以前、ブログに説得力を持たせるために、統計を検索して利用する方法を書きました。
今回は、それよりも説得力があるというか、権威がある(と読み手に受け取られる)学術資料や、専門誌、論文専門の検索エンジンGoogle Scholarの紹介です。
Google Scholarで、引用元を探すことにより、より発言に説得力を持たせることができるかもしれません。
photo by Peyri Herrera
目次
Google Scholarとは
Google Scholarは、膨大な学術資料を簡単に検索できる検索エンジンです。
分野や発行元を問わず、学術出版社、専門学会、プレプリント管理機関、大学、およびその他の学術団体の学術専門誌、論文、書籍、要約、記事を検索することができます。
Google Scholarに行くと、まず目に飛び込んでくるのが以下の一文。
巨人の肩の上に立つ
巨人の肩の上に立つをWikiで調べると「先人の積み重ねた発見に基づいて何かを発見することを指す。」と書かれています。
これは、12世紀のフランスの哲学者、シャルル・ベナールが、「我々は巨人の肩に乗った小人のようなものだ。我々が巨人よりも遠くを見わたせるのは、われわれの目がいいからでも、体が大きいからでもない。大きな体のうえに乗っているからだ。」という趣旨のことを著書で述べたことに由来するといわれています。
ただ、自分などは、巨人の肩に乗っても、新たな発見などをできるものではありません。なので、今回は発見とか関係なく、「巨人さんがこうおっしゃっておられるから、こうなんだぞ!」と小人が虎の威をレンタルして、小さく叫ばしてもらうのに、Google Scholarを利用してみようということです。
Google Scholarを使ってみる
例えば、ブログで、アフィリエイトブログとスパムに関する発言を展開したかったとして、Google Scholarで検索すると以下のように表示されます。
すると、以下のような文献が見つかったりします。
論文抄録
近年,増え続けるスパムブログが問題となっている、スパムブログを作成する主な目的の1つとしてアフィリエイト収入を得ることがあげられる、
そこで本稿ではブログに含まれるアフィリエイトリンクに着目し,スパムブログを検知する手法を検討するための調査を行った、アフィリエイトリンクを持つ1,000件のブログに対して,ブログから各アフィリエイトプログラムへのリンクの数と種類の実態を調べ,アフィリエイトリンクのみに注目を行ったスパムブログ検知について考察した、
その結果,含まれているアフィリエイトリンクの数とリンク先のアフィリエイトサービスプロバイダの種類によってスパムブログの特徴を見出すことができた、
もしかしたら、当たり前のことが書かれているかもしれませんが、発言の根拠を(権威あると思われやすい)論文などにすることによって、より発言に説得力を持たせることができるかもしれません。
こんな感じで、興味をそそりそうなのも結構見つかります。
データの提示
その他にも、タバコの健康被害を訴える文章を書くにしても、文献などからデータを引用するなんて使い方も良いかもしれません。
たばこによる1995年の死亡数は,男女あわせて,先進国総計で191.5万人,日本では9.5万人であった、先進国総計では,1950〜2000年の50年間に男で5,200万人,女で1,050万人,合計6,250万人もの多くの人命がたばこのために失われたと推計された、
生活に身近なものも
例えば、ぽっちゃりが好きという事を言いたいだけでも、「なんだかわからんが、すごい説得力だ」と思う人が、何人かは増えるかもしれません。
若年女性のほとんどは普通の体型であり、やせる必要のないにもかかわらず、約7割のものがやせ願望を持っていた。また、体型を誤認識し実際の体型と矛盾したやせ願望を持つものが多かった。
若年女性のやせ願望の現状と体型に関する自覚及びダイエット経験の結果要約より(PDF)
まとめ
このように、Google Scholarを利用することで、手軽に文献の検索ができます。
ただ、利用してみて、以下のような難点もあります。
- 登録・購入しないと読めないものもある
- 当然ながらWEBに比べると情報量が少ない
- 文献は、プラス面を訴えるものよりも、マイナス面を訴えるものの方が多い(反対の主張を弱める使い方はできるかも)
と、このように、難点も結構あります。
ですので、WEBで検索する手軽さにはかないませんが、「何かを提案する時の最後のひと押しに、説得力が欲しい」なんてとき、文献を探すのに便利なツールになるかもしれません。