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人間の脳や神経は、微弱な電流を使ってやり取りしてます。ですので、筋肉に直接電流を流すことによって意図的に動かすことも可能です。では、「1人の人間から発せられた脳からの命令を、他の人の脊髄につなげるとどうなるのか?」このような実験を、マサチューセッツ総合病院の脳神経外科医、ジッブ・ウィリアムズ氏が、猿で行ったようです。
映画「アバター」の世界が、現実となる日も近いかもしれない。先月18日、オンライン・ジャーナルの「Nature Communications」上で公開された最新の研究報告によると、2匹のサルを用いた実験において、一方がもう一方の身体を、意思によって自由にコントロールできる事実が確認されたというのだ。これは一体どのような仕組みなのだろう。またその技術が私たちに何をもたらすというのか。詳細をお伝えしよう。
ウィリアムズ氏が、このような実験を行った動機は、2009年に公開されたSF映画「アバター」に触発されてだそうです。確かにアバターでは、下半身不随の主人公が自身の脳とコンピューターを接続することによって、バーチャル世界の分身(アバター)を操作していましたが、これを実際の生体2体でやってしまうとは。
実験のイメージはこんな感じ。 映画アバターで説明するなら、上が操作する主人公、下がアバターになります。
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ウィリアムズ氏いわく「この研究がさらに進展すれば、手足の麻痺など脊髄の損傷に起因する症状で苦しんでいる患者が、脳からの信号を直接神経や筋肉に伝えることによって、自らの体を再び自由に動かすことができるようになる」とのことで、この実験の意図は、当然「他人の体を自由にコントロールする」という事ではないとのこと。
今までも、脳から発せられる電気信号を利用して義手を操る技術(例:脳で義手をコントロール)はあるものの、これだと身のまわりのこと全てをこなすためには現実的ではないとウィリアムズ氏は指摘しています。ですので、この実験の本当の目的は、「脳からの指令を神経へと直接届けることで、実際に身体を動かすことができるという事実を示すこと」にあるようです。今回の実験は、コンセプトを試しただけなのだそうで、今後さらに複雑な動きも試していくんだそうです。
それにしても、電流さえ流せば筋肉は動くということは、何となくはわかっていたものの、環境さえ整えば他者を操作するなんてことも実際にできてしまうもんなんですね。
てか僕個人としては、映画「アバター」の装置がまず欲しいです。最近のアニメでいうと、SAOとか、ログ・ホライズン的なやつ。そんなのがあったら、当分帰ってこないかも。けど、ヘッドギアをかぶるだけでバーチャル世界へなんて、どちらかというと、こっちの技術の方が難しいのだろうけど。