Cocoonをエックスサーバーに事業譲渡した理由

この度、僕がこれまで開発・運営していた「無料WordPressテーマのCocoon事業」を、「エックスサーバー株式会社」に事業譲渡させていただくことになりました。

加えて、今後もこれまでと同様に僕が開発・運営に関わっていく業務提携も行いました。

この度、WordPress無料テーマの「Cocoon」事業は、レンタルサーバーやインターネット関連サービス事業を運営する「エックスサーバー株式会社」に事業譲渡させていただきました。それと同時に、今後も私(わいひら)がCocoonの開発・運営

Cocoonを公開したのが2018年の3月です。

ですのでこれまで約4年半(Simplicityの頃からだと8年間)、自分なりの愛情をこめて「無料テーマ」に関わってきました。

これだけ長くやっていれば当然、手放すのには寂しい気持ちがあるのも否めません。

それでも「Cocoonの譲渡先をエックスサーバー社に」と決意できたのには、いくつかの理由があります。

ということで以下では「どういった考えでCocoonを譲渡するに至ったかの理由」について簡単にではありますが書きたいと思います。

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Cocoonテーマ事業の継続性を強化したかった

SimplicityからCocoon公開中の現在まで、開発・運営は、僕(わいひら)がほぼワンオペで行なってきました。

ワンオペ開発ということはつまり、僕が重大な病気になったり、何かの拍子に死んでしまうなんてことがあれば、以降のサポートは一切行われなくなることを意味します。

もちろんできる限りそうなった時のためにも、Cocoonのライセンスは100%GPLとしていて、「続きを開発したい」という方が現れた場合は、誰でも自由に引き継いで開発できるライセンスにしておりました。

以前書いたライセンスを100%GPLとした理由はこちら。

前作のSimplicityに引き続き、今回も100%GPLにしたかったのは、「誰でも自由に開発を引き継げるようにしておきたいから」です。

というのも、僕も人間なのでいつ何処で何があるか分かりません。

重い病気にかかって更新が不可能になってしまうこともあるかもしません。(中略)

そんなときに、誰かが「Cocoonを継続して使いたい」と思ってくれたら、その方が開発の後を手軽に引き継げるようにはしておきたかったんです。

引用 Cocoonの吹き出しを独自アイコンに変更。100%GPLテーマにするため。

ただ、そういった「続きを開発したい」という方が現れる保証は全くないので、「僕が重篤な病気になったり死亡したときCocoonはどうなってしまうのか?」については、かなり不透明なまま、これまでずっと運営していました。

加えて一昨年、僕は障害に起因する難病の影響から大腿骨を骨折してしまいました。

先日、異所性骨化(いしょせいこっか)という病気になりました。 その病気が原因で、大腿骨まで骨折することになってしまいました。 ...

これにより、僕の健康問題を心配された方から、「Cocoonの今後はどうなるのか?」といったような心配のお声を何度かいただいていました。

Cocoonは、「わいひら」様が管理・更新できないと判断したとき、どのようにテーマを運営する予定ですか?

将来のCocoonというテーマについてどのように運営していく予定ですか?

引用 Cocoonフォーラムのトピック

個人でやっている以上、開発者死亡により開発停止というリスクは常々あるわけですから、こうした心配をお持ちになられるのは当然かと思います。

これまで僕自身も何度かそういう場面を目撃してきましたし。

こういった「Cocoonの今後問題」の声を、何度かいただいたのもあって「Cocoonの継続性」については「どうしたらよいものか」と日々頭を悩ませていました。

そういった最中に今回、エックスサーバー社から事業譲渡提案をいただいた形となります。

事業譲渡後も無料テーマとして利用してもらえる

今回、Cocoonの事業譲渡提案をいただいた当初から、エックスサーバー社には「Cocoonがエックスサーバーに譲渡された後でも、これまで通り無料テーマのまま皆様に利用していただく」ということでお話をいただいていました。

この「無料テーマのままで」という提案がなければ、即決断はできなかったと思います。

というのもこれまで、Cocoonにはいくつか事業譲渡提案は来ていました。

ただそのいずれも「事業譲渡後は有料テーマ化したい」というお話でした。

そういった提案も当然といえば当然です。有料化しないと収益化が難しいのは僕自身が一番よく知っています。

けれどCocoonは、どうしても無料テーマということにこだわりたかった。

というのも、Cocoonを公開してから現在まで以下のような声を、かなりいただいていたからです。

  • 無料テーマのCocoonきっかけでサイトを始めて収益化に成功しました
  • お金のない時にCocoonでコストを低くサイト運営を始められて助かった
  • 最初どうしてもコストをかけられずCocoonで始めたサイトだけど今は仕事にまでなっている

こういった「手軽に始められるきっかけ作り」がCocoonの存在意義とも感じるようになったからです。

実際、僕も無料製品がきっかけでプログラミングを始めて、Cocoonを作るに至りました。

無料きっかけでプログラミングを始めた話

昔話になりますが、僕が重度障害&無職で仕事収入がなかった時、「何か今の自分にでもできることはないか?」と考え「プログラミングならできるのか…も??(半信半疑)」と始めました。

自分の体をよくよく考えてみて、「それでも何かできそうなものはあるか?」と考えてみたとき、とりあえずプログラムをしてみようと考えた経緯は、...

今でこそ、開発環境は無料のものも多いですが、僕がプログラミングを始めようと思った当初は開発環境が数万円~十数万円というのは結構ありました。

プログラミングを始めたいと考えていた当初、収入も障害者年金しかなく「さすがに何万円もかかる開発環境は買う気にはならないな…。けれど始めてみなければ長く続けられるかどうかもわからんし…」ということで決めあぐねていました。

そんな中、当時ちょうどボーランド社のDelphi 6開発環境が無料公開されているのを目にしました(※DelphiとはObject Pascal言語ベースの統合開発環境です)。

無料のDelphi 6開発環境があるのを知った僕は「無料の開発環境があるのならこれで始めてみようか!もし合わなくて止めても無料なら金の無駄にもならないし…」と考えて無料Delphiからプログラミングを学習し始めたことをよく覚えています。

この無料の開発環境がきっかけでプログラミングを始め、その後いろいろな言語も使うようになって、無料テーマのCocoonを作り、多くの方に使っていただけるようになりました。

ですので無料製品は「きっかけ作り」として大きな存在意義があるという実体験がありました。

なので「Cocoonもきっかけ作りとなれるよう無料テーマのまま続けられれば」とは思っていました。けれども同時に「収益性の低い無料テーマのままでは引き受けてくれるところもないだろう…」とも考えていました。

しかしながら、エックスサーバー社が「無料テーマのままで」と最初から提案してくださいました。そしてしばらく考えた後「こんな提案をいただけるところはここしかない!」と事業譲渡を決意した次第です。

日本の業界シェアNo.1のサーバーという安心感

エックスサーバーは、日本のレンタルサーバーシェアNo.1(※2022年5⽉時点、hostadvice.com 調べ。)であり、サイト運営者であれば、ほとんどの人が知っているサーバーかと思います。

実際、僕がWordPressでブログを始める際に使用したサーバーもエックスサーバーです。

正直、こんな大手にCocoonをお任せできるというのは、ありがたいとしか言えないです。これ以上信頼できる譲渡先はないと言ってもいいと思う。

これまで「もし自分が大病でもして開発できなくなった時、事業譲渡先を探したとしても、いいところなんて見つかるんだろうか…」と思っていただけに、まさかエックスサーバーからお声がかかるとは思ってもいなかったです。

今回、エックスサーバー社と業務提携したことで、エックスサーバーの管理画面からCocoonが手軽にインストールできるように機能追加もされました。

これにより、よりCocoonが利用しやすくなり、サイトを始めるハードルが下がるのではと思っています。

まとめ

今回、事業譲渡したことによりエックスサーバー社の意向で、Cocoonの寄付特典機能をすべて開放させていただくことになりました。

例えば、エックスサーバーの管理画面でCocoonをインストールした時点で、すべての機能を無料で利用できます。もちろん、Cocoonサイトでダウンロードしたテーマファイルも同様にすべての機能が利用出来るようになりました。

今回の事業譲渡により、Cocoonテーマ事業は、エックスサーバー社の所有になりました。

ただ、Cocoonの開発・サイト運営・サポートは、今後とも僕(わいひら)が継続して行います。

今後ともCocoonをよろしくお願いいたします。