先日、テレビで録画リストを見ていたらバリバラという番組を録画していました。
バリバラとは、バリアフリーバラエティーのことで、障害者自身が恋愛、仕事から、スポーツ、アートにいたるまで、日常生活のあらゆるジャンルについて、「本当に必要な情報」を届ける番組です。
この番組のモットーは、「No Limits(限界無し)」というだけあって、これまでタブー視されていた障害者に関することにも果敢に切り込むかなり挑戦的な内容の番組となっています。
僕は、変に感動ものに持っていってしまうよくある番組と違って、この番組はたまに見たりしています。
で、今回録画してあったバリバラの特集が「障害者作業所」でした。なんかちょっと面白そうだったのでみて見てみました。
目次
そもそも障害者作業所とは?
障害者作業所とは、障害の重い人でも「願い」や「生きがい」を実現する場として、働く場・仲間と集う場・経験を広げる場としての役割を果たす場所です。
主な仕事内容としては、企業の下請作業、作業所オリジナル製品の販売、農業、喫茶や配食サービス、パソコンを使った製品やホームページの作成など、を行っています。
番組の内容
今回の特集は、作業所に通う利用者さんの素朴な疑問から始まりました。
なぜ作業所の賃金は安いのか?
ということ。現に、平成22年度の厚生労働省調べによると、全国の作業所のひと月の賃金の平均は1万3079円だそうです。
これで安っ!と思った人はまだ甘い。この数字は、精神障害者の作業所も含めた数字なので、身体・知的障害者の作業所に限定すれば、おそらくもっと平均額は少なくなるでしょう。
冒頭で「なぜ安いのか?」と疑問を持った2人の利用者さんの賃金は、時給に換算して83円だそうです。これは、お2人が働いている兵庫県の最低賃金739円のだいたい10分の1くらいになります。
しかし多くの障害者 が、最低賃金の10分の1以下の工賃で働いているそうです。中には1か月500円という人もいるそうです。
作業所の賃金はなぜ安いのか?
作業所の賃金はなぜ安いのか?なぜ最低賃金がもらえないのか?
実は先程から僕は分りやすいように「作業所の賃金」と書いてきましたが、正確には「作業所の工賃」と書かなければなりません。
この工賃という言葉に、作業所からもらえる報酬が少ないカラクリがあります。
賃金とは?
そもそも賃金とは何でしょう?法律には、こうあります。
<賃金の定義>
賃金とは、一般に、労働の対価として使用者が労働者に支払うものをいいます。労働契約法は、「労働契約は、労働者が使用者に使用されて労働し、使用者がこれに対して賃金を支払うことについて、労働者及び使用者が合意することによって成立する」と規定しています(労働契約法6条)。
賃金は、労働者が労働し、雇い主がそれに対して報酬を払うという契約のもとに払われています。
ですので、その契約のもと「正社員・アルバイトにかかわらず労働者に支払わなければならない最低額の賃金のこと」です。
工賃とは?
そうなってくると工賃とは何だ?ということになります。工賃とは辞書にこうあります。
物を製作・加工する労力に対する手間賃。工料。
そう、工賃とは単なる手間賃なんです。それに、作業所での作業は労働ではなく社会復帰への訓練ということになっています。労働ではないので労働契約があるわけではなく、賃金ではないんです。
作業所の工賃とは、訓練によって行われた作業の手間賃となります。なので、利用者は最低賃金がもらえないのです。(滅茶苦茶儲かっている作業所なら多くの工賃は貰える可能性がある)
作業所の工賃が安い理由
ですので、工賃が安い理由をまとめるとこんな感じ。労働契約者ということではないということ以外にも理由はあります。
- 労働契約を結んでいないので最低賃金がもらえない
- 障害などのせいで生産性が低い
- そもそも仕事内容が内職的なものが多く売上が上がらない
- 必要経費を差し引いた額を利用者全員で割る
4に関しては、障害は重い人もいれば軽い人もいます。そういった人たちでも全て平等に分配するので、
- 一生懸命働いても工賃は上がらない
- 人より多く働いても工賃は変わらない
- やる気が出ない
という悪循環にもなりかねず、生産性が上がらない原因の一つでもあると思います。(これには仕方ない面もあるので、批判しているわけではありません。)
こういった理由で作業所の工賃は安いようです。
別に、昔のドラマであったような作業所の職員が搾取しているわけではないです。職員さんも、一生懸命自分の仕事をなされています。
実は僕も作業所で働いたことがある
僕も昔、知人に誘われて作業所で働いた経験があります。ですので、ひと月の賃金の平均は1万3079円というのを見たとき、実は「多っ!!」と思ってしまったクチです。
僕の行っていた作業所は…これについては、またそのうち書きたいと思います。
続き
参考 NHK バリバラ
工賃が安いのは 本当に呆れます 飢え死にするし やっていけません
両親が亡くなった後 彼等 彼女は年金 生活保護しかないのでしょう
作業所を退職しても退職金は無いし また働きたいと言えば雇用してくれますし
だから工賃も安いし 退職金も出ないのです これは本当に頭が痛いです
一般就労して 20万前後稼いだ方が自分のためいいと思います