僕は、Wordpressのキャッシュプラグインは基本的にあまり好きではありません。
というのも、設定は難しいし、モバイル設定を誤ると表示がおかしくなって逆効果なんてこともあり得るからです。
なので、サーバーから「あんたのサイト負荷が高すぎるよ!」と注意されない限りは、特に使用したいものではありませんでした。
当サイトは、サーバに注意されたので、やむなくW3 Total Cacheを使いましたが。
けれど先日、WP Fastest Cacheを使ってみたら、これが非常に使いやすくて、結構手軽に使えたので紹介です。
目次
WP Fastest Cacheとは
WP Fastest Cacheは、キャッシュプラグインの利用になれていない人でも、手軽に使えるWordpressプラグインです。
手軽に使える大きな理由として、このキャッシュプラグインは、ほぼ日本語表示に対応しています。
あと、キャッシュの基本となる設定がすべて以下のように、1箇所に一覧でまとめられているので非常に設定がしやすいです。
基本となる機能がたったこれだけです。
無料版だと、機能制限もありますが、初めて使うキャッシュプラグインとしては、十分すぎるくらいの機能は備えていると思います。
以下では、このWP Fastest Cacheの使い方について説明したいと思います。
インストール
キャッシュプラグインを使おうというのだから、インストール方法は十分承知かもしれませんが、一応説明しておきます。
まずはWordpress管理画面から「プラグイン → 新規追加」をクリックしてください。
すると「プラグインの追加」画面が表示されるので、検索ボックスに「WP Fastest Cache」と入力して検索を行ってください。
すると、検索結果に「WP Fastest Cache」が表示されるので、「今すぐインストール」ボタンをクリックします。
注目すべきは、このレビュー数と星の数。ここまで評価の良いキャッシュプラグインも、なかなかないと思います。
インストールが完了したら、「プラグインを有効化」をクリックしてください。
WP Fastest Cacheの日本語化
次に設定と行きたいところですが、まずは日本語化しておいたほうが設定がしやすいかと思います。
WP Fastest Cacheを有効化すると、管理メニューに「WP Fastest Cache」という項目が表示されるのでクリックしてください。
すると、以下のようなオプション一覧が表示されます。
このオプション一覧の下の方にある「Language」の中に「日本語」があるので、選択して「Submit」ボタンを押してください。
すると、ほぼすべての設定項目が日本語化されます。
やはり母国語で、設定が行えるというのは非常に気が楽です。
基本設定
WP Fastest Cacheの中でメインとなる設定の基本設定の説明をします。
基本設定項目は、こんな感じで設定すればよいかと思います。
特にこれまで、キャッシュに関する設定を行っていない場合は、チェックできるところすべてにチェックで良いのではないかと思います。
ちなみに、チェックしてない部分は、有料版の機能です。ただ、キャッシュプラグイン初導入とかの場合は、上記の設定だけでも十分だと思います。
以下では、無料版の個々の設定について詳しく説明したいと思います。
キャッシュ
WP Fastest Cacheの機能全体を有効にするかどうかをここで選択することができます。
キャッシュの設定に失敗した時などは、とりあえずここのチェックを外せば設定が元に戻るので、とても気楽に設定できます。
Preload(プレロード)
プレロード機能は、定期的に前もってキャッシュを生成してくれる機能です。
通常のキャッシュプラグインだと、最初にページを訪れた訪問者をトリガーとして、キャッシュを生成します。しかしその場合、最初の訪問者が訪れた後にページを生成する処理が行われるため、ページが表示されるまで遅れを引き起こしていました。
けれど「Create the cache of all the site automatically」にチェックを入れると、1分につき4つのページキャッシュを定期的に作成するため、最初の訪問者のページ表示速度を早くできます。(※プレロードで作成前に訪問されると、その他プラグインと同じになるけど)
それとともに、キャッシュをあらかじめ定期的に作成しておくことにより、将来の負荷の分散も図ることができます。
チェックボックスを有効にすると、以下のようなダイアログが表示されるので、すべてにチェックをしておけばOKかと思います。
- Homepage(トップページをあらかじめ生成)
- Categories(カテゴリページをあらかじめ生成)
- Posts(固定ページをあらかじめ生成)
- Pages(投稿ページをあらかじめ生成)
この機能は、他のキャッシュプラグインではあまり見かけない、良い機能だと思います。
ログインユーザー
「ログインユーザーに対してキャッシュを表示しない」にチェックを入れると、Wordpressにログインをしているユーザーには、キャッシュプラグインが適用されません。
サイト管理者は、記事をポストしたり、カスタマイズした後、最新の状態を確認したいと思うので、有効にしておいた方が良いかと思います。
管理者が、キャッシュの生成状態を確認するには、Chromeの場合は「シークレットモード」、Firefoxの場合は「プライベートウィンドウ」などの機能を利用すればよいかと思います。
モバイル
「モバイルユーザーに対してキャッシュを表示しない」にチェックを入れると、モバイル端末から訪問してきたユーザーには、キャッシュ機能を利用しないように設定できます。
WordPressテーマによっては、PC表示とモバイル表示で表示が変わるものもあります。そういった場合、キャッシュ状態によっては、「モバイル端末でのアクセスなのにPC表示」なんて事が起こってしまいます。
この項目を有効にしておくと、モバイルではキャッシュプラグインの影響受けない状態が表示されます。テーマの表示仕様などがよくわからない場合は、有効にしておくことをおすすめします。
ただし、この機能を有効にすると、モバイルからのアクセスの負荷は軽減できません。それでも、パソコンからの負荷の軽減と、ブラウザキャッシュの設定と、リソース圧縮があるので、何もしないよりはかなり効果があると思います。
新しい投稿
「投稿や固定ページが公開されたときに全てのキャッシュファイルをクリアする」にチェックを入れると、記事をポストした時に、全てのキャッシュを消去します。
投稿などをポストした時は、インデックスページや新着記事ウィジェットなどもリフレッシュしたいものです。そんなときに、投稿と同時にキャッシュの全消去をしてくれるので便利です。
HTML の圧縮
「HTML を圧縮してページサイズを小さくする」にチェックを付けると、HTMLなどの余分なスペースや改行を取り除いて圧縮してページサイズを小さくできます。
これにより、ダウンロード時間などの短縮を図ることができます。
ただし、HTMLを圧縮したからといって、小さくなるサイズはたかが知れています。しかも、これを行ったことにより、ソースコードの可読性も悪くなる可能性があるので、必ず有効にしなければならないというものでもないかも。
CSS の圧縮
「CSSファイルを圧縮する」にチェックを付けると、CSSの余分なスペースや、改行などを取り除いてファイルサイズを小さくすることができます。
ただこれも、有効にすると、チェックツールなどのスコアは良くなりますが、HTMLの圧縮同様そこまで重要なものではないので、何か不都合があるようなら無効にしても良いと思います。
CSS の結合
CSSなどのファイル数が多いと、それだけファイルを多く開く必要があるので、オーバヘッドが発生します。
オーバーヘッド : ある目的で処理を実行する際に,目的とは直接関係ない処理。通信プロトコルの場合,データを送受信することが本来の目的だが,アドレス処理や転送処理のためにヘッダーが必要。これがオーバーヘッドである。[出典:ITpro]
「CSS ファイルを結合してHTTPリクエスト数を減らす」にチェックを付けると、CSSファイルを結合してファイルを開く回数を減らしてくれます。それによりオーバーヘッドを少なくし、高速化を図ります。
JS の結合
CSSの結合同様、HTTPリクエスト数を減らすオーバーヘッド対策です。
「JavaScript ファイルを結合してHTTPリクエスト数を減らす」のチェックが入っていると、ヘッダーで呼び出されるJavaScriptファイルを一つにまとめて、高速化を図ります。
Gzip 圧縮
「サーバーから送信されるファイルをGzip圧縮する」にチェックが入っていると、テキスト、HTML、XML、CSS、RSS、JavaScript、WEBフォントなどのサイトリソースをサーバー上で圧縮してから転送するので、転送量を減らすことにより高速化できます。
おそらく、以下で書かれているのと似たような処理が行われます。
既に.htaccessファイルで設定している場合を除いては、有効にしておくことをおすすめします。
ブラウザキャッシュ
「ブラウザキャッシュを利用してロード時間を短縮する」にチェックが入っていると、ブラウザのキャッシュ機能を利用して高速化を図ります。
ブラウザキャッシュとは、テキスト、JavaScriptファイル、画像、PDF、フラッシュ、WEBフォントなどを、1度読み込んだら、ブラウザにキャッシュとして一定期間を置いておく機能です。
そして、次に同じサイトにアクセスし同様のファイルを読み込む場合は、サーバーから読み込まず、ブラウザのキャッシュに置いてあるものを読み込むことによって、高速化することができます。
主に、以下のようなことが行われるかと思います。
こちらも、.htaccessで設定していない限りは、有効にしておくことをおすすめします。
キャッシュの削除設定
「キャッシュの削除」タブの設定項目では、生成されたキャッシュの削除を行うことができます。
「キャッシュの削除」ボタンを押すとキャッシュフォルダ内のすべてのファイルが削除されます。
「キャッシュと圧縮されたCSS/jsファイルを削除」ボタンを押すと、圧縮されたCSS/JavaScriptファイルとあわせてキャッシュを全削除します。
キャッシュの削除については、ここから行わなくても、管理バーのチーターアイコンのメニュー「WPFC」から、「Delete Cache (and Mintified CSS/js)」メニューを選択することで、消すこともできます。
キャッシュの有効期限設定
「キャッシュの有効期限」タブでは、キャッシュを自動で削除する間隔を任意で設定することができます。
この機能も、W3 Total Cacheには無いので、嬉しい機能です。
キャッシュの削除間隔を設定するには、まず「Add New Rule(新しいルールを追加)」ボタンをクリックします。
すると、以下のようなダイアログが表示されるので、「IF REQUEST_URI」に「全て」を選択し、「Then」に、キャッシュを定期的に削除したい間隔を設定してください。
特に、キャッシュをクリアする必要がない場合は、「1日に1回」もしくは「週に1回」あたりを。
シェア数などをなるべく速く反映させたい場合は、「6時間に1回」もしくは「1時間に1回」あたりに設定しておくと良いかもしれません。
あまりに間隔が狭いと、逆にサーバーの負荷になってしまうこともあるので、注意が必要です。
除外設定
「除外する」タブでは、キャッシュ機能を有効にしないページを設定することができます。
キャッシュ表示をさせたくないページがある場合は、「Add New Rule(新しいルールを追加)」ボタンを押してください。
トップのインデックスページなどでキャッシュを作成しない場合は、「IF REQUEST_URI」に「Home Page」に設定してください。
個別のページでキャッシュを生成しない場合は、まず「IF REQUEST_URI」を「Is Equal To」に設定します。すると、入力ボックスが現れるので、キャッシュを生成させたくないページのURLを入力してください。
CDN設定
CDNとは、コンテンツ・デリバリ・ネットワークの略で、画像、動画、アプリなどの大容量ファイルを別のサーバーに置くことで、サーバーの負荷を軽減する仕組みです。
「CDN」タブでは、以下のCDNサービスを利用することができます。
当サイトの場合は、月に1TB以上は転送量が発生します。
日本のサーバーで、月に1TBの転送量で計算をすると、それぞれのサービスで以下ぐらい値段がかかります。(1ドル115円で計算)
- MaxCDN:79ドル(約9,000円/月)
- KeyCDN:40ドル(約4,600円/月)
- CDN77.com:125ドル(約14,400円/月)
- Amazon CloudFront CDN:(約16,100円/月)
結構値段がかかるものですね。
エックスサーバーの最安プラン場合は、1日の転送量の上限の目安が50GBです。月にするとおおよそ1.5TBです。(1日50GBを大幅に超える日が続いた日は、アウトだけど)
たかだか月額1000円でCDNを使用せずとも、これだけの転送量を許してくれるエックスサーバーは本当にありがたいです。
注意点
結構手軽に使えるWP Fastest Cacheですが、ページキャッシュプラグインである以上、注意点もあります。
キャッシュプラグインは比較的トラブルが多い
キャッシュプラグインは、他のWordpressプラグインと比較しても、結構トラブルの多いプラグインです。WP Fastest Cacheでのエラーはあまり聞いたことはありませんが、気になる場合は使用前にGoogleで「Wordpress キャッシュプラグイン トラブル」などを検索してみて、出てくる記事をいくつか読んでみることをおすすめします。
モバイルではキャッシュが生成されない(無料版)
また、上の方でも書きましたが、WP Fastest Cacheの無料版は、モバイルではキャッシュが生成されません。ですので、モバイルからのアクセスの多いサイトでは、効果がそこまで感じられないということもあるかもしれません。
スマホとタブレットを分けて表示することはできない
また、PCとモバイルは、おそらくwp_is_mobile関数で分けられていると思います。ですので、スマホとタブレットの表示をわけた使い方は出来ないと思います。
どうしても、端末ごとの細かなモバイル表示を管理したい場合は、やはり以下のW3 Total Cacheを使った方が良いかもしれません。
こちらは、無料でモバイルキャッシュも生成出来ます。
まとめ
WP Fastest Cacheをしばらく使ってみた感想としては、とにかく分かりやすくて、設定のしやすいキャッシュプラグインでした。
なので、「Wordpressでキャッシュプラグインを使いたいけど初めてでよくわからない」なんて方の場合は、まずこのプラグインから入ると良いかと思います。
無料版では、モバイルのキャッシュ生成などはできませんが、これでも十分すぎるくらいの効果を発揮してくれるかと思います。
ちなみに、有料版の設定方法は以下です。
導入はまず無料版から、それでモバイルのキャッシュも生成したくなったら有料版といった使い方で良いような気もします。
プラグイン WP Fastest Cache
お世話になります。SimplicityにSuperCache(無料版)を入れて使っています。
記事作成中にプレビューを見ながら作成しているといつのまにかcacheが作成されていて
変更がプレビューに反映されないようになる気がするのですが、この記事の通り、管理画面やログイン画面は除外しているのですが、プレビュー画面も除外する方法というのはああるのでしょうか?新しく作成するたびに、プレビューで表示されるURLを指定して除外するしかないのでしょうか?
もし、うまい設定方法をご存知でしたらご教授頂けると幸いです。