別に今大きな病気をしているとかじゃないです。

Cocoon運営がチーム体制になった

その事業譲渡から2年が経過したわけですが、エックスサーバーの開発チームの方々には、度々助けていただいています。

去年の年末年始(能登地震や航空機衝突炎上事故があった時)、僕はとある疾患から敗血症になってしまって急遽救急車で入院しました。僕は知らなかったんですが、敗血症になると臓器が思うように機能しなくなるんですよ!マジで死にかけて長期離脱しました。

その長期離脱の際にも、XWRITE開発チームの方にCocoon運営のフォローに入って頂いて、テーマの不具合なども修正していただきました。

あと冒頭で書いたように、先日XWRITE開発チームの後藤さんと対談させていただいたんですが、対談数日前から酷い風邪にかかってしまいました。その際体調不良を申し出たら快く日程を症状が回復するまでずらしていただいた上に、その間もCocoon運営のフォローに入っていただいたりもしました。

そういえば、僕は事業譲渡契約の2週間前くらいにもコロナにかかってしまい、まもなく公表が控えている忙しい時期であるにもかかわらず、経営陣の方々とのWebミーティングでの最終調整等々を延期していただいたこともありました…。

僕の場合、こんなことが結構あるんです^^;

そんな感じで、僕はしょっちゅう体調を崩すので、エックスサーバー社の方々にご迷惑をおかけすることも多いのです。けどエックスサーバー社の皆さんが気を使ってくださるので、いつも助けていただいています。

以前は、体調不良の時でも全て一人でやっていました。今は体調を崩してもバックアップしてくださる方がいます。これがどれだけ心強いことか…。

チーム体制となったことで、自分がどれだけ心細い中、開発をやっていたのか、ということにも気づかされました。

今後のCocoon

今後Cocoonは、当面僕が主体で開発・運営はすると思います。

ただ最終的には、すべてをXWRITE開発チームの方にお任せする状態になれればと思っています。

この状態こそが「Cocoonの継続性を高める終着点」であり、開発者の体調に左右されない長期的に安定して使えるプロダクトになると考えます。

というか、XWRITE開発チームの方々はガチのプロ集団なので、現時点で仮に僕が病気で長期離脱になったとしても、問題なく引き継げる状態になっていると思います。

僕以外が、開発の主体となれば、今まで僕が思いつかなかった機能なども実装されるかもしれません。それはそれで「どんなCocoonになるんだろう!」と楽しみでもあります。

おわりに

1年ほど前、大病をしていた父が他界しました。

Cocoonがチーム体制となり、皆さんにフォロー頂いたことで、終末期治療で入院していた父の元へ何度も足を運ぶことができました。その際「自分が大怪我をして障害者となったことにより、人生の後半は好きな山登りなど諸々を出来なかったであろうお詫び」と「ステージ4の状態になり、体が思うように動かなくなる最後まで自分の世話をしてくれた感謝の言葉」をしっかりと伝えることができました。

このように父としっかりお別れできたのも、チーム体制ならばこそです。

直近で、小林さんの3回目の訪問の際には、仏壇に手を合わせてくださいました。

初回、その次回と、父が小林さんを近くの駅まで送迎していました。その際、車内で父が「僕への体調の心配」と「あいつはようやっとる」みたいなことを言っていたと教えてくださいました。

父の性格からいって、そういう言葉は近親者に言うタイプではありません。でも初対面の小林さんだったからこそ、そんなことを話したのかなと思います。その言葉を聞けただけでもよかったなと。

このように、この2年間でも色々ありましたが、事業譲渡前と比べ、体調・メンタル面は、かなり良い状態になりました。

先日、大学病院に行って検査したんですが、大腿骨骨折と異所性骨化の手術後の経過も問題なしでした。この病気は再発確率が半々と主治医に言われていたので、この結果は僥倖でした。

仮に再発して体調崩したとしても、チームの皆さんにバックアップに入ってももらえます。実際、直近でひどい風邪で寝込んだ時もフォローに入っていただきました。

結果「もし自分に何かあっても助けてくださるチームがある」と思えるように。それだけでも、どれだけ精神的な負担が減ることか。その心の負担を減らせたことが体調面にも良い影響が出ていると思います。

やっぱ、Cocoonをエックスサーバー社に事業譲渡した判断は正しかったと確信しています。

*1:フォーラムの有志の方々にフォーラム回答や不具合修正などでもを助けていただいたりはしています。スキンはスキン毎の作者さんが作成されています。
*2:1年も間を空けたのは、なるべく異所性骨化症状がおさまってから除去手術をした方が再発の可能性が低くなるという主治医の判断からです。
*3:もちろん良い理由だけではなく、有料テーマにしてお金を頂くというプレッシャーから逃れたかったという理由もあります。僕自身、酒もタバコも外出(通院以外)もしないので生活にお金がかからず、「お金を稼いだとて…」という詮無い理由もありました。
*4:最初は僕の住んでる町の喫茶店などで会おうと思っていましたが、僕の車椅子活動限界が最大4時間で介護者も必要ということもあり、結果あまり綺麗とは言えない僕の部屋に来ていただくことになりました。