先日、人工知能に無料で作曲してもらえるAmper Musicを紹介しました。
その後、ネットでAmper Musicに関連した情報を見ていたら、他にも人工知能(AI)に楽曲を作ってもらえるサービスのJukedeckを見つけました。
このJukedeckもまた、簡単に作曲・編集ができて、無料(ロイヤリティーフリー)で使用することも可能(条件あり)。しかも、ライセンスも明確で、より利用に便利そうだったので紹介です。
以下のような曲をAIに作ってもらうことができます。
もちろん、映画音楽っぽいものも作れます。
以下では、Jukedeckの詳細やライセンス、簡単な使い方について紹介したいと思います。
Music from Jukedeck – create your own at http://jukedeck.com
目次
Jukedeckとは
Jukedeckは、人工知能を用いて無料で作曲をしてもらうことができるサービスです。
「曲のジャンル」と「曲のムード」と「曲の長さ」を指定すれば、ほんの数分で手軽に人工知能に作曲してもらうことができます。
作成してもらった曲は、個人利用・非営利利用・スモールビジネスに限り、以下のようなクレジット表記をすることで、使用料が無料で利用することも可能です。
Music from Jukedeck – create your own at http://jukedeck.com
また、Jukedeckは、ライセンスについても分かりやすく表記されており、曲の権利自体も購入することも可能です。
ライセンスについては次の項目にて簡単に説明したいと思います。
Jukedeckのライセンス
Jukedeckは主に以下の3つのライセンスにわかれています。
- 個人・スモールビジネス・非営利ライセンス
- ラージビジネスライセンス
- 著作権購入ライセンス
ライセンスについては、以下のページに書いてあるので詳細は参照してください。
参考 Licensing – simple licensing
以下では、それぞれのライセンスの利用方法について簡単に説明します。
個人・スモールビジネス・非営利ライセンス
Jukedeckでは、個人利用、スモールビジネス(従業員10名未満のビジネス)、非営利利用に限り、0.99ドル(2017年4月時点:1$110円で110円弱)の格安価格で曲を利用することができます。
また、以下のようなクレジット表記をすることで、使用料無料で利用することも可能です。
Music from Jukedeck – create your own at http://jukedeck.com
ただ、このライセンスは、曲の権利自体はJukedeckにあるので、再販などは不可となっています。
ラージビジネスライセンス
ラージビジネス(従業員10名以上のビジネス)の場合は、21.99ドル(2017年4月時点:1$110円で2400円強)で著作権料無料で利用することはできます。
ただ、こちらも権利はJukedeckにあるので、再販は不可となっています。
著作権購入ライセンス
Jukedeckでは、199ドル(2017年4月時点:1$110円で2万2000円弱)さえ支払えば、著作権ごと曲を買い取ることもできるようになっています。
著作権購入ライセンスとなると、曲を自由に利用することができます。
When you purchase a Track under the Copyright license, Jukedeck transfers ownership of the track to you. Thereafter, you can do what you wish with the track.
参考 Licensing – simple licensing
Jukedeckの使い方
以下では、Jukedeckの使い方について簡単に説明します。
Jukedeckに登録
まずは、Jukedeckから「MAKE」をクリックして登録作業を行う必要があります。
「SIGN UP」を選択して、「メールアドレス」と「パスワード」を入力して、サインアップすれば、Jukedeckを利用することができるようになります。
サインアップ後すぐに、人工知能による作曲は行えますが、ダウンロードするにはメールに届くリンクをクリックして承認作業を行う必要があります。
Jukedeckでの曲の利用
登録後Jukedeckにログインすると、以下のような画面が表示されます。
ログイン時点で、既に以前に作られた曲が一覧で出ているので、この中の曲から選んで利用することもできます。
曲のジャンルも豊富で以下の中から選ぶことができます。
- ピアノ(PIANO)
- フォーク(FOLK)
- ロック(ROCK)
- 環境音楽(AMBIENT)
- 映画音楽(CINEMATIC)
- ポップ(POP)
- 落ち着いた(CHILLOUT)
- コーポレート(CORPORATE)
- ドラム&ベース(DRUM & BASS)
- シンセポップ(SYNTH POP)
曲のムードも、以下の中からフィルタリングすることも可能です。
再生ボタンを押して曲を聴いてみて、気に入った曲があれば、「DOWNLOAD」ボタンを押してください。
すると、ライセンスを確認しつつダウンロードすることができます。
Jukedeckで人工知能に曲を作ってもらう
JukedeckでAIに作曲してもらうには、「CREATE A TRACK」ボタンを押してください。
すると、以下のような画面が表示され、Essentialタブでは「曲のジャンル」「曲のムード」「曲の長さ」「クライマックスの位置」を設定することができます。
Instrumentsタブでは、使用楽器の選択を行うことができます。ジャンルがロックの場合、楽器は「古くからある楽器(ビンテージ)」と「最近の(近代的な)楽器(モダン)」から選択することができます。
Tempoタブでは「曲のテンポ」を選択します。
全ての設定を終えたら、「CREATE TRACK」ボタンを押して作曲を開始してください。
すると、一覧に、以下のような作曲中表示が出るのでしばらく待ちます。
作曲が完了すると、以下のようなインターフェースが表示されるので、再生ボタンから曲を聴いてみてください。
曲が気に入れば、「DOWNLOAD」ボタンからライセンスを確認して「MP3」か「WAV」形式でダウンロードすることができます。
曲を多少修正したければ、「EDIT」ボタンから「曲の長さ」「クライマックス位置」「テンポ」ならば変更可能です。
完成した曲
上記手順で完成した曲が以下になります。
- タイトル:Nebulous Courage(Jukedeckが命名)
- ジャンル:ロック(Rock)
- ムード:怒り(Angry)
- 楽器:モダン
- テンポ:中
自作ゲームの中ボス戦に使えそうなカッコイイ曲を作ることができました。
Music from Jukedeck – create your own at http://jukedeck.com
人工知能にいろいろ作曲してもらってみた
その他にも、いろいろAIに曲を作ってもらいました。
気持ちを高めるフォーク
- タイトル:Crooked Abyss
- ジャンル:フォーク(Folk)
- ムード:気持ちを高める(Uplifting)
- 楽器:ウクレレ
- テンポ:中
陽気な曲。
瞑想的な環境音楽
- タイトル:Penitent View
- ジャンル:環境音楽(Ambient)
- ムード:瞑想的な(Meditative)
- 楽器:ネイチャー(自然)
- テンポ:遅い
これはちょっと中国っぽい曲になったけど、いかにも環境音楽っぽいものも作れます。
メランコリックなポップ
- タイトル:Hypnotic Oceans
- ジャンル:ポップ(POP)
- ムード:憂うつな(Melancholic)
- 楽器:シンセ
- テンポ:中
確かにメランコリック。主人公苦悩系。
アグレッシブなドラム&ベース
- タイトル:Faithful Paths
- ジャンル:ドラム&ベース(Drum and Bass)
- ムード:アグレッシブ(Aggressive)
- 楽器:シンセ
- テンポ:早い
ラスボス直前って感じ。
SFの映画音楽
- タイトル:Shoreditch Comfort
- ジャンル:映画音楽(Cinematic)
- ムード:SF(Sci-fi)
- 楽器:シンセ
- テンポ:早い
何かに立ち向かいそう。
アクション映画音楽
- タイトル:Careless Princess
- ジャンル:映画音楽(Cinematic)
- ムード:アクション(Action)
- 楽器:叙事詩的な映画(EPIC)
- テンポ:早い
なんか、ニコラスケイジが救出に向かいそう。
まとめ
Jukedeckで音楽を作るのが楽しすぎて、かなりいろいろ作ってしまいました。
いろいろ使ってみた感じでは、適切にジャンルとムード、テンポさえ選択すれば、「かなり意図通りに音楽を作ってもらうことができる」といった印象です。
個人的に言えば、Amper Musicよりも、ジャンルも豊富で、インターフェースも扱いやすく、ライセンスも明確で使いやすさを感じました。
こんな安価で、ある程度意図通りの曲が作れて利用できるようになるとは、良い時代になったというべきか、恐ろしい時代になったというべきか。
というわけで「手軽に自主制作ゲームの曲を安価で作りたい」とか「著作権ごと買い取れる曲を人工知能に作って欲しい」なんて場合は、Jukedeckはかなり重宝しそうです。
参考 Jukedeck
Music from Jukedeck – create your own at http://jukedeck.com