僕は怪我(頸髄損傷)による障害の影響で、肺活量が1,300ccしかありません。
一般的な成人男性の肺活量の目安は 3,500ccなので、通常の人の40%弱しか肺活量がないことになります。
ですので過去に体調を崩したときには、呼吸が苦しいことも結構ありました。
ですので「もしも苦しくなったとき」のために、医療用酸素ボンベもクリニックで購入して所持しています(もう何年も使ってないけど)。
それに加えて、血中酸素の濃度で身体の危険度を計測するために、酸素濃度計(パルスオキシメーター)も所持しています。
この機器を利用して、「なんか息苦しいな…」となったときは、血中酸素濃度を計測し客観的な指標として利用しています。
僕のような呼吸器に不安のある者にとっては、こういったグッズがあるのとないのとでは、いざというときの安心感が段違いです。
目次
肺に不安がある者にとっての新型コロナの脅威
以前までは、こういった装備で安心して暮らしていました。
しかし2020年1月頃から、中国武漢由来の新型コロナウィルスが、入ってきて日本にも蔓延しだしました。
その後の、3月~4月の第一波のインパクトは結構強烈なものでした。

2020年4月の新型コロナウイルス対策ダッシュボード
普通に健康な人であれば、そこまで恐れることもないのかもしれません。
しかしながら僕は、残念なことに「肺にいささか不安」があるので、他人事ではありません。
加えて、第一波の最中に「病院の受け入れが間に合わず、自宅待機している間に酸欠等で亡くなる方」が多発しました。
新型コロナは、いつ誰がかかってもおかしくない病気です。
もちろん僕だって、かからない保証はありません。
なので、
コロナで自宅待機になったとき酸素を吸える環境にはしておこう
と酸素発生器を購入することにしました。
元々、医療用の酸素ボンベは持ってはいます。しかし、これは約5時間で酸素がなくなります。
酸素発生器を購入すれば、基本的に待機中の間、もっと長い時間酸素を吸い続けることができます。
加えて、「酸素ボンベ」と「酸素発生器」の2台体制にすることで、仮に家族に酸素が必要になった場合の保険にもなります。
ということで、以下の観点から酸素発生器を購入することにしました。
- コロナで自宅待機中苦しくなったときのために酸素発生器があると安心
- 酸素発生機は基本的に丸々一日でも高濃度の酸素を摂取することが可能
- もし家族がコロナで苦しくなった際にも使える保険にもなる
それで購入したのがこちら。
日本製の酸素発生器です。
医療用のものではありませんが、高濃度の酸素(約90%)を発生することができるので、いざという時に「無いよりは有った方が頼もしい」のは間違いないかと。
ということで早速注文してみました。
届いた酸素発生器
実際に届いた酸素発生器がこちら。「慎重に運べ」という趣旨の多くのステッカーが貼られて登場。
中にはもう1つ製品の箱が入っています。
しっかりと「検品済」の封がしてあります。
蓋を開けるとこんな感じ。
中に綺麗に収納されています。
酸素発生器本体
中身を取り出すと本体はこんな感じ。
サイズ感は、一般的な熱帯魚の水槽より小ぶりな感じ。
サイズは、縦20cm × 横30.8cm × 高さ28.2cm。重さは7.5kgです。
表面にロゴと液晶パネルがあります。
右端にあるのが電源や酸素濃度を操作する「操作パネル」です。
操作パネル
電源を入れた状態は、こんな感じ。液晶とLEDが美しい。
以下の表示は、「93%濃度の酸素が毎分2リットルの流量」という意味です。
酸素濃度を変化させる「-(マイナス)」ボタンを操作すると、「酸素濃度」と「流量」を変化させることができます。
以下は「72%濃度の酸素が毎分3リットルの流量」ということです。
以下は「49%濃度の酸素が毎分5リットルの流量」ということです。
パネルの一番下に表示されている、時間みたいなものは「オフタイマー時間」です。
デフォルトで8時間に設定されています。タイマーは0~8時間の間で設定できます。基本的に使用後は、30分間のクールダウンが推奨されています
操作パネルの使用方法等の詳細はこちら。
文字にするとなんだか面倒くさそうですが、基本的に「電源のオン/オフ」さえ分かれば利用できます。
製品仕様
性能の分かりやすいカタログ写真はこちら。
製品仕様はこちら。
酸素発生器の付属品
酸素発生器の付属品は、全部でこちら。
各パーツの名称はこちら。
僕は一応、別売りのカニューラ(鼻から酸素を送る管)も購入しておきました。家族が誰でも使えるように。
清潔状態にしておきたいので、写真を撮るために袋は開けませんでした。
購入前は
なんかいっぱい付属品がついて操作が大変なのかな…
と思っていましたが、全然難しくはありませんでした。
基本的に、チューブを差し込んで電源を入れればすぐに利用できます。
何だ管をさしてスイッチオンですぐに使えるじゃん!
といった感じ。
ちなみに保証期間は1年間です。
重要な役割となるので日本製を購入
酸素発生機は質にこだわらなければ、Amazonでもいろいろ安いものは売っています。
しかしながら、やはりこういう命を預けるものに、外国産の怪しいものは使いたくないので、多少値段が張ったとしても日本製を選びました。
製造元は「神戸メディケア」という会社です。
名前にある通り、神戸にある日本の会社です。
元々こちらの会社は、以下のような酸素カプセルを製造している会社です。
今回購入した「M1O2-Hybrid」は、こういった機器の「酸素発生器部分」のみを購入したような感じです。
なので、前述しましたが今回購入した酸素発生器は、医療用ではありません。
ですので厳密に言うと「新型コロナウィルス対策」のような医療用に使うべきではないのかもしれません。
しかし、緊急時にそんなことは言っていられません。
もし自宅待機中に酸素が必要になることがあれば、医療用であろうがなかろうが、あった方がいいに決まっています。特に僕のような呼吸器に疾患がある者には。
実際に酸素はしっかりと発生するので、「いざというときの保険用」としては十分です。
病院で使うような厳格な基準をクリアすると、値段が何倍・何十倍にも跳ね上がると思うので、家庭用としては同じ酸素を発生させるものであれば「これで良い」と個人的には思っています。
あくまでも「家庭用健康機器」という位置付けです。
酸素発生器の使い方
使用方法(操作方法)は取り扱い説明書の方に詳しく書かれています。
興味のある方は、以下を参照してください。
基本的に「電源ボタン」と「+」と「-」ボタンしか使用しないので、使い方で難しいと言う事はありませんでした。
酸素吸引時に鼻の奥などが乾燥しないようにする「吸引ボトル」はこんな感じで取れます。
こんな感じで外して、水を補給できます。突起部分は、酸素チューブを嵌め込むところです。
「吸引ボトル」を立てるとこんな感じ。1回、酸素を水の中に通すことで、乾燥を防ぎます。
ここら辺は、医療用酸素でも同様の仕組みかと思います。
ただ、この「吸引ボトル」は使用しなくても、問題なく利用できます。
もし急に酸素が必要になったとき、加湿を心配するよりも、まず酸素を吸った方が良いと思うので。
使ってみた感想
以下の酸素濃度計を用いて、今回購入した「酸素発生器(M1O2-Hybrid)」を使ってみました。
冒頭でも書いたように、僕は元々肺活量が少なく、普段の酸素濃度は94とか95で微妙に低めです。
この酸素発生器で作った酸素を吸い込んでみたところ、96とか97にはなりました。深呼吸すれば98とかにもなる。
加えてうちの父も、普段の酸素濃度は93とか94なので、試しに使ってみてもらったところ、96とか97になることもありました。
父の場合、普段一生懸命深呼吸して93、94とかだったので、酸素が発生して酸素濃度を上げているのは間違いないように見えます。
利点
今回酸素発生器を購入してみて、良かった点はこちら。
- 仮にコロナで自宅待機になって急変しても酸素がある環境になった(あくまで保険)
- 使い方も管を差して電源を入れるだけと簡単
- 日本製という安心感
こんな感じでしょうか。
いざというときに安心
今回、酸素発生器を購入したことで、コロナに感染した際
自宅待機中に酸欠になったらどうしよう…
という漠然とした不安は、多少なりとも軽減しました。
コロナに限らずとも、元々僕は呼吸器系が、他の方より弱いので、
しんどい時にはいつでも使える!
という保証というか、保険的な安心感があるのは楽です。
使い方が簡単
あと、こういう機器を購入する前に必ず感じてしまう
使い方が難し過ぎたらどうしよう…
という不安は、一度使ってみて一切なくなりました。
ほんと、基本的にスイッチをオンにするだけで最低限の機能は使えるので。
苦しい時でもスイッチをオンにするだけ
という簡単さは、嬉しいです。
いざというときは、説明書を読んでいる余裕なんてないかもしれないので。
デフォルトで、一番酸素が濃い状態になっているので、基本的に「電源が何処にあるか」さえ分かっていれば良いという。
「酸素発生器」といえば、難しそうなものを想像するんですけど、この「簡単さ」はユーザーが使用するに当たっての重要な要素です。
もしものときに使えないと意味ないので。
健康に関することは日本製にしたい
あと、こういう機械は、動作しなくてはいけません。
そういう場合は、「日本製」というのは大きいです。
何も「日本製が最高!」と言いたいわけではありません。
もしトラブルが起きたときに、「日本に住所のある日本の会社」というのが大切で、「日本語で問い合わせが出来る」というのは重要です。
もし何か問題があった際に、英語とか中国語で問い合わせる必要がある会社とかだと、流石に困るので。
難点
反面、以下のような難点ももちろんあります。
- 動作音が結構大きい
- 値段はそれなりにする
- 医療機器ではなく家庭用健康機器
動作音が結構大きい
今回購入した酸素発生器は一応、静音設計とは謳われています。
上記のようなイメージから「全く音がしない」という印象を受けてしまいがちですが、音はそれなりにします。
基本的に「熱帯魚の水槽のポンプ音」と同等か、それよりひと回りうるさいと考えておいた方が良いかと思います。
ただ、こういう装置は基本的に緊急事態時の使用を想定して購入したので、静音性はそこまで気になってないです。
「毎日、酸素カプセル的に利用したい」という場合は、多少音は気になるかもしれません。
しかしながら音といっても、テレビの音でちょうどかき消されるくらいの音量かと思います。
値段はそれなりにする
あと、この酸素発生器はそれなりの値段がします。
今回僕の場合、信頼性を担保するために日本製を選択しました。なので普段から健康な人が平時に購入するには、かなり勇気のいる値段かもしれません。
ただいざ酸素が必要になった時、「ある」と「ない」では命に関わる可能性があります。
いざというときの「自分と家族の命」と「酸素があるという安心感」を購入したと思えば、個人的にはそこまで高くは思っていません。
医療機器ではなく家庭用健康機器
今回購入した「酸素発生器(M1O2-Hybrid)」は、あくまで家庭用健康機器です。
医療用ではありません。
ですので「同じく酸素を供給するもの」ではありますが、信頼性は医療用にはかないません。
というのも、医療用にすると高い基準があると思うので、メーカー側もこの値段では提供できないと思います。
医療用にするならば、価格は普通に何倍~何十倍の価格となる世界かと思われます。
なので、「比較的安価で高濃度酸素発生装置を近くに置いておける」ぐらいに考えておいた方が無難かと思います。
僕の場合は、冒頭で書いたように以下のような医療用酸素ボンベを持っているので、予期せぬトラブルの時はこちらを使える準備があります。
医療用酸素ボンベは、もって5時間ぐらいなので、今回購入した「酸素発生器でトラブルが起きた時に利用する」といった感じです。
まとめ
今回、酸素発生器は全国に緊急事態宣言が発令中の4月末くらいに注文しました。
それで、届いたのが7月初旬です。
ですので、2ヶ月以上待ったことになります。きっと、ものすごく注文が殺到しているんだと思います。
僕と同様に、
もし家族がコロナ待機中に急変した時、家庭で何かできることはないか?
と考えた方も多かったのでしょう。
そして僕も家族もコロナに感染することなく、酸素発生器が到着しました。
これで仮にコロナに感染した時に、
待機中の急変時に微細ながらも打つ手がある!
と思えるようになったのは大きいです。
特に僕のような「健康に不安のある者」にとってこういう安心感は大事です。
もちろん「これがあるから100%万全」という気は毛頭ありません。
とにかく緊急時、「自分含む家族のリスクを少しでも下げる」という目的は達成できたので、とりあえず満足。
使わなくて済むならより大満足。
今回購入した機種はこちら。
酸素供給量は減るけど、もう少し値段の安い機種はこちら。
値段が高くてもガンガン酸素を供給できる機種はこちら。
さらに上位機種。
M1O2-Hybrid用の交換用の吸気口フィルター。
M1O2-Hybrid用の交換用の加湿ボトル。
M1O2-Hybrid用の交換用の電源コード(これは特に交換不要と思う)。
病院で使っているような鼻から酸素を送るチューブ。
その他の酸素発生器はこちら↓
今回の機器は.あくまで僕が考える救急体制が整うまでの緊急避難用です。
はじめして
Blog「葵から菊へ」に転載させて頂きました。