僕は昔、事故で首の骨を折っちゃって頚椎損傷(C4-5)で四肢麻痺となりました。
ほぼベッドで寝たきりの生活を十数年しています。障害の等級で言えば一級にあたり、国からの年金支給で生活をしています(詳しくはプロフィールに書いてあります)。
今でこそ、のんべんだらりと寝ニート生活をしている僕ですけど、10年前ほど前には「働きたい!」なんて思う時期が僕にもありました。
障害者年金をもらっているなら、別に働かなくてもいいじゃないか?と思う人もいるかもしれません。けれど、余りにも人と接しない生活をしていると、あれほど嫌だった仕事も恋しくなるのは不思議なものです。
以下には、その10年前に僕が思いついた、できるかもしれない仕事について書きたいと思います。
ちなみに、「できるかもしれない」というのは、「とりあえず始めることができる」という意味です。「その道のプロと張り合うことができる」という意味ではありません。
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目次
自分には何ができないか
とりあえず当時、出来ることの前に、できないことを考えました。その方が早いから。
冒頭に僕の状態を、「頚椎損傷(C4-5)で四肢麻痺」と書きましたが、この状態がどういうものか?自分にどのような問題点があるのかを考えてみました。
- 車椅子をまともにこぐことも出来ないので電車や車などでの通勤ができない
- 介助なしでは1人で食事をとることができない
- それどころか、1人でベッドからも降りられない
- 1日に車椅子に乗っていられる時間は最長でも6時間程度
- 体温調整が行えないので、寒かったり暑かったりするとすぐに体調を崩す
- 平均して1ヶ月の内、8日は体のメンテナンス(訪問看護とか)、4、5日は体調不良で動けない
- 何をするにしても介助が必要
健常者時代の生活と仕事で得たスキルは、体がポンコツになったことにより、使えなくなりました。
その上、頭脳スキルが全くといっていいほど無かった僕では、よほど奇特な会社でもない限りは、雇ってくれないでしょう。
実際に現在でさえ、障害者の求人サイトウェブ・ サーナで探してみても、四肢障害の選択肢はありません(上肢障害、下肢障害だけならあるけど)。
ですので、「会社に勤めて働く」ことは、除外することにしました。こうなってくると在宅で何かをするしかありません。
自分には何ができるか
上記のことを踏まえて、自分には何ができるかを考えてみました。とりあえず、職場に通うことは無理そうなので、家で行えそうなものを考えなければなりません。
先程書いたような自分の状態を考えると、まともにできそうなものは当時あまり思いつきませんでした。そりゃ、手の動かないやつが、普通にバリバリ動く人と張り合おうとしても無理があります。
そこでかなりハードルを下げて、まともに出来ないのはしょうがないとしても「とりあえず出来そうなもの」はないかを考えてみることにしました。
腕力を使った肉体労働や、細かな手先の技が必要なものは、逆立ちしたってできないので排除です。
その代わり「取りかかることができる、つまりスタート地点に立つことができるもの」ということに重きを置いてリストアップしていきました。
もう10年以上前にもなりますが、その時考えついたのが以下です。
絵を書く
僕と同様の障害の方で、口に筆をくわえて絵を書く画家の星野富弘さんという方がおられます。
僕と星野さんが障害の程度も似たようなもの(星野さんの方が少し重度)なので、病院に入院した頸髄損傷患者のほとんどが作業療法士に絵を書くことを勧められるのが通過儀礼みたいになっていました。
星野富弘さんが、余りにも偉大だったため、僕も入院する病院、病院で作品集を渡され、絵を描くことを何度も勧められ、少々食傷気味になったことも。
しかし成功例があるので、星野さん並みとはいかないまでも全く出来ないということはないはず。今ではパソコンもありますし。
手が動かないので指先を使った細かなタッチは描けないかもしれません。それでも口などで絵を描いて実際に仕事にされている方が結構おられます。
例えば、寿志郎さんとか。
文章を書く仕事
パソコンと音声入力がかなり発達してきた現在では、体が動かないというハンデが最も小さいジャンルだと思います。
僕が入院していた時知り合った同じ頚椎損傷の方は、元の職業がシナリオライターでした。その後退院して音声認識ソフトを使って同じ仕事を再開されました。
パソコンを使った事務仕事
パソコン周りの環境さえ整えれば、ワードやエクセルの文章作成であれば、それほどハードルの高いものではないと思います。
ただ、ハードルが高くないということは言い方を変えれば誰にでもできるということです。この手の仕事が在宅ワークに回ってくるのかは疑問。
ホームページ制作・WEBデザイン
技術書を調べたりできない、入力が極端に遅い、というハンデはあるものの、パソコンと環境さえあればスタートするだけならできる仕事。(儲かる、うまくいくとかは別次元の話、とりあえず「やれるか」「やれないか」で言えば、やりだすことができる。)
WEB制作を行っている重度障害者の方も結構おられます。
プログラム
これも、技術書を調べたりできない、入力が極端に遅い等のハンデはありますが、やろうと思えばやれます。
特に最近は、技術書が電子書籍でも販売されるようになってきたので、調べ物もかなりやりやすくなってきました。ただし、コーディングはかなり遅い。
議員
僕が病院で一度会ったことがある人の中に、僕と同じような状態でありながら村議会議員になっている方もいました。
当時聞いた話では選挙運動は主にハガキ。当選すると週数回の出席で年3百万円前後の給与とのことでした。自治体の発展を願い、弁論のたつ人であれば、考えてみるのもいいかもしれません。とりあえず自分には無理。
十数年前に僕が思いついたのはこれぐらいです。上に書いた職業のプロでバリバリやられている方から見れば、「なめてもらっちゃ困るよ!」と思われる方もおられるかもしれません。けれど何せ、やれることが少ないので「スタートすることができる」ということが最も重点を置いた結果です。
今だと、もう少し職業の幅は広がるのでしょうか。
少し考えてみましたが、投資家ぐらいしか思いつきませんでした。僕もずっと株に投資しています。けれども、いきなり仕事として始めるものとしては正直お勧めできない。
僕がまずやり始めたもの
上に挙げた「できるかもしれないこと」の中で、いろいろ考えた結果、僕はプログラムを始めることにしました。というのは、当時たまたま自分の欲しい機能を持ったソフトがなく「ないなら自分で作ろうか」と思ったからです。
たまたまその時、Borland社のDelphi6(IDE:開発ツール)が無料の開発環境を配布していたので良い機会でもありました。
それ以外の選択肢は、議員以外は一度は試してみました。
絵 | 口では思ったように線が書けずムキー!となる |
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文章 | 物語を作るとかは無理。それ以外は何を書いていいかわからなかった |
事務仕事 | 当時、日本語を400文字を打つのに1時間以上かかっていたので戦力外 |
WEB制作 | 初めてのページが愛生会病院みたいなエキセントリック出来だった |
けれど、上記の理由のため、最も相性が良さそうだったプログラムをすることになりました。
まとめ
今は、十数年前とは違い重度障害者用の素晴らしいデバイスが多数出ているので、「スタートできること」は以前よりも広がっているのかもしれません。
僕は無理と判断しましたが、体が全く動かなくても電動車椅子で会社に通っている人もいると何かで読んだことがあります。
何ができるか、できないか、は結局その人次第だと思います。僕も出来そうも無かったことが、試行錯誤してみたら出来るようになった、なんてこともありました。
ということで、何事もやってみることは大事だと思います。
続きを書きました。
初めまして増田康幸といいです ぜんしよくはイベント関係者です 体にいへんがあり足などに?痺れがあらり病院似通ってます 雨前は頭がいたくなります?今は!生活保護です しゅう2回ぐらいの仕事有りますか
あとは病気がよいです
まだ54サイですから仕事がしたいです
良ければ返事してください