災害時の備蓄用非常食として「救難食糧 イーアール9(ER9)」を買って食してみた

ER9

災害時は、3日間生き残るための備蓄が必要なんだそうです。

というのも、震災などで災害に見舞われた時、3日間は支援が行き届かないことが想定されるからだそうです。

そういったこともあり、以前「災害時に3日間を乗り切る防災セット」を紹介しました。

先日から、以下の防災セットの宣伝をよく見かけました。これは、「災害発生時3日間を乗り切る防災セット」とのこと。 ...

災害時に、3日間生き残るには、やはり食糧も必要です。当然、上記の防災セットにも食糧がいくつか、含まれています。

ただ、もし災害に遭った時、「実際にどんな味なのか?」が気になったので、とりあえずは「救難食糧 ER9」を購入してみることにしました。

スポンサーリンク
レクタングル(大)広告

救難食糧 ER9とは

救難食糧 イーアール9(ER9)

「救難食糧 イーアール9(以下、ER9)」は、水が無い過酷な状況下においても速やかに心身の疲労を回復し、救助されるまでの数日間の体力維持を目的とした食糧です。

このER9は、航空自衛隊戦闘機や、海上自衛隊の艦船の救命艇・救命イカダのサバイバルバッグの中に組み込む事が義務づけられている非常食になっています。

この、ER9の特徴として以下のようなものがあります。

  • 水がない状況でも食べられるよう、唾液をあまり必要としない
  • 一個で基礎代謝程度の最低限のカロリーを補給できる
  • 製造から5年という長い賞味期限
  • 個包装はアルミ蒸着ビニールによる真空パックなので劣悪な環境にも耐える
  • 自衛隊で採用されている救難食糧の民生向け(パッケージが違うだけ)

参考 Amazonカスタマーレビューより

5年以上保存可能と、とにかく長持ちし、弱った体でもしっかりと摂取できるように工夫がなされており、救助が来るまでの間の最低限の栄養補給を担う救難食糧となっています。

実際に購入したER9

で、実際に購入したものが以下のER9になります。

救難食糧ER9の箱

ビスケット風味の災害対策・備蓄食糧となっています。パッケージに書かれている通り、登山やスポーツの際の携行食としても利用されているようです。

救難食糧の説明

ER9は、穀物を主原料とした加工食品なので、加熱、その他、特別の加工をすることなく調理不要で食べられるように作られています。

急な食料の由来

救難食糧

日本の船舶では船舶安全法により救難食糧を装備することが義務づけられています。萬有栄養は、所轄官庁の承認を受け1965年(昭和40年)より船舶用救難食糧の製造を始めました。さらに現在では、航空機用・災害対策用として各所で活躍しています。

原材料は、小麦粉、砂糖、食用植物油脂、脱脂粉乳、ピーナッツ粉のみのシンプルなものとなっており、賞味期限は5年間となっています。

ER9の原材料名

箱の中には、以下のように詰め込む形で9個の個装で入っています。

中に入っているER9×9

固まっているとわかりづらいので、9つをばらけさせると、以下のようになります。

ER9を9つばらけさせた状態

これらのビスケットバー9個で2465kcal、100gのあんぱん9個分のカロリーに相当します。

ビスケットば9つで2465kcal

1つだけ取り出して見てみると、以下のようにアルミ包装された状態で折りたたまれて入っています。

ER9ビスケットバー1個

パッケージを広げるとこんな感じです。アルミのパッケージを手で手軽に破って食べられるようになっています。

ER9ビスケットバーパッケージ

中身を取り出してみると、以下のように和菓子の落雁にも似た形状になっています。

ER9ビスケットの中身

これ1個(56g)で274kcalになります。1個あたりの栄養成分は以下。

ER91個あたりの栄養成分

この1個で、基礎代謝と同程度のカロリーを摂取でき、正しく「命を保つ」救難食糧になっています。

ER9を食べてみた

ER9の実食

で、実際にER9を食べてみることにしました。

まずは匂いを嗅いでみると、パン酵母のような匂いがします。僕は学生時代に、生物を勉強していたことがあるのですけど、そのとき寒天培地で培養したパン酵母の匂いを思い出しました。

その後一口食べてみました。

ファーストタッチは、非常にサクッとした口当たりで、見た目通り和菓子の落雁のような感触です。

その後すぐに、思っていた以上の甘い香りがフワッと鼻に通り抜け第一印象としては「さっぱりと甘い落雁ビスケット」といった感じ。

「あれっ!?意外といけるかも!?」と思って咀嚼していると、ふとした瞬間、鼻に強烈なパン酵母臭が襲いかかります。かなりくせのある匂いです。

僕の中では、「あれっ!?食べ物を食べているのにパン酵母実験してたっけ?」みたいな感覚になりました。

僕は、パン酵母の匂いが苦手なので、正直半分以上食べたあとで、ギブアップしてしまいました。

パンの香りは非常に良くて僕も好きなんですが、パン酵母の匂いはまたちょっとくせのある匂いがします。

食感としては、弱い力で噛んでもポロッと落ちてサクサクと食べられるのですが、僕としてはどうしても1つ全てを食す事はできませんでした。

まとめ

ER9を食べた感想を正直に書くと、匂いがきつくて、僕の口には合いませんでした。

残りは完全に、災害時用に保存しておくことに決めました。一つ一つがアルミ個装になっているので、1つ食べても残りは5年間保存できるというのは良いですね。

ER9は、僕の口には合いませんでしたが、もし災害時にER9しかなかったら、命を繋ぐために、普通に食べると思います。ですので「緊急時にも食べれないほど不味い」とまではいかないと思います。

ただ、僕の場合「乾パン」と「ER9」があったら、「乾パン」を選ぶと思います。ただ、水のない状態だったら「乾パン」は口の中の水分を全部持ってかれるので、「ER9」を選ぶといった感じでしょうか。

というわけで「とりあえず緊急時に最低限生命を保つ食べ物を備蓄しておきたい」とか「水がない状態を想定した保存食を備えておきたい」なんて時にはER9は適していると思います。ただし、味はあまり期待しない方が良いと思います。

同様に、5年間保存できて美味しいものならパンの缶詰はお勧め。

また、水がある状態で5年保存できるものなら、こちらも美味しいです。