僕は、首の骨を折ってしまい頸髄損傷という障害があります。
僕のような頸髄損傷者は、折れた首の骨と上下3つ(僕の場合はC3-C5)をロックする手術をしています。
画像引用:頸椎 – Wikipedia
なので、あまり高い枕を使えません。
加えて、体が動かず寝返りが打てないので、常に首の部分が枕に当たって蒸れやすいです。それと枕がずっと当たっているので、固い枕だと床ずれや皮膚の炎症になる可能性も高いです。
なので、頸髄損傷の僕が枕を買うとなると以下の条件の枕が欲しくなります。
- 高さが低い枕
- 通気性の良い枕
- 柔らかい枕
上記三つの条件にピタッと合致する枕をようやく見つけました。
それがこちら。
以下では上記枕が「如何に僕のような頸髄損傷者に適していたか」を書きたいと思います。
目次
Dafeelハニカムジェル枕とは
Dafeel枕は、以下のような形をしています。素材はゲル、構造はハニカム構造の非常に柔らかい枕です。
柔らかくて弾力性が高い
こんな感じで弾力性のある非常に柔らかいゲル素材でできています。
素材は熱可塑性エラストマー (ThermoPlastic Elastomer, TPE)を使用しています。高温で可塑化し常温でゴム弾性を有する高分子素材です。
もともと55cmの枕を左右に引っ張ると1.5mくらいまで伸びるくらい弾力性が抜群の枕です。
枕の構造
このように柔らかい素材でもしっかりと頭の重みを支えるのは、以下のようなハニカム構造のおかげです。
Dafeel枕の上層(表面)は小さな格子で体圧を分散します。下層(裏面)は大きな格子で下支えします。
頭をしっかりと支えますが、非常に柔らかい素材の効果も加わって、以下のように体圧分散効果が高いです。
このように体圧分散効果が高いので、褥瘡にもなりにくいです。
構造の詳細はこちら。
寝返りを打っても頭の形にフィットする作りになっています。
通気性も良い
構造を見れば一目瞭然ですが、この枕は通気性が高いので熱もこもりにくく、安眠の助けになります。
「真夏に首の裏にべっとりと汗をかいて起きる」なんて人には重宝するかと。
枕の感触
枕の感触も、動物のお腹に頭を乗せている感じで、ぷよぷよと気持ち良いです。人間の皮膚感覚に似ているといえば確かにそうかもしれません。
こんな感じで枕を膝に乗せていると、ちょっとプルプルして子猫を乗っけているような感覚です。
サイズ(低い枕)
サイズは、高さ:55.5cm×幅:31.5cm×高さ:4.5/6cmとなっています。
高さが高いところで6cm、低いところで4cmとかなり低めの枕になっています。
どちらかと言うと「子供向けの高さの枕」ですが、僕のような「怪我の影響で高い枕が使えない人」や、「高い枕が苦手な人」、にはちょうど良い高さの枕だと思います。
丸洗い可能
耐久性の高い素材なので丸洗いOKです。
枕カバーも通気性・吸湿性が高くサラっとしています。こちらも普通に洗濯機で洗ってOK。
実際に届いたDafeel枕
ネットで注文して実際に届いたDafeel枕がこちら。「KID PILLOW」と書かれているので基本的には子供向け枕です。
箱を開けるとこんな感じで入っています。
枕だけを取り出すとこんな感じ。枕カバーもサラサラの通気性の良い素材です。
裏面はチャックになっていて、ここから中材を取り出すこともできます。
上記の枕カバーも、それなりに良いのですが僕の場合は冷感素材の以下の枕カバーに変更して使用しています。
冷感素材を使用しているだけあって、こちらの枕カバーの方が涼しく感じるので。
中材はこちら。
裏面はこんな感じ。
手前となる枕裏面のハニカム構造は、隙間は大きく、構造は強く作られていて、しっかり土台となるとともに通気性を保ちます。奥面となる枕表面のハニカム構造は小さめに作られていて頭をしっかりと支え、体圧分散を行ってくれます。
とにかく柔らかくて、手で落し込んだ分だけ沈んでいきます。
指でつまんで引っ張ると結構伸びます。
こんな風に折り曲げても、難なく折れ曲がります。それぐらい柔らかい。
さわり心地が気持ちよすぎて、なんだか癖になります。
僕は、ただでさえ通気性のよいこの枕に、さらにデスクトップファンで風を送って体熱を逃がすようにしています。
Dafeel枕を使ってみた感想
あくまで頸髄損傷の僕にとってですが、Dafeel枕はこれまで使ってきた枕の中で最も自分に合っているように感じました。
そう思うに至った良かった点がこちら。
良かった点
とにかく自分にとって欲しい特徴が揃っていました。
- とにかく柔らかいので首へのあたりが強くない
- とにかく柔らかいので長時間寝ていて擦れても傷がつきにくい
- とにかく柔らかいので褥瘡(床ずれ)になる心配もほぼ不要
- 低い枕なので手術で首をあまり曲げられない自分にとってはちょうど良い高さ
- ハニカム構造で穴だらけの中材なので蒸れにくい
- デスクファンなどを使って風を通すと良く通る
冒頭に書いた「低い枕」「柔らかい枕」「通気性の良い枕」の条件が全て揃っています。
通気性が良いので長時間使っても蒸れないし、柔らかいので細かな傷もできづらく痒くなりにくい、自分の状態にあった低い枕なので無理なく使用できます。
別途購入した冷感枕カバーと合わせて、最高の枕に仕上がったと思っています。
実は今回のDafeel枕を購入する前、枕の高さが8cm/10cmの高めの枕も購入していました(今回紹介した枕は4cm/6cm)。
こうやって人が寝ているカタログ写真を見ても結構高い。
値段もこちらの方が半値ほどでしたし「ものすごい柔らかそうな枕なので高くても沈み込んでくれて大丈夫かな」と考えて購入しました。しかし、やはりどんな枕であっても基本的には自分に合う高さの枕を買った方が良さそうです。
長く使用していると首に問題のある僕にとっては、ちょっときつかったです。
特に首に問題のない方にはちょうど良いのかもしれません。
難点
- 中材がちょっと臭い(ゴムと言うか化学系の匂いがする)
- 値段もまずまず高い
購入したての時は、横向きで寝ると中材から化学系の匂いがほんわかとしてきます。
匂い自体は時間とともに多少軽減はします(もしくは慣れているのかも)が、化学系の匂いに敏感な人はちょっときついかもしれません。
ゴムと言うかウレタンと言うか、新車の匂いを少し弱めた感じの匂いがします。僕の場合は3日程で気にならなくなりましたが、化学系の匂いが苦手な人はやめておいた方が無難です。
あと枕値段もそれなりにはします。とはいえ1万円前後なので、その値段で毎晩良質な眠りが取れるのであれば、費用対効果は十分にありますね。
僕自身、「自分の頭にピッタリとあった絶対によく眠れる枕」が確実にあるのだとしたら、100万円しても惜しくないと思ってますから!そんな確実なものがあればだけど。
それくらい睡眠は自分にとって重要です。
まとめ
ここ20年ぐらいで、トータルで30~40くらいは枕を購入して試してきましたが、今のところ僕にとって最高の枕に出会ったと思っています(今回のDafeel枕も4個試しに購入したうちの1つ)。
とはいえ2年に1回ぐらいは「これは最高だ!」という枕に出会って更新してきたので、今後より良い枕が出てくる可能性もないとは言えないです。
とはいえ、今回のDafeel枕よりももっと良いものが、あるのだとしたらそれはそれで最高です。だって「現状最高の枕」の上を行く枕とまた出会えるなんて最高じゃないか。
ということでそれまでは、このDafeel枕を愛用し続けたいと思います。
枕高のゲル枕が良い場合は、値段も安いのでこちらの方がお得。