個人事業税とは?所得税・住民税の他に個人事業主が支払う義務がある第三の税金。

先日、とある電話番号から頻繁に電話がかかっていました。

知らない電話番号からの着信履歴

僕は、たまたまタイミングが悪くて電話に出る事ができなかったのですが、さすがに何度も知らない電話番号からかかってくると気になるので、電話番号をネットで調べてみました。

すると、僕の住んでいる県の県庁下の総合県税事務所の課税課みたいなところからかかっていました。

それを見て、「えっ!県の課税課!?なんだろう?」と少し不安になりました。

そもそも前回の確定申告時、白色申告はバッチリ行っています。

昨日、近くの税務署まで確定申告に行ってきました。確定申告が始まって、すぐに行っては混んでいるだろうと、開始から1週間後に行っ...

経費とかも、グレーになりそうなものはすべて、計上していないですし、それに所得税の管轄は国税庁です。

住民税の支払いについても、最近案内が来て払い終わったばかりです。

なので「何で県の課税課から電話がかかってくるんだろう?何かしらの不備があったのかな?」と思いつつ恐る恐る県の税務課に電話をかけてみました。

結果、用件は「個人事業税」に関する聞き取りでした。

正直僕は、所得税と住民税さえ払っていれば良いものと思っていたのですが、個人事業主は個人事業税を都道府県に払う必要があるようです。

ということで、自分なりに個人事業税について調べてみたので、それについて書きたいと思います。

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個人事業税とは

「個人事業税」とは、個人で事業を行っているものが、「所得税」、「住民税」のほかに都道府県に納める義務がある地方税です。

なので、個人事業主ではないサラリーマンの場合は、納める必要がありません。

それに個人事業主でも、課税されない業種があったり、控除額がそれなりにあるため、課税されない事業主も多く、知らない人も多いようです。

個人事業税自体の申告は不要です。毎年2~3月に行われる確定申告さえ行っていれば、8月に県税事務所から納付案内書が郵送されます。

個人事業税の控除額

個人事業税の控除額は、年間通して事業を行っている場合は、一律290万円となっています。

事業を行っていたのが1年未満の場合は、290万円を営業期間(月)で割ります。例えば、1ヶ月営業していれば、24万2000円の控除になります。

青色申告などは65万円の特別控除があったり、白色申告などでも医療費控除や生命保険控除、障害者控除などがあります。

けれど、個人事業税は、そういった控除は関係なく完全に控除額は一律290万円です。(※一部控除あり)なので簡単に言うと1年間の利益が290万円以下の個人事業主は支払う必要がありません。

個人事業税の税率

個人事業税は、業種によって税率も変わります。

業種ごとの税率は以下になります。

2016-06-21_11h11_54
引用:東京都主税局<税目別メニュー><個人事業税>

5% 第1種事業(37業種)

物品販売業、運送取扱業、料理店業、遊覧所業、保険業、船舶ていけい場業、飲食店業、商品取引業、金銭貸付業、倉庫業、周旋業、不動産売買業、物品貸付業、駐車場業、代理業、広告業、不動産貸付業、請負業 、仲立業、興信所業、製造業、印刷業、問屋業、案内業、電気供給業、出版業、両替業、冠婚葬祭業、土石採取業、写真業、公衆浴場業(むし風呂等)、電気通信事業、席貸業、演劇興行業、運送業、旅館業、遊技場業

4% 第2種事業(3業種)

畜産業、水産業、薪炭製造業

3% 第3種事業(30業種)

医業、公証人業、設計監督者業、公衆浴場業(銭湯)、歯科医業、弁理士業、不動産鑑定業、歯科衛生士業、薬剤師業、税理士業、デザイン業、歯科技工士業、獣医業、公認会計士業、諸芸師匠業、測量士業、弁護士業、計理士業、理容業、土地家屋調査士業、司法書士業、社会保険労務士業、美容業、海事代理士業、行政書士業、コンサルタント業、クリーニング業、印刷製版業

業種によって税率が違う

このように、業種によって税率が変わってきます。

僕の場合、前回白色申告をした時の収支内訳書の業種名に「WEB制作」と書いていました。

収支内訳書の業種名

ただ、業種内容が「WEB制作」では、曖昧であったため、聞き取りをするために今回、県の課税課から電話がかかってきたようです。

聞き取りの結果、僕の業種はWEB制作といっても「広告を設置して収入を得る」アフィリエイトがメインなため、「広告業」と分類され第1種事業に分類され、5%の課税が行われるようです。

電話で県の課税課に確認したのですが、業種名にWEB制作と書くと曖昧な部分も出てくるため、次から業種名を書くときは、「WEB制作(広告業あたり)」と書くと課税課の方も判断しやすいとおっしゃっておられました。

個人事業税の計算方法

これまでのことを踏まえて、個人事業税の計算方法を書くと以下のようになります。

個人事業税 = (収入 - 必要経費 - 各種控除 - 事業主控除290万円)× 税率

個人事業税で、適用できる各種控除は以下の控除のみになります。

  • 損失の繰越控除:青色申告時の赤字の繰り越し
  • 被災事業用資産の損失の繰越控除:白色申告者で被災などにより事業資産に損失がある場合
  • 譲渡損失の控除と繰越控除:事業資産の譲渡により損失が発生した場合

個人事業税の場合は、上記3つと事業主控除(290万円)以外の控除は適用できないので注意が必要です。

ですので、売り上げが700万円、経費が200万円の所得が500万円の個人事業主の広告業(主な収入源はアフィリエイトで税率5%)だった場合は、以下のような税額になります。(※損失控除がない場合)

収入 = 700万円[売上] - 200万円[経費] = 500万円

個人事業税 = (500万円 -0円[損失控除など] - 290万円[事業主控除])× 税率5%

個人事業税 = 210万円 × 税率5%

個人事業税 = 10万5000円

事業主控除があるとはいえ、結構な額になりますね。

まとめ

このように、確定申告後、所得税、住民税と払ってきましたが個人事業主の場合は個人事業税も払う義務があるようです。

もちろん、8月に支払い案内が来たらちゃんと納付しようと思っています。

それにしても、最初税務課から電話がかかってきたと知ったとき、何も悪いことはしていないのに、少しドキドキしてしまいました。

とりあえず、確定申告の不備とか、申告漏れとかではなかったようでよかったです。

追記:個人事業では経費計上可能

ちなみに、税務課の方に教えてもらったのですが、個人事業税は確定申告時に経費として認められます。

僕の場合は、会計ソフトを利用しているので、勘定科目を「租税公課」として仕訳ます。

MFクラウド確定申告で租税公課として仕分け

予定していなかった税金を払うのは痛みが伴いますが、経費として計上できるのであれば、多少痛みは和らぐかなと。

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