ウェブサイト解析ツールでNet Valuatorというサービスがあります。
このサービスは、サイトの価値を見積もって表示してくれるツールとして有名ですが、その他にも他のサービスにはない分析ができて面白いので紹介です。
解析サイトとしては、SimilarWebなどが最近よく利用されていますが、Net Valuatorでは、SimilarWebとは、一風変わった分析ができます。
目次
Net Valuatorでの解析
Net Valuatorで分析できるものには、以下のようなものがあります。
英語サイトなので、取っつきにくいところはありますが、書いてある内容がわかるようになると、結構面白いです。
- トラフィックレポート
- サイトの見積もり価格
- サーチエンジンのインデックス数
- 検索エンジン被リンク
- 安全情報
- ウェブサイトランキング&スコア
- サーバーインフォメーション
- ソーシャルカウント情報
- ページリソースの内訳
- トップページのリンク分析
- ページタイトル&メタ情報
- トップページのタグ分析
- 同じIP(同じ共有サーバー)のサイト
- 被リンク数の推移
- 被リンクのあるドメイン数の推移
- HTTPヘッダー分析
- 同じランクのサイト
- Alexaトラフィックランク
- Alexaサーチエンジントラフィック
SimilarWebの方が、より詳しいものもあるのですが、Net Valuatorでは、「サイトの見積もり価格」などができますし、ちょっとした「サイト内容分析」や「サーバー分析」、「被リンク数」チェックなどができます。
以下では「http://wp-simplicity.com/」を例に解析内容について説明したいと思います。
Net Valuatorでの解析結果は、ちょっと古い数字が出ます。
使い方
Net Valuatorの使い方は、単にページにアクセスして値段などを調べたいサイトのURLを入力して、「Lookup」ボタンを押すだけです。
こんな感じで、使い方はとても簡単なのですが、海外のサイトのため分析結果は英語で表記されます。
ですので、以下で分析結果についてちょっと補足説明します。
トラフィックレポート
Traffic Reportは、以下の予想数字が出ます。
- 1日のユニーク訪問者数(Daily Unique Visitors)
- 一日のPV数(Daily Pageviews)
正直全然違います。こんなに多くありません。僕が他にやっているサイトだと、訪問者数などが近いものはあるのですが、PVは、かなり多めに出るようです。
ここらへんは、まだSimilarWebの方が近い数字が出るかも。
サイトの見積もり価格
Estimated Valuationは、以下の予想数字が出ます。
- 1日の収益(Income Per Day)
- サイトの見積もり価格(Estimated Worth)
1日の収益と、見積もり価格は、おそらく先程のトラフィックをもとに計算されています。
ですので、めちゃくちゃ高く表示されています。26ドルと言ったら、現在の為替レートで、3100円/1日ぐらいですけど、こんなにないです。トラフィック情報からしてかなり違うので、それが原因かもしれません。
ただ、僕が他にやっているサイトだと、1日の収益で結構近い数字が出ます。
サイトの見積もり価格は、1万5644ドルと出ていますけど、これもかなり高く出ている数字だと思います。
ただ、外部からは、そう見られているということで、1つの目安にはなると思います。
サーチエンジンのインデックス数
Search Engine Indexesは、Google、Yahoo!、Bingに登録されているインデックス数です。
ただ、Yahoo!と、Bingに関しては、Wikipediaでの解析結果にも表示されていないので、表示されないものと思った方が良いようです。
Googleウェブマスターツールの、「インデックスステータス」を見ると473になっているので、大体近い値は出るようです。
データが表示されない場合もあります。当サイトでは表示されなかったため、Simplicityサイトを例にしています。
検索エンジン被リンク
Search Engine Backlinksは、各検索エンジンによる被リンク数カウントです。
Googleと、Bingは「Wikipediaの解析結果」でも表示されていないので、表示されないものかもしれません。
Alexa BackLinksは、Alexaが所持している被リンク数が表示されるようです。
Net Valuatorの数値は、定期的に更新されているようなので、少し古い情報が出ます。
安全情報
Safety Informationには、以下の情報が表示されます。
- Googleのセーフブラウジング判定(Google Safe Browsing)(サービス終了)
- McAfee SiteAdvisorレート(Siteadvisor Rating)
- WOTによる信頼性判定(WOT Trustworthines)
- WOTによるプライバシー判定(WOT Privacy)
- WOTによる子供に安全なサイトかの判定(WOT Child Safety)
とりあえず、Googleの判定が「No Risk Issues」になってればOKだと思います。これが駄目だとGoogle八分されます。(このツールでチェックする前にアクセス数が激減すると思うので気づくと思うけど。)
その他のチェックは、情報量が不足しているので表示されていません。
ウェブサイトランキング&スコア
Website Ranks & Scoresでは、以下の分析ができます。
- Googleページランク(Google Pagerank)
- Alexaランク(Alexa Rank)
- ページスピードスコア(PageSpeed Score)
- ドメインオーソリティー(Domain Authority)
- DMOZに登録されているか(DMOZ Listing)
Googleページランク
Googleのページランクは、John Mueller氏が更新予定がないことを明らかにしたので、現在ランクがついていない場合は、今後もつかないと思います。
Alexaランク
Alexaランクとは、Alexaが出しているサイトの世界番付みたいなもんです。Alexaで見ると、日本での順位も見ることができます。
ちなみにAlexaランクのトップはGoogleです。
ページスピードスコア
ページスピードスコアの情報元はちょっとわかりませんでした。
ページスピードを計測するサイトとしては以下のようなものがあります。
ドメインオーソリティー
ドメインオーソリティーは、Googleやウィキペディアの分析結果でも表示されていなかったので、表示されないのではないかと思います。
ドメインオーソリティーを見るには、Mozがお勧めです。もっと手軽に、オーソリティー数値を見るには、以下のようなブラウザ拡張を使った方法もあります。
DMOZに登録されているか
DMOZとは、ボランティア方式で運営される世界最大のウェブディレクトリです。WikiのDMOZによると以下のように書かれています。
Google等のロボット型検索エンジンのポジショニングを決定する際の指標のひとつであるとされているバックリンク対策として有効性が高いとされた時期があった。
今は、そこまでSEO的な効果はないと思われます。
サーバーインフォメーション
Web Server Informationは、サーバーの所在地情報などです。
- サーバー所在地のマップ
- サーバーのIPアドレス(Hosted IP Address)
- サーバーの国籍(Hosted Country)
- サーバー所在地の緯度(Location Latitude)
- サーバー所在地の経度(Location Longitude)
このサーバーの所在地というのは、サイトのレスポンスに結構影響します。
例えば、日本人向けに日本語で書かれているサイトが、アメリカにあったりすると「日本のユーザー → アメリカにサイト情報を取りに行く → 日本にあるブラウザで表示」ということになるので、距離が遠い分遅延が発生します。
ですので、日本向けのサイトを行っている場合は、日本の中心(できれば東京か大阪)にサーバーがあるのが望ましいです。さくらのVPSは北海道(石狩)にあったりしますが、九州からアクセスすると、その分極々わずかかもしれませんがレスポンスが遅れます。
海外を例にすると、アメリカの西海岸だと0.1秒、東海岸だと0.2秒ほど遅延が発生します。
詳しくは以下に書いてあります。
海外拠点から国際ネットワークを経由して日本のサーバーにアクセスする場合,レスポンスが遅いと感じることが多い。通信距離が長くなると,大きな伝送遅延が発生するためだ。
ソーシャルカウント情報
Social Engagementでは、以下のような情報が表示されます。
- Facebookのシェア数(Facebook Shares)
- Facebookのいいね数(Facebook Likes)
- Facebookのコメント数(Facebook Comments)
- Twitterのツイート数(Twitter Count (Tweets))
- LinkedInのシェア数(Linkedin Shares)
- Deliciousのシェア数(Delicious Shares)
- Google+のシェア数(Google+)
ソーシャルカウント情報の特徴としては、Facebookについては、「シェア数」、「いいね!数」、「コメント数」に分けて数値を取得できることです。
海外のサービスなので、はてブ数の項目はありません。その代わり、海外でよく利用されている、LinkedInやDeliciousの数が表示されています。
なお、このソーシャルカウント情報は、トップページのものしか表示されません。
ページリソースの内訳
Page Resources Breakdownでは、ページ全体のサイズに対して、それぞれのリソースの内訳を見ることができます。
Simplicityトップページでは、画像を結構使っているので画像がかなりの割合を占めています。
トップページのリンク分析
Homepage Links Analysisでは、トップページの内部リンク数と外部リンク数が表示されます。
赤いグラフは、それぞれのリンクに対してのnofollow(フォローしない)リンクの数です。
ページタイトル&メタ情報
以下のように、ページタイトルとメタ情報をチェックすることができます。メタキーワードなどが設定されている場合は、それも表示されます。
ただ、これらはページのソースを見た方が手軽かもしれません。
トップページのタグ分析
Website Inpage Analysisでは、トップページで使用されているH1-6タグの数や、iframeの数、画像の数、アドセンスID、アナリティクスのトラフィックIDなどを見ることができます。
同じIP(同じ共有サーバー)のサイト
Websites Hosted on Same IPでは、同じ共有サーバに入っている同居人のサイトを見ることができます。
これが、結構便利な機能で、同じ共有サーバ内に多くのトラフィックを集めるサイトがないかチェックすることができます。同居人に強豪がいると、そのサーバーが重くなってしまうことなどがあります。
Simplicityサイトは、当サイト(nelog.jp)とエックスサーバーにてマルチサイト運営しているので、当然同じIPを利用しているので表示されています。
被リンク数の推移
Backlink History Chart from Majestic SEOでは、Majestic(被リンクチェッカー)をもとにした、その月の被リンク数の推移です。
Majesticで見ると、より詳細な情報を見ることができます。
Majesticでは、nofollowリンクでも被リンクとしてカウントしているようです。
被リンクのあるドメイン数の推移
Referring Domains Discovery Chart from Majestic SEOでは、Majestic(被リンクチェッカー)をもとにした、「月ごとの被リンクがあるドメイン数」を見ることができます。
Majesticで見ると、より詳細な情報を見ることができます。
被リンクドメインも、nofollowリンクをカウントしているようです。
HTTPヘッダー分析
HTTP Header Analysisでは、ヘッダ情報を見ることができます。
ページのステータスや、サーバーソフト、文字コード、圧縮方式、最終更新日などを知りたいときなどに。
同じランクのサイト
Similarly Ranked Websitesでは、Alexaランクをもとに、同ランクのサイトが表示されます。
当然、海外のサイトも併せての表示されるので、ちょっとピンとこないかもしれません。
Alexaトラフィックランク
Alexa Traffic Rankでは、Alexaのトラフィックランク履歴を見ることができます。
ただ、世界10万位以内の競合サイトしか、履歴は表示されません。
Alexaサーチエンジントラフィック
Alexa Search Engine Trafficでは、Alexaのサーチエンジントラフィック履歴を見ることができます。
ただ、こちらも同様に世界10万位以内の競合サイトしか、履歴は表示されません。
まとめ
Net Valuatorでは、このようにSimilarWebとはまた違ったデータを見ることができます。
個人的に便利な機能は以下です。
- サイト見積もり
- サーバー情報
- 同じIPサイト情報
- 被リンク数情報
サイト見積もりは、正確性にばらつきはありますが、「いろいろなものの価値を知りたい」という人間の本能をついた、1度は試してみたくなる面白い機能です。通常のアクセス解析もそれにあたると思いますが、やはり金額で出るというのは魅力的です。
その他のものは、個々の分析サイトを見れば詳しい情報を見ることができますが、これらの情報が一覧で表示されるのは、楽でよいです。