僕は、要介護者なもので普段は、風呂場の洗面台でヘルパーさんに頭を洗ってもらっています。
ただ、体調不良などで起き上がって車椅子に乗れないときは、ベッド上で頭を洗っています。
これまではベッド上で頭を洗う時、シャンプーの後のすすぎには、1.5リットルとか1リットルのペットボトルに、お湯を入れて頭にかけながら洗い流していました。
けれど、ペットボトルを用いた洗髪は、事前にペットボトルに何本もお湯をくんでおく必要があり面倒そうでもありました。加えて、すすぐときは何回もペットボトルを持ち替えて流す必要があり、結構大変そうでした。
ですので、「ペットボトルで何回も流すよりは、ベッド用の洗髪シャワーで一気に流せた方が楽してもらえるかな」と洗髪のたびに思うようになりました。
それで、ベッド上でも手軽に使える良さそうな洗髪シャワーをいろいろと探してみたところ、「キヨタ 洗髪シャワー」が最も使いやすそうだったので購入してみました。
目次
キヨタの洗髪シャワーとは
キヨタの洗髪シャワーは、以下のような感じでバケツなどに貯めておいた水で、手軽に頭を洗えるようになるポータブル型(持ち運び可能な)シャワーです。
以下のように、手元のボタンでシャワーのオン/オフを切り替えることができるので、片手で頭を洗いながら、もう一方の手で自在に水の出し入れを操ることができるようになっています。
カタログ写真からしても、非常に使いやすそうに見えたので、早速注文してみました。
実際に届いたもの
それで、実際に届いた「キヨタ 洗髪シャワー」が以下です。こんな段ボールに入って届きました。
箱についていたラベルを詳しく見てみると、「交流式 洗髪シャワー」となっています。
箱を開けると、こんな感じの袋が一つ入っています。
洗髪シャワーセットの中身
袋から取り出すと、こんな感じの黒いバッグが入っています。
このバッグに入れて、洗髪シャワーセットを手軽に持ち歩くことができるようになっています。
バッグから中身を取り出してみると、全部で以下のようなセットになっていました。
- 洗髪シャワー本体
- 洗髪シャワー用の電源アダプター
- 持ち運び用のバッグ
- 取り扱い説明書
- 保証書
それぞれの大きさをスマホ(iPhone 5C)と比較すると、以下のようなサイズになります。
バッグの中身だけだと、たったこれだけです。
実際に使うものは、「洗髪シャワー本体」と左下にある「ACアダプター(シャワーの電源)」のみで、部品などは多くなく、手軽に扱えるようになっています。
洗髪シャワー本体
洗髪シャワーの本体の全体像は以下のようになっています。
シャワーヘッド部分は、手のひらにスッポリと収まるくらいのサイズです。
シャワー穴は、中心部分にだけについており、お湯がベッド周りに飛び散りにくい設計になっています。
シャワーヘッドのスイッチ部分は、以下のようになっていて、片手で手軽に切り替えられるようになっています。
お湯のオン/オフスイッチには、以下のようにイラストも入って、「どういった動作をするのか?」が非常に分かりやすくなっています。
また、イラスト自体、手にシャンプーが付いていても、手元が滑らないような凹凸のあるデザインとなっており、使う人への心配りが感じられます。
お湯を取り込むポンプ部分は以下のような形状になっています。
この部分を、取水用のバケツに放り込んで利用します。
コードの長さも、2m90cmと、少し離れたコンセントでも利用できるように、少し長めにとってあります。
洗髪シャワーの電源
コンセントから電力を得るためのACアダプターはこんな感じです。
電源側でも、90cmのコード長が確保されています。これで、洗髪シャワーと電源とのコードの長さを合わせると、3m80cmと広めの部屋で使っても十分コンセントに届くくらいの余裕を持った作りとなっています。
主電源は、以下のようにオン/オフスイッチとなっています。
電源部分は、このスイッチしかないので、初めて使う人でも、迷いようが無いと思います。
取水・排水用のバケツ
あと僕は、洗髪シャワーのほかに、「お湯取り込み用のバケツ」と「お湯排出用のバケツ」を2つ購入しました。
とりあえず、僕の場合は、13リットルのバケツで1回水を汲んでくるだけで終わるといった感じです。
慣れていない人の場合は、15リットル容量があるバケツあたりでも良いかと思います。
洗髪容器
僕の場合、頭を洗うための洗髪槽は、こういったプラスチック樹脂製のものを利用しています。
以前は、以下のような空気で膨らますタイプのものを利用していました。
ただ、毎度毎度、空気を入れたりするのが面倒ですし、長く使っていると、そのうちビニール部分がヘタってきます。
それで結局、空気を入れて膨らませる必要のない、プラスチック製の洗髪槽を利用するようになりました。プラスチック製のものは、ちょっとあたりが硬いのが難点なんですが、空気を入れる面倒さを考えたら、断然楽です。
実際に何度か使ってみた
それで、実際に洗髪シャワーを何度か使ってみました。
使い方は簡単で、まずシャワー本体と電源を繋ぎます。
あとは、適度なお湯を取水用のバケツに汲んできて、ポンプを放り込みます。
あとは、コンセントプラグを差して主電源を入れて、手元スイッチをオンにすれば以下のようにお湯が出始めます。
このように、設定は非常に簡単です。なので、初めての人も特に迷いなく利用できるかと思います。
それで、実際に何度か洗ってみたところ、コンパクトでとても使いやすかったです。
以下のように、女性の掌のサイズよりひと回り小さくなっており、しっかりと持つことができます。
また、上の写真のお湯の出方を見てもらうと分かる通り、シャワー穴が少し中心めがけて飛び出すようになっています。このおかげで、水が飛び散ったり跳ねたりしてベッドを濡らしにくい水流になっています。
洗髪シャワーの利点
今回、キヨタの洗髪シャワーを使ってみて感じた利点をまとめると以下のようになります。
- 1回水を汲むだけで頭を洗いきることができる
- 洗髪シャワーの使い方も悩みようがないくらい簡単
- 以上にコンパクトな手のひらサイズで扱いやすい
- 手元スイッチで片手で操作が簡単
- 手元のお湯のオン/オフスイッチに凹凸が付いていて滑りにくい
- シャワーのお湯が広がらないのでベッド上にはみ出さない
- シャワーのお湯の水跳ねがほとんどないのでベッド上に飛び散らない
- シャワーのお湯の出具合が強すぎず弱すぎず絶妙
- 介護時間の短縮になる
- 要介護者と介護する側の負担軽減
この、洗髪シャワーは多少値は張るものの、使い方が簡単で扱いやすいです。
そのおかげで、洗髪時間も短くなり、要介護者にも、介護する側も負担が減るのが最大の利点かと思います。
洗髪シャワーの難点
使ってみて感じた難点をまとめると以下のようになります。
- ペットボトル(値段はほぼ無料)に比べたら値段が高い
- 主電源を入れるとポンプの音が多少うるさい
- お湯のオン/オフはできるけど水量調節はできない
難点の中で、最も気になるのは、電源を入れたときのポンプ音でしょうか。音の大きさでいったら、「運転席に座った状態で聞こえてくる軽自動車のアイドリング音」くらいでしょうか。「普通自動車のアイドリング音」ほど静かではありません。
しかし、多少の音はしますが、頭を洗い流す時間は10分程度と短いので、そこまで気にならないかと思います(頭を洗ったり準備したりする時間の方が長い)。
あと、お湯の出方を調節する水量調整機能はありません。ただ、ここらへんは僕が使った限りでは、初期状態で絶妙な水の出加減となっています。なので「お湯の出方を調節したい」と思うことがないので、個人的にはあまり気になっていません。
この、洗髪シャワーを作っているキヨタ株式会社は、1989年(およそ30年前)から医療・福祉機器販売事業に参入しています。
その後、介護ショップも開設し、「キヨタ開発ブランド」という独自製品を作るようになっています。そういった経験から、この絶妙の水加減を調整できているのだと思います。
まとめ
今回、ベッド用の洗髪シャワーを購入した事により、以前は約30分ぐらいかかっていた洗髪時間が5~10分ほど短くできるようになりました。
ヘルパーさんや訪問看護師さんには、大体時間などを決めて入ってもらっている人がほとんどだと思います。その限られた時間の中で、いろいろなことをやってもらうので、訪問時間がカツカツの人も結構おられるかと思います。
そんな場合は、たとえ5分程度の時間短縮であったとしても、少し余裕を持ってもらえるのではないでしょうか。
というわけで、「ベッドで寝たきりの家族がいるので寝たまま頭を洗ってあげたい」とか「ベッドで洗髪をしているけどすすぎはペットボトルなので効率が悪い」なんて場合は、この洗髪シャワーはかなりおすすめです。
僕は、購入して実際に使ってみた結果、多少でも「介護をする人」の負担を減らせたので、とても満足しています。
取水・排水用のバケツ。
頭を乗せる洗髪槽。