先日、当サイトはサーバーをmixhostに移転しました。
mixhostも良いサーバーですが、エックスサーバーも良いサーバーであるのには間違いありません。
ですので、僕がもう1つ運営しているサブサイトの方は、これまで通りエックスサーバーで運営します。
それで数日前、エックスサーバーから「新サーバーに簡単移転する準備ができました」的なメールが届きました。
この度エックスサーバーでは、sv601~sv799.xserver.jpサーバーをご利用のお客様を対象にサーバー性能の大幅向上および基盤システムを刷新した最新サーバー環境(sv2001.xserver.jp 以降)へ簡単に移行できる「新サーバー簡単移行」機能の提供を開始いたしました。
せっかく、性能がグレードアップした新サーバーに無料で、しかもとても簡単に移行できるとのことなので、やってみることにしました。
で、移転してみた結果、自前でWordPress移転するよりも、かなり簡単でした。
というわけで以下ではエックスサーバーの「新サーバー簡単移行」を利用したサーバー移転方法について紹介したいと思います。
目次
主な手順
「新サーバー簡単移行」を利用して、エックスサーバーの新サーバーに移行するために必要な主な手順は以下です。
- 事前準備
- データコピー申請をする
- hostsファイルを使って動作確認をする
- サーバー切り替えを行う
- FTPやメールのホストを変更する
流石に「簡単移行」と銘打っているだけあって、結構簡単にできました。
事前準備
サブサイトのSimplicityサイトは、結構フォーラムやコメントがメインなため、事前準備として、簡易的に書き込みを出来ないようにしました。
やった方法としては、以下のようなCSSのコードを書いてコメントフォーム(とbbPressフォーラム)を非表示にしました。
.comment-respond, .bbp-reply-form{ display: none; }
サーバーの移行途中にコメントなどへの書き込みがあると、新サーバーには表示されなくなるため、コメント等を投稿出来なくするための簡易的な制限措置です。
データコピー申請をする
「新サーバー簡単移行」を行うには、まずエックスサーバーのインフォパネルにログインしてください。
すると、以下の画面が表示されるので、メニューにある「新サーバー簡単移行」を選択してください。
すると「新サーバー簡単移行」画面が表示されるので移転したいアカウントの「データコピー申請」ボタンを選択します。
すると、以下のような確認画面が表示されるので「データコピー申請」ボタンを押してください。
問題なければ、下の方にある「データコピー申請」ボタンを押してください。
すると、以下のように「データコピー申請を受理しました。」と表示されます。
特に、エラーメッセージも出なければ、「データコピー申請」がされて、メールアドレスの方にも以下のような、「申請受理」メールが届きます。
以下の内容でサーバー環境移行に伴うデータコピー申請を承りました。
■サーバー環境移行に伴うデータコピー申請情報
——————————————————–
対象サーバーID : XXXXXX
申請日時 : 2017-02-16 17:06:08
——————————————————–
そして、もうしばらく待つとコピー開始日時を知らせるメールが届きます。
申請を承っておりました最新サーバー環境への移行に伴うデータコピーを開始しました。以下に詳細をご案内いたします。
■データコピー申請情報
——————————————————–
対象サーバーID : XXXXXX
申請日時 : 2017-02-16 17:06:08
コピー開始日時 : 2017-02-16 23:33:06
移行先ホスト名 : sv2129.xserver.jp
——————————————————–データコピーの完了時には、改めてメールでご案内をいたします。
「新サーバー簡単移行」機能のエラー対処
簡単移行機能を利用しようとしたときに、エラーが出て申請出来ない場合もあります。
以下では、僕の環境で出たエラーと対処方法をいくつか紹介したいと思います。
データベースのサイズが大きすぎる
データベースサイズが500MB以上あるサイトを移行しようとすると、「MySQLデータベースの容量が500MBを超えています」とエラーが出ます。
どうやら、「データベースサイズが500MB以上あるサイト」は、簡単移行ツールでは移転出来ないようです。
不要なデータベースデータの削除
なので、不要なデータベーステーブルやデータを削除する必要があります。
状態を見るには、サーバーパネルの「データベース」項目から現在使用しているMySQLバージョンのphpMyAdminを選択してください。
phpMyAdminが表示されたら、まず「構造」タブを選択します。
すると、以下のような表が表示されるので、それぞれのテーブルのサイズを確認して大きなサイズのテーブルがないかチェックしてください。
現在使用していないプラグイン等の「データサイズの大きなテーブル」があったら、「削除」機能で削除します(プラグインは削除するか無効にしておいてください)。
僕の場合は、以下のようなプラグインのテーブルサイズが大きかったので削除しました。
- WordPress popular posts(集計データは無くなります)
- アクセス解析プラグイン(解析データは無くなります)
特にアクセス解析プラグインのテーブルサイズは大きくなりがちなので、プラグインの停止(削除)後、テーブルを削除します。
リダイレクトデータの削除
あと、WordPressでリダイレクトを制御するRedirectionプラグインを利用していると「wp_redirection_404」というテーブルが膨大なサイズになっている可能性があります。
このテーブルのデータは、WordPress管理画面から削除出来ます。
「ツール」→「Redirection」を選択してください。
「転送ルール」画面が表示されるので「404エラー」を選択してください。
ページ遷移した先の画面一番下の方に、「ログ管理」項目があるので「Delete All」ボタンを押せば、不要データを結構削除出来ます。
僕の場合は、ほぼこれでデータベースサイズを削減出来ました。
エックスサーバーのネームサーバーを利用していない場合
エックスサーバーのネームサーバーを利用していない場合は、以下のような案内が出ます。
僕の場合は、Cloudflareのネームサーバーを利用していたため、このようなメッセージが出ました。
ですので、ドメインサービスの方でエックスサーバーのネームサーバに変更しておく必要があるかと思います。
ネームサーバーを変更しない場合は、「DNSレコードの参照先」を自前で変更する必要があります。
データベースのパスワードを検出出来なかった場合
データベースのパスワードが移行ツール側で検出出来なかった場合は、記録してあるパスワードを入力する必要があります。
僕の場合は、上記のように3つ表示され、2つまでは記録してあったのですが、1つがどうしても見当たりませんでした。
なので、そんな場合サーバーパネルの「MySQL設定」を開きます。
「MySQL設定」画面で、パスワードがわからないデータベースの「パスワード変更」を行ってください。
もしくは、パスワードがわからないデータベースを削除してください。
hostsファイルを使って動作確認をする
「データコピー申請」を行って、数時間程度待つと、以下のような案内メールが届きます。
申請をいただいておりましたサーバーID「XXXXXX」の最新サーバー環境への移行に伴うデータコピーが完了しました。
移行先サーバーは『2017/02/17 04:00:00』よりアクセスが可能になります。
移行先サーバーのアクセス可能時間になったら、hostsファイルを用いて新サーバーの動作確認ができます。
hostsファイルの編集
hostsファイルを編集するには、以下の手順で行ってください。
メモ帳を管理者権限で開く
Windows10環境でメモ帳を開くにはまず、スタートメニューから以下のようにメニューをたどります。
スタートメニュー → 全てのプログラム → Windows アクセサリ → メモ帳
そして、メモ帳が表示されたら右クリックメニューから「管理者として実行」を選択します。
メモ帳を管理者として開いたときに以下のようなダイアログが表示されたら「はい」を選択してください。
これでメモ帳が管理者権限で起動します。
hostsファイルを開く
メモ帳が起動したら、「ファイル→開く」メニューを選択してください。
ファイルを開くためのダイアログが表示されたら「C:\Windows\System32\drivers\etc\hosts」と入力して「開く」ボタンを押してください。
すると、以下のようにhostsファイルが開きます。
サーバーのIPを入手する
移設先のサーバーのIPを調べるには、インフォパネルから見ることができます。
とりあえず、移行中は、以下のようなダイアログが表示されると思うので、「新サーバー簡単移行へ」ボタンを選択します。
サーバーのIP表示は、「移行元・移行先への操作」ボタンから見ることができます。
「移行サポート機能」画面が表示されるので「移行先サーバー」の「IPアドレス」をメモします。
hostsファイルの編集
あとは、hostsファイルの一番下にでも、以下のように記載します(間は半角スペースで開ける)。
サーバーのIPアドレス ドメイン
僕の場合は、以下のようにhostsファイルに追記しました。
183.90.242.30 wp-simplicity.com
動作確認
しばらく待って、ブラウザで該当のドメインのサイトに接続すると、新サーバーのデータを参照できます。
「hostsファイルを編集したのはいいけど新サーバーに接続されているのかよくわからない」なんて場合は、FirefoxとFlagfoxアドオンを用いて動作確認すると、IPを手軽に確認することができます。
Flagfoxアドオンの詳しい使い方についてはこちらを参照してください。
僕の場合は以下のようなことを確認しました。。
- テーマはきちんと反映されているか
- インデックスページは表示されるか?
- 投稿ページは表示されるか?
- 固定ページは表示されるか?
- WordPress管理画面にログイン出来るか?
- WordPress管理画面の設定画面は動作するか?
- WordPress管理画面の設定が引き継がれているか?
- プラグインの動作に問題はないか?
SiteGuard WP Plugin等を用いて、管理画面のアクセス制限を行っている場合は、サーバーIPが変わることにより、管理画面にログインできないかもしれません。その際は、サーバー上の.htaccessファイルを開いて、以下の部分を削除してログイン後、再設定してください。
#==== SITEGUARD_ADMIN_FILTER_SETTINGS_START <IfModule mod_rewrite.c> RewriteEngine on RewriteBase / RewriteRule ^404-siteguard - [L] RewriteRule ^wp-admin/css - [L] RewriteRule ^wp-admin/images - [L] RewriteRule ^wp-admin/admin-ajax.php - [L] RewriteCond %{REMOTE_ADDR} !^(127\.0\.0\.1|サーバIP)$ RewriteCond %{REMOTE_ADDR} !^管理者のIP$ RewriteRule ^wp-admin 404-siteguard [L] </IfModule> #==== SITEGUARD_ADMIN_FILTER_SETTINGS_END
移行ログを参照する
新サーバー移行ログを参照するには、「データコピー実行ログ閲覧」ボタン押してください。
僕のアカウントのエラーログには、以下のように表示されていました。
Download Start: 2017-02-16 23:35:19 mirror: Fatal error: gnutls_record_recv: The TLS connection was non-properly terminated. Download End: 2017-02-17 02:59:56
1つ出ているエラーメッセージが気になったもので、サポートの方に問い合わせてみると、以下のような回答をいただきました。
このエラーがございましてもデータコピー作業を完了しておりますが、Webサイトコンテンツの表示等に影響が無いか改めてご確認くださいましたうえで、不足ファイル等がございましたら、お手数ではございますが、お客様にて不足しているファイルやフォルダのコピーを行っていただければと存じます。
で、もう一度動作確認してみたところ特に問題もなさそうだったので、サーバーの切り替えを行うことにしました。
サーバー切り替えを行う
hostsファイルを使用した動作確認で、問題がないようであれば「サーバー切り替え」ボタンを押してください。
すると、以下のような確認画面が表示されます。問題なければ「サーバー切り替え」ボタンを押してください。
「サーバー切り替えを完了しました。」と表示されたら切り替え手続き完了です。
新サーバーに切り替えのも、14日以内であれば、移行元サーバーに戻すことも可能です(それ以降はアクセス不能になる)。
あと、切り替え手続き行っても、「DNSレコード参照元」が移行元から、移行先サーバーに切り替わらないと、元のサーバーのデータを参照することになります。
ですので、最大24時間程度はサーバーのIPを確認するなどして、移行先が表示されているかを確認してください。
FTPやメールのホストを変更する
最後に、「【Xserver】■重要■ [新サーバー簡単移行]移行完了のお知らせ」というメールが届くので、その内容に従ってFTPホストや、メールホストを変更します。
僕の場合は、以下のようなメールが届きました。
お取り扱いには十分にご注意の上、大切に保管してくださいますよう
お願い申し上げます。━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◇ 移行先サーバーに関する情報
───────────────────────────────────【サーバーID】 : XXXXXX
【サーバー番号】 : sv2129
【ログインパスワード】 : ******** (※変更はございません)
【サーバーパネル】 : https://www.xserver.ne.jp/login_server.php【FTPホスト】 : sv2129.xserver.jp
【FTPユーザー】 : XXXXXX
【FTPパスワード】 : ******** (※変更はございません)【メールサーバー】 : sv2129.xserver.jp
この案内に従って、「FTPソフトのホスト設定」と、「メールソフトのPOP3サーバー・SMTPサーバーの設定」を変更したのみです。
新サーバーのスペック
今回の新サーバー移行で、以下のようにサーバーのスペックが上がりました。
CPUは、「Xeon E5-2430L(6コア)」から、「Xeon E5-2640 v4 ×2(10×2=20コア)」に増強されました。
メモリは、16GBから192GBと12倍になりました。その他にも、Apache等のバージョンも上がっています。
まとめ
こんな感じで、無事新サーバーへの移転は完了しました。
最初、移行申請をする時に結構エラーが出て、データベースのサイズを削減したり、データベースパスワードを変更したりしました。
けれど、つまずいたところと言ったらそのくらいで、自分でWordPress移転を行うよりは遥かに楽にサーバー移転を行うことができました。
実際に、サイトの接続速度も速くなったように感じます。一応簡易的に、サイトの表示速度を測ってみたところ平均0.1秒強は速くなっていました(スクリプトを読み込まずHTML出力だけをこちらで5回計測した平均)。
というわけで、「エックスサーバーでアクセス規制に怯えながら運営している」なんて方は、新サーバーへ移行することによって、サイトが安定する可能性は高いと思います。
ただ、新サーバーへの移行は、以下のページの「対象サーバー」でないと利用できないので、事前にご確認ください。
参考 エックスサーバーの新サーバー移行が超簡単だった!気になる速度アップの効果は・・・ | アフィリエイト野郎!
初めまして。ご教示頂ければ、大変助かります。
今回2度目の、Xサーバーから、CPU負荷の連絡が届き、
【CPU負荷の軽減対策について】
キャッシュプラグイン
「W3 Total Cache」の導入。
【プログラム処理そのもののCPU使用量を減らす対策について】
「PHP7.0.7」へバージョンアップ。
※従いまして、「PHP高速化設定(FastCGI化)」および
「APC」「OPcache」も有効です。
という対策をしたのですが、改善されていないという返答が届き、
メール内へ、「新サーバー簡単移行も併せてご検討下さい」とあり、
調べておりましたら、こちらのサイトへ辿りつきました。
全くの素人なので、何点か疑問があります。
・ムームードメインでのドメイン取得をしています。
・Worspressを利用
・FTPソフトは「FFFTP」を使用しています。
まだ、実行していないのですが、
・「データベースのパスワードを検出出来なかった場合」
という章で、不安がありまして。
パスワードは、Xサーバー管理画面へのログインの際の、
パスワードしか分からないのですが、実行可能でしょうか?
管理画面で確認は出来ないのでしょうか?
・この案内に従って、「FTPソフトのホスト設定」とありますが、
私の場合でしたら、「FFFTPソフト」のホスト設定という事で、
合っていますか?
ただ、どうすれば良いのか、分からないので、
躊躇しておりますが…。
長文となり、大変申し訳ございません。
宜しくご教示頂ければ、大変助かります。
※貴サイト様の他記事「WordPressをサーバー移転して引っ越す方法」(XSERVER→mixhostの例)と、迷っておりますが、
何しろ、出来るのか不安なもので・・・。
宜しくお願い致します。