2015年7月29日にWindows10の無償アップグレードが開始されました。
Windows10へは、Windows7、Windows8.1、からなら2016年7月28日まで1年間無料でアップグレードすることができます。
ただ、僕はまだアップグレードしていません。というのも、大手銀行や、様々なソフトなどから、「動作確認が完了するまで、Windows 10へのアップデートはお控えいただくことをお勧めいたします。」みたいなメールが届いているので様子見といった感じです。
実際のところ、アップデートしたからといって、大抵のソフトなら動くのでしょう。けれども、もしアップグレードして仕事などで使いまくっているソフトが動かなかったら大変なことになります。ダウングレードするのも大変ですし。
そういった場合は、普段使っていないパソコンにインストールしていろいろ試せば良いのでしょうが、なかなかそう都合よく使用していないパソコンがあるはずもなく、手軽に実行できるものではありません。
けれども、仮想マシン構築ソフトを使えば、同様のことを行うことができます。ソフトを利用して、現在使用しているパソコン内に仮想的なマシン環境を作ることにより、Windows10をインストールして、様々なことを試すことができます。
ということで今回は、「VMware Player」という仮想環境ソフトにWindows10をインストールして、アプリなどの動作確認をするテスト環境の作り方を紹介します。
目次
仮想環境を作る主な手順
仮想環境ソフトでWindows10環境を作るのに必要な主な手順は以下です。
- VMware Playerのインストール
- Windows10をダウンロード
- Windows10インストールメディアの作成
- VMware Playerの初期設定
- VMware PlayerにWindows10をインストール
- VMware Toolsのインストール
手順にするとこれだけなんですけど、一応OSをインストールすることになるので、それなりの時間はかかります。
VMware Playerのインストール
まずは、使用中のパソコンにVMware Playerをインストールします。
インストール手順は、以下に書かれている通りに行ってみてください。
Windows10をダウンロード
VMware Playerをインストールしたら、次はWindows10ファイルをダウンロードします。
Windows 10 のダウンロードページに移動し、以下のボタンから環境にあったものをダウンロードします。
僕の場合は、64ビットのWindowsを利用しているので、64ビットバージョンをダウンロードしました。
ダウンロードすると「MediaCreationToolx64.exe」のようなファイルがダウンロードされます。
Windows10インストールメディアの作成
次にダウンロードしたファイルを起動します。
実行する操作の選択
すると、以下のような画面が表示されるので、「他のPC用にインストールメディアを作る」にチェックを入れ「次へ」ボタンを押してください。
大事なことなのでもう一度書きますが必ず「他のPC用にインストールメディアを作る」にチェックを入れてから「次へ」ボタンを押してください。
言語、エディション、アーキテクチャの選択
次に、言語、エディション、アーキテクチャを選択します。
僕の場合は、以下のように選択しました。
- 言語:日本語
- エディション:Windows10 pro
- アーキテクチャ:64ビット(x64)
それぞれ環境に合わせて選択したら、「次へ」ボタンを押してください。
使用するメディアの選択
作成するインストール用メディアの選択を行います。
VMware Playerには、ISOファイルからインストールするので「ISOファイル」を選択して「次へ」ボタンを押してください。
すると、ダイアログが表示されるので、メディアを保存する場所とファイル名を選択します。僕はファイル名をデフォルトの「Windows.iso」にして適当な場所に保存しました。
「保存」ボタンを押すとWindows10のダウンロードが開始されます。
ダウンロードが終了するまでしばらくお待ちください。
Windows10 pro(64bit)のファイルサイズは3.14GBになりました。ダウンロード時間を計ってみたら、平日の昼間で15分くらいかかりました。
ダウンロードが終わると、ダウンロードファイルの検証が始まります。この作業は、1分以内に終わると思います。
最後に、ISOメディアの作成フェーズに移ります。メディアの作成は、3分ぐらいかかりました。
メディアの作成が終わると、指定した場所にISOファイルが作成されるので「完了」ボタンを押してください。
ダウンロード開始からここまでの時間は、だいたい18分ぐらいかかりました。(※パソコンのスペックや接続状況により多少時間は変わります。)
指定した場所に、「Windows.iso」というファイルが作成されました。
これで、インストールメディアの作成が終わりました。
VMware Playerの初期設定
最後に、作成したメディアファイルをVMware Playerにインストールします。
まずは、VMware Playerを起動してください。
新規仮想マシンの作成
VMwareを起動したら、「新規仮想マシンの作成」をクリックしてください。
メディアファイルの選択
すると「新しい仮想マシンウィザード」ダイアログが表示されるので「インストーラーディスクイメージファイル(iso)」にチェックを入れて、「参照」ボタンから先程作成したメディアファイル「Windows.iso」ファイルを選択してください。
以下のようなメッセージが出ますが特に気にする必要はありません。
このディスクイメージのOSの種類を検出できませんでした。インストールするOSを指定する必要があります。
準備ができたら「次へ」ボタンを押してください。
ゲストOSの選択
次にOSの選択になります。
ここはデフォルトのままで、「ゲストOS」は「Microsoft Windows」に。バージョンは「Windows 10 x64」でOKだと思います。
設定を確認したら「次へ」ボタンを押してください。
仮想マシンの名前の設定
次に、仮想マシンの名前と、保存場所の設定を行います。
名前も、場所も、どのようにしても良いのですが、特に問題のない場合は、デフォルトのままでOKだと思います。
※仮想マシン作成場所の容量とかは余裕があったほうがいいかもしれません。
ディスク容量の指定
次に仮想マシンに利用するディスク容量の指定を行います。
ここもデフォルトの設定でOKだと思います。
僕の場合は以下のようにしました。]
- ディスク最大サイズ(GB):60
- 仮想ディスクを複数のファイルに分割にチェック
設定を確認したら「次へ」ボタンを押してください。
仮想マシンを作成する準備完了
これで仮想マシンを作成する準備が整いました。
こちらも基本的にデフォルトでOKだと思います。
設定を確認したら「完了」ボタンを押してください。
ハードウェアをカスタマイズ
「ハードウェアをカスタマイズ」を押せば、ハードウェアの構成を変更することができます。
ただ、この設定についてよくわからないと思ったら、デフォルトの設定を使ってください。
VMware PlayerにWindows10をインストール
VMwareの初期設定が完了したら以下のような画面が表示されるので、先程作成した仮想マシン名「Windows 10 x64」を選択し、「仮想マシンの再生」をクリックしてください。
すると、以下のようにWindows10のインストール作業が始まります。
Windows10のセットアップ
すると、以下のような画面が表示されるので「次へ」ボタンを押してください。
すると次のような画面が表示されるので「今すぐインストール」ボタンを押してください。
プロダクトキーの入力をスキップ
インストールを開始してしばらく待つと、以下のようなダイアログが表示されます。
これは、Windowsのライセンス認証のためのプロダクトキー入力画面なんですが、今回は「スキップ」を押して飛ばします。
テスト後、手持ちのWindows7、Windows8.1からアップグレードすることがあれば、それらOSのライセンスが利用されます。
ライセンス条項に同意
次に、ライセンス条項ダイアログが表示されるので、「同意します」にチェックを入れて「次へ」ボタンを押してください。
インストールの種類の選択
次に、インストールの種類を選択します。
インストールの種類は、「カスタム:Windowsのみをインストールする(詳細設定)」をクリックしてください。
インストール場所の選択
インストール場所は、デフォルトのままで変更する必要はありません。「次へ」ボタンを押してください。
Windowsのインストールが始まる
すると、以下のようにWindowsのインストールが始まります。
この作業は、結構時間がかかるのでしばらく待つ必要があります。
Windowsの再起動
この作業が終わるとWindowsが自動的に再起動されます。
再起動中は、以下のような画面が出ますがしばらくお待ちください。
プロダクトキーの入力をスキップ
再起動後、もう一度プロダクトキーの入力を求められますが、ここでも「後で」を選択します。
設定のカスタマイズを押す
すると、以下のような画面が表示されるので「設定のカスタマイズ」をクリックします。
今回は、テスト環境なのでマイクロソフトに情報を送信しないように設定します。
設定のカスタマイズ
すると以下のような設定の選択画面が出るので、次のように選択して「次へ」ボタンを押します。
次の設定項目は以下のように選択し、「次へ」ボタンを押します。
一応、悪意あるコンテンツなどから、ブラウザの保護だけは行います。
「次へ」ボタンを押すと、以下のように待機画面が表示されるのでしばらく待ちます。
PCの所有者選択
カスタム設定が終了すると、「このPCは誰が所有していますか?」と表示されるので「私が所有しています」を選択し「次へ」ボタンを押します。
自分用セットアップのスキップ
次に、Microsoftアカウントのセットアップ画面が表示されますが「この手順をスキップする」を選択してください。
PC用アカウントの作成
PC用をアカウントの作成画面が表示されるので、「このPCを使うのは誰ですか?」と書かれた入力欄に「win10」とでも入力して「次へ」ボタンを押してください。
アカウント名は、何でも良く、テスト環境なのでパスワードなどは必要ありません。
最終設定の開始
すると以下のように、最終設定が行われるので、あとはただ待ちます。
Windows10のセットアップ完了
最終セットアップが終了すると、以下のようなWindows10のデスクトップ画面が表示されます。
ここですぐさまWindows10を使っても良いのですが、アプリの動作テストなどをしやすいように、VMware Toolsというものを一応インストールしておきます。
VMware Toolsのインストール
VMware Toolsは、VMware Playerの「Player」メニューの「管理」から「VMware Toolsのインストール」を選択することで行うことができます。
メニューを選択すると画面右下に「DVDドライブ(D:)VMware Tools」と表示されるので、そこをクリックします。
しばらく待つと、案内表示は消えてしまいますが、消えてしまった場合は、エクスプローラからDドライブを開けばOKです。
すると、「このアプリがPCに変更を加えることを許可しますか?」というダイアログが表示されますが「はい」を押してください。
すると、VMware Toolsのインストールが開始されます。
VMware Toolsインストールウィザードの起動
しばらくして、以下のようなVMware Toolsのインストールウィザードが表示されますので「次へ」を押してください。
セットアップの種類の選択
種類は「標準」を選択して「次へ」を押してください。
VMware Toolsのインストール準備完了
最終確認画面が表示されるので「インストール」ボタンを押してください。
インストール開始
ドライバーなどがインストールされるので、しばらく待ちます。
インストールが終わると完了画面が表示されるので「完了」ボタンを押してください。
Windows10の再起動
インストールが完了すると、以下のようなシステムの再起動を促すダイアログが表示されるので「はい」をクリックして再起動してください。
再起動が完了したら、Windows10テスト仮想環境のセットアップの終了です。
アプリなどの動作テスト
作成した仮想マシン内にソフトをインストールしたり、ブラウザなどからウェブページを開いたりしてテストすることができます。
アプリなどの動作をテストする
VMware Toolsをインストールしたので、メインマシンから、仮想マシンへ、コピペやドラッグ&ドロップなどでファイルを移動することができます。
ファイルのドラッグ&ドロップ、もしくはコピペを行うと以下のようにファイルの移動画面がしばらく表示されます。
ファイルの移動が完了すると、仮想マシン内に転送されたファイルが表示されます。
このように、普段利用しているソフトなどを移動して、動作確認などをしてみて、Windows10にアップグレードするかどうかなどの判断材料にすると良いかもしれません。
新ブラウザでサイトなどをチェックする
新ブラウザー「Microsoft Edge」などでサイトや、WEBサービスのチェックも行えます。
URLなどのテキストもメインマシンから、仮想マシンへコピーすることができるので、アドレスバーなどにURLをコピペなどですぐに動作確認することができます。
自分のウェブサイトなどが、新しいブラウザでちゃんと表示されるかどうかチェックするのにも良いかと思います。
プロダクトキーを入力しないままだと
僕がこの記事を書く前日に作った、仮想環境を1日経ったあと起動してみると、以下のようなメッセージがデスクトップ右下に表示されます。
また、パーソナル設定を行おうとしても、ライセンス認証が行われていないままだと、設定できないなど制限もいくつかあります。
ライセンス認証を行わないと、制限はありますが、とりあえず1日たってもアプリや、ブラウザ表示の動作確認ができるようです。
今後、「時間が経過したら全く使えなくなるのか」などはわかりませんが、とりあえず、いろいろと動作確認する時間はありそうです。
動作確認が終了し、Windows10が気に入って、アップグレードした後は、VMware Playerの右クリックメニューから、全てのデータを削除することができます。
まとめ
今回の手順を行えば、いろいろな動作確認が行えるWindows10テスト環境が手に入ります。
とりあえず、OSのアップグレードを考えている場合は、実際に行う前に、仕事などで必須になるようなソフトは動作確認しておいた方が良いかと思います。
実際のところ、無料期間は1年あるので、いますぐ無理してアップグレードする必要はないと思います。けれども「いますぐWindows10を使いたい」なんて衝動に駆られた場合は、その前に仮想環境でチェックしておいたほうが無難かと思います。
windows10は実機とは別にvm用にライセンスが必要になりますよね