先日、異所性骨化の除去手術から約1年が経過したので、大学病院に診察に行ってきました。
異所性骨化は再発率も高い骨の病気なので、今回は主に「再発してないか」を確認するための受診でした。
この病気にかかった時にあまりネットに情報がなかったので、これまでの経緯を含めて簡単に書きます。
目次
異所性骨化により大腿骨を骨折
2020年の10月、大腿骨の骨折をしました。
この大腿骨骨折は、異所性骨化(いしょせいこっか)という難病が原因で起こりました。
僕のケースでいうと、異所性骨化により左足の股関節に骨が出てしまい、
それが股関節の動きをロックしてしまったため、無理やり体を曲げようとしたときに、枝が折れるように「パキッ!」と大腿骨を折ることになってしまいました。
この手術のおかげで、無事大腿骨の接合には成功したものの、余計な骨は残ったままでした。それにより体を曲げられないので車椅子に乗れず1年間ベッド上で完全な寝たきり生活をすることになりました。
異所性骨化の除去手術
大腿骨の骨折から1年後、異所性骨化の状態が落ち着いたのを見計らって、2021年10月に「異所性骨化除去手術」も行いました。
手術は無事成功し、異所性骨化(余計な骨)は、ほぼすべて除去することができました。
ただ、1年以上膝を伸ばして寝たきり生活をしていたせいか、
膝が固まってしまい座る体勢を取れるほど膝が曲がらなくなってしまいました。
膝が曲がらないせいで、本来「車椅子に乗るために異所性骨化の除去手術を行ったのに車椅子に乗れない」という残念なことになってしまいました。
大学病院の理学療法士の方には、「これから膝が曲がるようになるのは難しい」とも言われました。
ただ、「せっかく手術したのに、車椅子に乗るのを諦めて無駄になるのもなぁ…」ということで、退院してからは毎日膝のストレッチを行い、また訪問リハビリの先生にも来ていただいて継続して「膝を曲げる」リハビリを行いました。
膝を曲げるリハビリを毎日行った結果
その後、毎日リハビリを続けたところ2ヶ月後くらいには、普通に膝が90度以上は曲がるようになりました。
正直、理学療法士の方の言葉を真に受けて放置しなくてよかったです。
毎日、ストレッチを行うことによって、少しずつ可動域が増え、以前乗っていた車椅子に乗るくらいは、問題なくできるようになりました。
異所性骨化除去手術の1年後の状態
そして、2022年9月に「異所性骨化」が再発していないかを確認するため、大学病院に行きCTとレントゲンを撮影して診察していただきました。
結果から言うと「再発はなし」ということで安心しました。
これが、異所性骨化除去手術前のCT写真。赤枠の骨盤部分に異所性骨化(余計な骨)ができているのが素人目にもわかります。
そして、手術から1年弱後、余計な骨があった場所に今は何もなく、医師にも「再発は今のところない」と言っていただけました。
異所性骨化症が再発した時に、値が上がるALPの値も基準値内で問題なし。
とりあえず術後一番恐れていた「異所性骨化症の再発」はなかったようでほっと胸をなでおろしました。
異所性骨化手術を振り返って
僕が再発しなかった要因としては、異所性骨化の症状が出てから1年以上経て、骨化症状が落ち着いて(熟成して)から「異所性骨化除去手術」を受けたからというのも大きいかと思います。
というのも、「脊髄損傷後に生じた両股関節異所性骨化の 1 症例」という論文の中でも、「骨化の活動性を考え成熟を待ち手術を待機した」と書かれており、骨化症状の落ち着き(成熟)は非常に大事なものと考えられるからです。
ただ、論文の方は成熟を待ち待機したものの諸事情から「骨化は未成熟のまま」手術を行っておられます。
それでも、初診から約3年弱を経て手術を行っておられます。
結局この論文の方は、再発はしなかったようですが、僕が行っている大学病院でも骨化が成熟するまで1年以上待ちましたし「骨化の成熟」というのは重要に思います。
まとめ
異所性骨化の除去手術は、非常に術例も少ないそうで、50代ぐらいの大学病院の整形外科の先生でも、これまで行った手術は2例しかありませんでした。
そのうち、再発したのが1例、再発しなかったのが1例とのことで、僕が手術を受けた時には、先生の前例からすると再発率は50%でした。
なので、手術を受ける方からしたら丁半博打のようなギャンブルみたいな心持ち受けました。
ただ、現在僕の手術の成功で再発率は33.3%となりました(現時点では)。
とりあえず、お世話になった大学病院の先生の「異所性骨化手術の成功率」を上げる(再発率を下げる)ことに貢献できて、よかったです。
とはいえ、いつ再発するかもわからないので今後とも定期的に通院し経過を見守ろうと思います。
「大腿骨が折れてしまった原因は」の座ったイラストの、下にある文で、
「余計な本音は残ったまま」の「本音」は「骨」の変換ミスのような気がします。
別件ですが、2020年から Cocoon を利用し、フォーラムでも質問や要望に応えていただき、快適にウェブサイトを運営しています。
今後も、時代状況など変化していくと思いますが、お互い何とか乗り越え切り開いていきましょう。