Ahrefsという被リンク(バックリンク)分析ツールを使ってみました。
これまで、被リンクを調べると言ったら、ウェブマスターツールの「サイトへのリンク」や、MozのOpen Site Explorerなどを使っていました。
けれど、それら有名ツールよりも、Ahrefsの分析結果の方が視覚的にも分かりやすく、調査も詳細で、それでいて主要な機能を無料で利用できるという、とてもナイスな被リンク調査ツールだったので紹介です。
追記:2017年6月現在Ahrefsは日本語インターフェースでも利用できます。ただし、無料利用はできず利用する際には有料プランを利用する必要があります(※14日間の無料トライアル期間はある)。
photo by dcJohn
目次
Ahrefsとは
Ahrefsとは、シンガポールとウクライナの企業が運営するSEO分析ツールです。
現在、4ヶ国語に対応しており、完全ではないものの日本語にも対応しています。
Ahrefsは、世界中の数兆にも及ぶサイト情報を保有しており、またそのデータを2週間ごとに全て更新しているそうです。その圧倒的なデータ力で、他のSEO分析ツールでは行えないような、細かな被リンク分析を行うことができます。
また、その豊富なデータに裏付けされた、独自のAhrefs「ドメインランク」と、「URLランク」というランク値(100点満点)を公開しています。Mozでいうところの、「ドメインオーソリティー」と「ページオーソリティー」みたいなものです。
使ってみる
Ahrefsを使うといっても、簡単で、調査対象のURL(ドメイン)を入力して、「SEARCH LINKS」ボタンを押すだけです。
初めて利用する場合は、1日2サイトまで分析することができます。
無料会員登録すれば、1日10サイトまで分析を行うことができるようになります。
Ahrefsのダッシュボード
で、分析ボタンを押して最初に出てくるのがダッシュボードです。
大抵のWEBサービスのダッシュボードと言ったら、サービスの各機能のサマリー情報ですが、Ahrefsの場合ダッシュボードだけで、これだけの濃い内容が載っています。
以下では、それぞれの項目について説明します。
サイトランク
Ahrefsでは、調査したURLと、ドメインに対して独自のレーティングでランクが付けられています。
- URLランク(URL Rank):
AhrefsによるURLに対するランクスコア - Ahrefsドメインランク(Ahrefs Domain Rank):
Ahrefsによるドメインに対するランクスコア
ランクについては、値によって以下の位置付けになるようです。
- 0~30:有名でない
- 31~70:平均的
- 71~100:非常に人気がある
この、ランクスコアの判断要因は、ほぼ被リンク分析によるものからと思われます。(コンテンツ内容とか多分関係なし)
被リンク数
Ahrefsが、クロールした数兆のサイト情報から、被リンク数が割り出されます。
被リンク(Backlinks)
被リンク数です。上記の場合は、22×K(K=1000)なので、22000個の被リンクがあるということになります。
被リンクドメイン(Refferring Domain)
こちらは、被リンクがあるドメイン数になります。同一のドメインの複数ページから被リンクがあったとしても、1つとしてカウントされます。
シェア数
調査したURLのシェア数を見ることができます。
LinkedInや、Pinterestのシェア数を知るには、有料登録が必要です。ただ、あまり日本では利用されていないサービスなので、無料版で十分のような気がします。ちなみに、はてなブックマーク数は取得できません。
リンク元情報
リンク元に関する数字です。
それぞれ、以下のような意味かと思われます。
- 参照元ページ(Referring Pages):被リンクがあるページ数
- トータル被リンク(Total Backlinks):
トータルの被リンク数(1ページに何個あっても、それぞれ1つとカウント) - クロールされたページ(Crawled Pages):
Ahrefsによってクロールされたページ - 参照元IP数(Referring IPs):
被リンクが1つでもあるサーバーのIP - 参照元サブネット数(Referring Subnets):
被リンクがあるサブネット数 - 参照元ドメイン数(Referring Domains):
被リンクがあるドメイン数 - 政府機関(Governmental):
政府機関からの被リンク数(ドメインでは最も権威が高いので) - 教育機関(Educational):
教育機関からの被リンク数(権威が高め) - .com:
COMドメインからの被リンク数 - .net:
NETドメインからの被リンク数 - .org:
ORGドメインからの被リンク数
被リンクタイプ
Ahrefsでは、どのようにリンクが貼られているかも知ることができます。
textは、テキストにリンクが貼られたもの。imageは、画像にリンクが貼られたものです。
dofollowは、通常のフォローリンクです。
nofollowは、検索エンジンなどが、リンク先をフォローしないリンクです。
Ahrefsランクの推移(Meet New Ahrefs Rank)
Ahrefsランクが独自に順位付けしているランキング順位の変動推移をグラフで見ることができます。
Ahrefsが算出する、Alexaランキングみたいなものだと言っていいと思います。
ちなみに、Ahrefsランキング上位10サイトは以下のような面々になっています。
被リンク数の推移(Referring Pages)
グラフで視覚的に、被リンク数(被リンクドメイン数)の増減を見ることもできます。
被リンクと被リンクドメインの増減が一目瞭然であるとともに、色によってnofollowリンクがどのくらいあるのかもわかりやすく表示されます。
トップコンテンツ(Top Content)
「Explore more results」をクリックすれば、無料会員の場合は、上位20ページまでの結果を見ることができます。
トップレベルドメイン分布(CTLDs Distribution)
ドメインの場所の分布図です。
当サイトの場合は、JPドメインからの被リンクが最も多いので、日本地図の箇所の色が濃くなっています。
アンカーリンクテキストのクラウド(Anchors Cloud)
アンカーテキストに出てくるフレーズの出現数によってクラウドが作成されます。
当サイトは、「寝ログ」というサイト名での被リンクが3番目に多いということがわかります。
被リンク元のAhrefsランク分布(Ahrefs Rank Distribution)
被リンク元のAhrefsランクスコアの分布です。(例:Ahrefsランクトップ)
Ahrefsランクが高いサイトからリンクがあればあるほどSEO的には効果的と思われます。
トップの参照元トップレベルドメイン(Top Referring TLDs)
どのTLD(Top Level Domain)から被リンクがあるのかもわかりやすく表示されます。
と、こんな感じで、ダッシュボードに表示される情報だけでもこれだけあります。(他にも項目はあります。)
メインメニュー
ダッシュボードだけでも十分すぎるくらいなのですが、その他にも、以下の項目から詳細な分析を行うことができます。
それぞれのメニュー項目は、大体こんな内容です。
- 概要(Overview)
- ダッシュボード(Dashboard)
- トップ被リンクページ(Top Pages)
- 売り出し中のページ(Grossing Pages)
- 内容(Content)
- トップ被リンクコンテンツ(Top Content)
- 売り出し中のコンテンツ(Grossing Content)
- トップ参照コンテンツ(Top Referring Content)
- 重複コンテンツ(Near-Duplicates)
- インバウンドリンク(Inbound Links)
- 被リンク(Links))
- 被リンクの増減詳細(New / Lost)
- リンク切れの被リンク(Broken Backlinks)
- アンカー(Anchors)
- 被リンクドメイン(Referring Domains)
- 被リンクドメインの増減詳細(New / Lost)
- 被リンクIP(Referring IPs)
- 被リンク(Links))
- 発リンク(Outgoing Links)
- 発リンク先のドメイン(Linked Domains)
- 発リンク(Anchors)
- リンク切れ発リンク(Broken Links)
- エクスポート(Export)
- CSV形式で出力(CSV)
- PDF形式で出力(PDF)
このように、リンクに関するかなり詳細な分析を、それぞれの項目から行うことができます。
例えば、サイト内の被リンクが多いトップコンテンツの詳細情報を参照したりできます。
無料会員プランの場合は、上位5項目までしか表示されません。それ以上見るためには、有料プランが必要です。
ただ、無料会員プランであっても、被リンクの日々の増減を見たり
それぞれのページへの被リンクがどこから来ているのか、などを無料で調査できるツールはAhrefsぐらいしかないのではないかと思います。(無料の場合は5つまで表示される)
ブロークンリンクメニューなんか見ていると、WordpressプラグインのBroken Link Checkerとかも必要ない気がしてきました。プラグインのは重たいですし。
とりあえず、ここに出てくる「リンク切れを起こしているリンク」を潰していけば、2週間後クロールされているのでまたチェックすれば、それで十分なような気がします。
とにかく、無料でも使い切れないくらいの情報が手に入ります。
まとめ
Ahrefsは、個人が自分のサイトを分析するために利用するだけなら、無料でも十分すぎるツールだと思います。
とりあえず、無料でここまで被リンクのチェックができるツールは、他でみたことがありません。ウェブマスターツールでも被リンクは見ることができますが、操作がややこしいですし、Ahrefsほどの分析結果は出てきません。
ということで、「サイトがどこからリンクされているか気になる…」、「サイト内の人気被リンクページが知りたい」、「被リンクの推移を時系列でみたい」なんて方には、かなりお勧めのツールです。
いつも有意義な情報ありがとうございます。
楽しみにブログを拝見しております。
当記事で紹介されている「Ahrefs」ですが、現在は有料のみで、無料で利用することはできないのでしょうか。サイトにアクセスしてみましたが、無料で利用できるページを見つけることができませんでした。