僕は昨年、開業届けを出して零細個人事業主となりました。
ですので、今年の確定申告は「青色申告」をするつもりです。
何で青色申告にしたいのかというと、完全に65万円の青色申告特別控除狙いの節税目的です。
青色申告控除があれば白色申告と比較して、所得税を10%払う必要がある人は6万5000円所得税が安くなりますし、20%払う必要がある人は13万円安くなります。もし、所得税を払う税率が最高税率の45%だった場合は29万円強の節税効果になります。
そして、その後さらにドカンとくる、住民税、国民健康保険料は、確定申告時の所得税を元に算出されるので、さらなる額の節約効果があります。
個人事業主のかんたん税金計算シミュレーションを利用して「利益500万円があったケース」でシミュレートしてみると「白色申告」と「青色申告」では、単純計算で25万6000円も支払う税額(保険料)が変わってきます。
青色申告するだけで結構な節税効果。
こんな感じの、控除目当ての青色申告ではありますが、一応今年もキッチリ確定申告するつもりなので「freeeで青色申告をする際に必要だった手順」を次回のメモがてら紹介したいと思います。
目次
freeeで青色申告をするための主な手順
freeeで確定申告を行うのに必要な主な手順は以下です。
- 事前準備
- freeeに登録する
- freeeで基本情報の入力
- freeeで銀行口座・カード情報を登録しデータを連携する
- freeeで取得した明細データを仕訳する
- freeeで確定申告用の情報を入力
- freeeで確定申告書類を印刷する
- 税務署の相談窓口でチェックしてもらう
- 確定申告書類を提出
上記の手順をみてもらえればわかるように、確定申告書類の作成に必要な作業のほとんどをfreeeが肩代わりしてくれます。面倒な計算作業は一切不要といっていいでしょう。
簡単に言ってしまえば、ほぼ「freeeで書類を作成する」→「税務署に提出する」といった作業になると思います。
面倒な作業はfreeeが肩代わりしてくれます。
というわけで、以下ではそれぞれの詳しい手順を紹介していきたいと思います。
事前準備
青色申告をするには、事前に「開業届け」と「青色申告申請書」を税務署に提出している必要があります。
開業届け等を税務署に申告していない場合は、残念ながら青色申告は来年からせざるを得ません。
開業届けと青色申告申請書を提出
青色申告時に必要な「開業届け」と「青色申告申請書」の書き方については、以下を参照してください。
名前はなんだか面倒くさそうな書類なんですが、実際に書いてみると記入する部分も少なく、結構あっさりと書けてしまいます。ですので、「確定申告で青色申告をしたい」なんて方の場合は、サクッと書いて、税務署に提出してしまうことをおすすめします。
それぞれの記入文字数はTwitterの文字制限(140文字)よりも少ないくらい。
家族に給料を払う場合は
また、青色申告の有利な特典の1つとして、家族に支払った給与を経費にすることができます。
ただ、家族給与の特典を得るには、こちらも税務署に「青色事業専従者給与届け」を事前に提出している必要があります。
こちらの届け出書の書き方についてはこちら。
こちらも名前だけは面倒くさそうな提出書類ですが、「記入が必要な部分」だけ見ると結構少ないです。
ですので、家族に給料を払って手伝ってもらうつもりの場合は、提出しておくことをおすすめします。
家族にしっかりと労働の対価を払って経費に。
freeeに登録する
まずは、 freeeに登録が済んでいない場合は、登録する必要があります。
詳細な手順は、以下の「freeeのはじめ方」の記事にて解説しています。
申し込みをしてから30日間はどのプランも無料で体験できます。
ですので「使ってみたけど自分には合わなかった」という方は、30日以内であれば、料金を支払うことなく退会することも可能です。
無料で体験した後、使いやすければそのまま利用を継続すればOKです。
参考 freeeの料金プラン
まずは、気になる料金と機能をチェック。
一般的な個人事業主であれば、スタータープランから始めるとよいでしょう。プランは後からでも変更可能です。
freeeで基本情報の入力
事業所などの基本情報は、「freee登録時に入力した情報」でほとんど入力された状態になります。
あとは足りない部分を付け加えるだけです。
登録作業後の入力
freeeへの登録作業が終了すると、以下のような基本情報入力画面が表示されます。
「登録作業中に入力した事業所情報」などから、既にほとんどの入力は終えた状態になっているので、あとほんの少し情報を付け足すだけです。
僕のケースで言えば、登録作業を終えた後の「基本情報」は、88%が入力済みになっていました。サービス登録時の入力情報も無駄にしないで、しっかりと入力の手間を省いてくれるのは嬉しいですね。
今回は、青色申告をする際の例なので、「青色申告」を選択します。
基本情報を入力したら、「保存」ボタンを押して、設定を保存してください。
保存を終えたら、基本情報の入力は終了です。
初期入力で誤っていた箇所があった場合でも、freeeのメインメニューの「設定→事業所の設定」を表示させることで、後からでも自由に修正可能です。
後から直せるので安心して入力してください。
まずは基本情報の入力。
freeeで銀行口座・カード情報を登録しデータを連携する
基本情報を入力したら、次は口座情報を入力します。
ここである程度口座情報を入力すると、取引情報をfreeeが自動で取得してくれます。これにより、間違えやすい数字入力を自分でする手間が省けます。
口座の登録
口座を登録するには「口座 → 口座を登録」メニューを選択してください。
すると以下のような「口座登録」画面が表示され、管理できる口座一覧が表示されます。
この一覧の中から選択しても良いのですか、探すのが面倒な場合は、以下の検索フォームにキーワードを入力すると連携サービスを抽出することもできます。
例えば、僕の利用銀行である「住信SBIネット銀行」と入力すると以下のように抽出されます。
「住信SBIネット銀行」を選択すると以下のようなダイアログが表示されるので「認証ページへ」ボタンをクリックします。
サービスの連携
あとは、住信SBIネット銀行にログインして「利用規約に同意の上許可」ボタンを押してfreeeと連携すれば取引データを取得できます。
すると以下のように、データ同期の進捗状況が表示されるのでしばらく待ちます。
その他のサービスも連携
その他の銀行や、クレジットカード、通販サイトなどもこういった要領で登録していけば、かなりの取引データを取得できるようになると思います。
例えばクレジットカード(楽天カード)の連携画面は以下のようになっています。
Amazonの連携画面は以下。
クレジットカードや、通販サイトは基本的にメールとパスワードを入力すればOKなので、より簡単です。
このような手順で、僕の場合は以下のサービスを登録しました。
- 住信SBIネット銀行(銀行)
- 新生銀行(銀行)
- 楽天カード(クレジットカード)
- 三井住友MasterCard(クレジットカード)
- Amazon(通販サイト)
- 楽天(通販サイト)
僕の場合、仕事に使う備品などは、ほとんどを通販サイトからクレジットカードを用いて購入しているので、これで取引明細の95%以上は自動で取得出来ています。
あとは取引情報の明細を見ながら、仕訳を行っていくだけです。
取引の自動取得で入力の手間を削減。
freeeで取得した明細データを仕訳する
取引情報を取得したら、あとは「未登録明細を登録する」ボタンから明細を登録していくだけです。
上記ボタンが出ない場合は、メインメニューの「取引」から「自動で経理」メニューを選択してください。
すると、以下のような明細の仕訳画面が表示されるので、1つ1つ登録していくだけです。
パソコンだけではなくスマホからも仕訳できるようになっています。
スマホからなら親指だけで仕訳が出来てしまいます。
「自動で経理」で仕訳をする
freeeの「自動で経理」画面では、支出は以下のように赤枠で表示されます。
上記は、バリュードメインで購入したドメイン代金の明細です。
この機能の凄いところは、明細を取り込んだ時点で、勘定科目は「通信費」、品目・取引先等は「インターネット関連費」と勝手に推測入力されているということです。
例えば、プリンターのインクを購入した場合、勘定科目は「消耗品費」に自動で仕訳入力されます。
仕訳自体は、これでOKなので、あとは「登録」ボタンを押すだけという手軽さになっています。
ちなみに、収入の場合は、青枠で表示されるので、収入と支出の見分けがつけやすく、非常にわかりやすいです。
収入と支出が一目瞭然。
勘定科目の入力方法
freeeで明細を取り込むと、結構な確率で自動推測してくれますが、全てを推測してくれるわけではありません。
時には、勘定科目などを自分で設定する必要があります。
収入の勘定科目の選択
例えば、売り上げがあったときに勘定科目を登録するには、「勘定科目」入力欄をクリックします。
すると、以下のように詳しい説明が書かれたメニューが表示されるので、その中から適切なものを選択するだけです。
こんな感じに、手軽に選択することができます。
どの勘定科目が、どこにあるのか非常にわかりやすいです。
freeeの仕訳は、クラウド会計ソフトの中で最も初心者向きのやさしいインターフェース。
支出の勘定科目の選択
支出の場合も、収入と同様に「勘定科目」入力欄をクリックします。
すると、支出の場合は、経費などがメニューで表示されます。
あとは、説明を読みながら、支出に合った勘定科目を選択するだけです。
適切な解説とともに、わかりやすく色分けで勘定科目が表示されるので、非常に直感的に操作することができます。
解説付きのドロップダウンメニューから選ぶだけ。
もし、「勘定科目は何を選択したら良いかわからない?」なんて時も、以下のように検索すれば大抵のものならわかると思います。
もし検索でわからなくても、チャットで相談することも出来るので、聞けば何とかなります。
分からないことがあれば、チャットで質問すればすぐに返事をもらえます。
手入力をする
銀行や、クレジットカードなどから、取引明細を取得できなかった場合、例えば店で自分の財布から商品などを購入した場合は、手入力する必要はあります。
手入力をするには、メニューから「取引 → 取引を登録」を選択します。
以下のような画面が表示されるので「収入/支出」を選択し、「取引日」、「勘定科目」、「金額」を入力したあと、「登録」ボタンを押せばOKです。
「自動で経理」機能と基本インターフェースは変わらないため、そこまで難しくないと思います。
もし、購入したもののレシート、もしくは領収書などがある場合は、写真を撮影して金額を自動で取り込むこともできます。
スマホならなおさら簡単です。画面内にレシート・領収証を表示させて撮影するだけです。
こういった入力を補助する機能もあって至れり尽くせりです。
面倒なレシート入力の手間を大幅に削減。
領収書やレシートは捨てちゃダメ
経費になるものを購入した領収書(レシート)も保存義務があります。基本的に7年間は保存しておく必要があるので、必ずファイルなどに入れて保管しておきましょう。
詳しくは、国税庁の以下のページを参照してください。
僕の場合は、以下のようなファイルを購入して領収書などを保管しています。
大して値段高いものでもないので、分かりやすく保管しましょう。購入費も、経費になりますし。
取引の証拠は大事。
freeeで確定申告用の情報を入力
確定申告書類を作成するには、freeeで、確定申告用の情報を入力する必要があります。
確定申告情報を入力するには、メニューの「確定申告」から「確定申告書類の作成」を選択します。
基本情報の確認
事業者情報を再入力するには、「基本」をクリックしてください。
「入力情報に誤りがないか?」「青色申告になっているか?」などを確認してください。
収支情報を入力する
基本情報の確認を終えると、「収支」情報の入力になります。
登録してない収支があれば入力する
先程、仕訳方法も来ましたが、もし忘れている収支があれば「追加で入力する」ボタンから入力してください。
専従者給与の設定
家族などに給料を払っている場合は、「専従者給与」の入力欄に金額を入力します。
ただし、青色事業専従者とみなされるには以下の条件があります。
- 青色申告者と生計を共にしている配偶者(夫・妻)もしくは親族であること
- 申告の対象年の12月31日で15歳以上であること
- 1年を通じて6ヶ月以上事業に本業として従事していること
- 「青色事業専従者給与に関する届出書」を所轄の税務署に提出していること
- 届出書に記載されている給与金額の範囲内で支払われたものであること
- 青色事業専従者の給与の額は労働の対価として相当な金額であること
先程も紹介しましたが、「青色事業専従者給与に関する届出書」の書き方については、以下。
詳しい条件等は、国税庁の以下のページにある「青色事業専従者給与」の項目を参照してください。
「はい」か「いいえ」で質問に答える
次に、以下のような○と×の選択欄があるので、自分に適合するものを選択します。
選択の結果、入力が必要な場合は、以下のような入力欄が表示されるので、情報を入力します。
以下は、「会社から給料を得ている人が入力する欄」の例です(勤務先から届いた源泉徴収票に記載されている情報を入力します)。
以下のように、どんどん「はい ○」か「いいえ ×」を選択していって、必要な控除があれば金額を入力してきます。
全てを入力し終えたら、「次へ」ボタンを押してください。
青色申告書類の確認
次は、確定申告書類の確認画面です。
青色申告書類のプレビュー画面が表示されるので、内容を再確認します。
以下のような、資金繰りのレポートも見ることができます。
内容に間違いがなければ「確認が終わったので提出ステップに進む」をクリックしてください。
freeeは、ステップ形式なので次にやることが分かりやすいです。
freeeで確定申告書類を印刷する
次は提出するための、確定申告書類の印刷を行います。
税金の納付方法を選択後、以下の「出力する」ボタンから確定申告書類を印刷します。
印刷により、以下の書類を出力します。
- 確定申告書B 第一表
- 確定申告書B 第二表
- 収支内訳書(一般用) 1ページ
- 収支内訳書(一般用) 2ページ
これにて、freeeでの作業は終了です。
ここまできたら提出するだけ。
税務署の相談窓口でチェックしてもらう
あとは、確定申告書類を税務署に提出するだけです。
郵送や税務署の投函口で提出する方法もあるのですが、初めての場合や、自信のないうちは税務署に持っていって、相談窓口で不備がないかチェックしてもらう方が楽かと思います。
税務署に持っていったもの
とりあえず、僕が税務署に持っていっているものは以下。
- 印鑑(押し忘れたとき用)
- 身分証明書(特に必要なわけではないけど一応)
- 各種控除の内容を証明するための書類
- 必要な領収書(医療費のリスト&寄付金が領収書など)
印鑑は、僕の場合は相談員の方にチェックしてもらったあと押すために持って行きました。
確定申告書類を提出
僕の場合は、所轄の税務署で確定申告書類にチェックをしてもらって、問題がないようであれば、印鑑をその場で押して提出しました。
もし税務署の相談員の方に修正をするよう指示されたら、案内に従って修正しましょう。
僕の場合は、相談員さんにOKをもらって、以下のような申告書収受箱に書類を投函しました。
※これは外の申告書収受箱の例です。税務署の中に中にも投函ポストはあります。
提出書類をしっかりと作っていけば、結構あっさりと終わります。
まとめ
こんな感じで、freeeで比較的手軽に青色申告を行うことができます。
ここまでの手順で「全然手軽じゃない!」と思われた場合は、税理士ドットコムなどから税理士にお願いした方が、無駄な時間を浪費する必要がないのでおすすめです。
ただ、僕のような零細個人事業主規模であれば「税理士に頼まずとも会計ソフトで青色申告した方がコストも抑えられて楽」だと判断しました。
今後、(多分ないだろうけど)法人化を考える場合は、当然税理士をつけなければいけませんが、単なる青色申告であれば、会計ソフトで十分かと思います。
ただ、freeeのような会計ソフトがなければ、面倒くさすぎて税理士さんの所に駆け込むと思います。
無料体験はこちら。
サイト 会計ソフトfreee
青色申告の手間削減に是非。

初めて青色申告しようとフリー会計ソフト使うけど全然使い方や流れが分からなかったですが、丁寧な説明で凄い分かりやすかったです!助かりました!