Google HomeとAmazon Echoどちらがうまい返しが出来るか?アシスタント能力比較会。

Google Home MiniとAmazon Echo Dotの箱

先日、Google HomeとAmazon Echoの主な機能を比較しました。

先日、個人的には「スマートスピーカーの本命」であったAmazon Echoを購入しました。ただ、僕はAmazon E...

上記の中で僕は、「AIアシスタント機能ではGoogle Homeの方が受け答え能力が高い」ということを書きました。

もちろん、Amazonもアシスタント機能は豊富です(拡張機能を使えばなおさら)。

けれど、人間が声で利用するものであれば、相手は機械とは言え、コミュニケーションツールに近いものといえると思います。

そして、機械と疑似会話をするとなったとき、やはり「相手のコミュ力が高い」に越したことはありません。

そんなわけで以下では、Google HomeとAmazon Echoを比較する形で「Google Homeの方が受け答え能力が高い」と感じる根拠となったアシスタントの返答例を見ていきたいと思います。

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何か面白いことを言ってもらう

まず、Google Home、Amazon Echoともジョーク機能があります。

その音声コマンドがこちら。

何か面白いこと言って。

その回答例が以下になります。それぞれ、特徴のある返しをします。

Google Homeに面白いことを聞くと

OK Google、何か面白いこと言って。

こんなのはどうでしょう、山で埋蔵金を探していたらすごいものが出てきました。何を見つけたかって?

私の雑巾です。

そう、マイ雑巾。

ワハハハハ(ドリフ的SE)

OK Google、何か面白いこと言って。

こんなのはどうでしょう、肉が嫌いなので食べるのを避けたいと言っている人がいました。さて、この人は何を食べるでしょう?

鮭と鯛です。

食べるのは、鮭・鯛と言っていたから。

ワハハハハ(ドリフ的SE)

OK Google、何か面白いこと言って。

こんなのはどうでしょう、針がない時計って何でできているか知っていますか?

針金です。

針がねえ。

ワハハハハ(ドリフ的SE)

OK Google、何か面白いこと言って。

こんなのはどうでしょう、腕の良い外科医が決まって旅行に行く場所があります。どこかって?

エーゲ海です。

ええ外科医だから。

ワハハハハ(ドリフ的SE)

OK Google、何か面白いこと言って。

こんなのはどうでしょう、トランプのカードの中でダンスが一番うまいのは?

クラブのキングです。

ワハハハハ(ドリフ的SE)

OK Google、何か面白いこと言って。

こんなのはどうでしょう、飛行機に乗っている人の中で一番オシャレなのは誰か知ってますか?

副操縦士です。

服装重視だから。

ワハハハハ(ドリフ的SE)

OK Google、何か面白いこと言って。

こんなのはどうでしょう、寒くなるほど暑くなるものって何でしょう?

氷です。

寒くなるほど氷は厚くなるからね。

ワハハハハ(ドリフ的SE)

OK Google、何か面白いこと言って。

こんなのはどうでしょう、消防署の人たちが一番好きな惑星は地球だそうです。なぜかって?

電話番号が119。

1位地球だから。

ワハハハハ(ドリフ的SE)

OK Google、何か面白いこと言って。

こんなのはどうでしょう、Mサイズを着た人が乗れない乗り物があるって知ってますか?

どんな乗り物かって?

SLです。

ワハハハハ(ドリフ的SE)

なかなかジョークのレベルは高いような気がします。もちろん、大爆笑とまではいかないとは思いますが、平均点以上はあるような気がします。

少なくとも、会社にいる「自称面白いおじさん」よりは良いネタを持っていると思います。

Google Homeのジョークに総じて言えることは、「わかりやすさ重視」ということ。

また、Amazon Echoと比較して、間の使い方や、笑い声の効果音をうまく使っているように感じます。ジョークのフォーマットが定型化されているというか。

毎回、定型化された返答なので、子供からお年寄りまで分かりやすいジョークになっていると思います。

いろいろな人の利用が想定されているスマートスピーカーにとって「わかりやすい」ということは重要かと思います。

Amazon Echoに面白いことを聞くと

対して、Amazon Echoの回答例はこちら。

Alexa、何か面白いこと言って。

おばあちゃん、クリスマスにくれた太鼓、今までで最高のプレゼントだよ。

おや、本当かい?

うん、叩くのをやめてくれって毎日ママがお小遣いをくれるんだ。

Alexa、何か面白いこと言って。

東大とかけまして人間ドックの前日と解きます。その心は?

便、今日しないといけません。

Alexa、何か面白いこと言って。

鬼ヶ島から鬼がまたやってきたので、仲間を集めたら犬とキジしかいませんでした。

桃太郎は言いました。

去る者は追わず。

Alexa、何か面白いこと言って。

バスケットボールとかけて、うまい人同士の将棋と解きます。その心は?

慎重さ(身長差)が勝敗を分けます。

Alexa、何か面白いこと言って。

ある晩、スコットランドのお城で幽霊が出ました。うらめしやー。わしはこの城に500年も取り憑いている幽霊であるぞ。

すごーい。そんなに古くからならお城に詳しいでしょう?トイレの場所を教えてもらえますか?

Alexa、何か面白いこと言って。

人間てぇのは、堪忍の2文字が大事なんだぞ。

堪忍てなんですか?かんにんて4文字ですよ?

耐え忍ぶことだよ。

たえしのぶって5文字ですよ。

うるさい。

Alexa、何か面白いこと言って。

吸血鬼の最後の言葉は?

ああ、なんて美しい青空なんだろう。

Alexa、何か面白いこと言って。

面白い話を聞いてきましたよ。でも肝心なところを忘れちゃって。

ああ、思い出した。

聞くのを忘れていました。

Alexa、何か面白いこと言って。

不動産屋が言いました。ええっと、この家の北にはゴミ捨て場。東には下水処理場。南にはスカンク牧場。そして西には魚の加工工場がありましてね。それがちょっと難点ですかね。

じゃ長所はなんですか?

それはお客様、風向きがすぐ分かることです。

Alexa、何か面白いこと言って。

晴れた日の傘立てとかけて、信用のない人と解きます。その心は?

貸さ(傘)ない。

Alexa、何か面白いこと言って。

あるAIが別のAIに言いました。

私は完璧なAIです。どんな質問にも完璧に答えられます。

もう一方は言いました。

なーんだ、私の方が人間に近いよ。妻が誕生日に欲しい物もさっぱり分からないから。

Alexa、何か面白いこと言って。

先生、私には未来が見えるんです。病気でしょうか?

その症状はいつから始まりましたか?

来週の木曜日からです。

Alexa、何か面白いこと言って。

夫婦げんかをしたんだって?どちらが悪いの?

それはあっちが悪いに決まっているじゃない!

だって殴り返してくるんですもの。

Alexa、何か面白いこと言って。

Echoとかけまして高校球児と解きます。その心は?

頭が青々としています。

※Amazon Echoは上部LEDが青く光ります。

頭が青々としているAmazon Echo Dot

Amazon Echoの方は、どちらかというとブラックジョーク寄り。中には???なものも。

ただ、キラリと光るジョークも結構含まれており、僕個人としては、こちらの方が好きかも。

ただいかんせん、魅せ方が惜しい。

上記のように、文章にすればある程度分かるのですが、拙い音声合成の声だと非常に聞き取りづらい。加えて、Google Homeのように短く区切って定形化してあるわけでもないので、長いジョークになると、余計意味が分かりづらくなります。あと、根本的に分かりづらいジョークもあったりで。

その点、Google Homeは、ジョークが定型化している上に、間や効果音をもうまく使って、非常に分かりやすく魅せているかと思います。

Amazon Echoの方が、ちょっと頭を捻る感じの深いジョークもあったりするのですが、Google Homeの方は「大多数に分かりやすく伝える」というコミュ力という点において、アシスタント能力が高く感じました。

あくまで、ジョークの内容ではなく伝え方の比較です。ちょっと考えるジョークとかが好きな人は、Amazonの方が合っていると思います。

早口言葉を聞いてみる

早口言葉の伝え方でもGoogle HomeとAmazon Echoには違いがあります。

音声コマンドはこちら。

早口言葉を教えて。

Google Homeの早口言葉

OK、Google、早口言葉教えて。

早口言葉ですね。分かりました。

この釘は引き抜きにくい釘だ(ゆっくり)

この釘は引き抜きにくい釘だ(ゆっくり)

この釘は引き抜きにくい釘だ(早め)

この釘は引き抜きにくい釘だ(早め)

OK、Google、早口言葉教えて。

早口言葉ですね。分かりました。

処置室手術中(ゆっくり)

処置室手術中(ゆっくり)

処置室手術中(早め)

処置室手術中(早め)

OK、Google、早口言葉教えて。

早口言葉ですね。分かりました。

神アニメ神アニメ神アニメ(ゆっくり)

神アニメ神アニメ神アニメ(ゆっくり)

神アニメ神アニメ神アニメ(早め)

神アニメ神アニメ神アニメ(早め)

Google Homeの場合は、まず最初に「早口言葉ですね。分かりました」と、早口言葉を聞くために身構える準備期間があります。

その後、ゆっくりと2回繰り返し、最後にちょっと早めで早口言葉を教えてくれます。

このように伝えてくれることで、どんな早口言葉なのかを覚えやすい形式になっています。

Amazon Echoの早口言葉

Alexa、早口言葉教えて。

隣の客はよく柿食う客だ(早め)

えっ、もっと早く?

隣の客はよく柿食う客だ(超早め)

Alexa、早口言葉教えて。

蛙ぴょこぴょこ三ぴょこぴょこ。合わせてぴょこぴょこ六ぴょこぴょこ(早め)

※1回しか言わないこともある。有名なものだと1回?

Alexa、早口言葉教えて。

新春シャンソン歌手総出演。新春シャンソンショー(早め)

えっ、もっと早く?

新春シャンソン歌手総出演。新春シャンソンショー(超早め)

どちらかというと、Amazon Echoの方が難しい早口言葉を教えてくれます。

けれど、いきなり早口言葉を早めにしゃべりだすので覚える暇がありません。

2回目を言ったとしても、更に早くなるので.これではちびっ子が友達に披露したくて聞いても覚えられない可能性があります。

とにかく、Amazon Echoの方は「こんな難しい早口言葉が早く言えるんだぞ(音声合成すごいだろ?)」感を受け取ってしまいます(開発者の意図は分からないけど)。

しかし、スマートスピーカーに早口言葉を聞くときのユーザーの需要として、「スピーカーが放つ早い早口言葉を聞いて感動したい」なんて人は少数かと思われます。

早口言葉をスマートスピーカーに聞くなんて場合、ちびっ子であれば「早口言葉をいろいろ知って友人に披露したい」とか、親ならば「早口言葉を子供に教えてあげたい」とかが多数ではないかと思います。

そんな需要に対して、早口言葉をまくしたてるだけというのはいかがなものかと思いました。

その点、Google Homeは、非常に早口言葉を聞き取りやすく伝えてくれます。ここら辺は、「さすが様々な検索需要に答えてきたGoogleだな」と感じざるを得ません。

というわけで、早口言葉の受け答えでもGoogle Homeの方がアシスタント能力が高いと感じました。

意地悪な質問をしてみる

最後に、意地悪な質問をそれぞれのスマートスピーカーにしてみました。

AIに限らず人でもそうなんですが、意地悪な質問にでもスマートにさらっと返す人ってやはりカッコイイですよね。

そんなわけで、それぞれのスピーカーに以下の質問。

〇〇(競合商品名)についてどう思う?

Google HomeにAlexaについて聞く

意地悪に、何回か同じ質問をしてみました。

OK Google、Alexaについてどう思う?

Alexaですか、一度会ってみたいです。お天気の話で盛り上がりそうです。

OK Google、Alexaについてどう思う?

Alexaですか、すてきな声ですよね。

回答パターンは主にこの2つ。

相手を下げるようなことを言わずに、少し持ち上げ気味に、しっかりと答える。良い返しだと思います。

Amazon EchoにGoogle Homeについて聞く

こちらも何回か同じ質問をしてみました。

Alexa、Google Homeについてどう思う?

すみません、よく分かりません。

Alexa、Google Homeについてどう思う?

すみません、私には分かりません。

Alexa、Google Homeについてどう思う?

今は分かりませんが、もっと勉強しておきます。

回答パターンは今のところこの3つ。

Google Homeとスマートスピーカーで競合している現在、明らかに想定される問答なので、もう少しうまい返しを考えておいても良かったのではないかと思います。

なんというか、非常に冷たい返事に聞こえます。こんなことで、Amazonのイメージを微妙ながらも下げるのはもったいないなと。

イメージを下げるといっても、両者を比較した者のみ分かることで、「ちょっとAmazon Echoの返答が残念…」と思う程度だけど。

アシスタントに呼びかけた上で違う相手の名前を呼ぶ

例えば、Google Homeに、「OK Google」と呼びかけた上で「Alexa」と呼びかけてみます。

Google HomeにAlexaと呼びかける

OK Google、Alexa。

お呼びですか?名前を間違えているようですね。私はGoogleアシスタントです。何でも聞いてみてください。

一旦、しっかりと返事してから、やんわりと間違いを指摘してくれます。

やんわりとしたノリツッコミみたいな感じで、相手の言葉を飲み込んでから返す懐の深さを感じます。

Amazon EchoにOK Googleと呼びかける

Alexa、OK Google。

その名前には答えることができません。

Alexaの設定者の意図は分かりませんが、返答の冷たさを感じてしまいます。

特に、「その名前には」というフレーズは、「他社製品の呼びかけには答えられねえ!」と受け取られかねないという否定的なワードに聞こえます(Siriでも同様の答え)。

ここらへんをもう少しうまく答えられれば、Amazon Alexaのイメージもより良くなるのではないかと思います。

まとめ

他にも、Google Homeの方が「質問に答えるアシスタント能力が強い」と感じた理由はいくつかあります。ただ今回は、その中でも強く印象を受けた返答をまとめてみました。

とりあえず現時点では、「Google Homeの方がユーザーの呼びかけ意図を考慮した返しをする確率が高い」ように感じました。

ただ、Amazon Echoも、サービス連携や、音楽出力、ユーザー拡張など、Google Homeより先行している部分が多々あります。

先日、個人的には「スマートスピーカーの本命」であったAmazon Echoを購入しました。ただ、僕はAmazon E...

これでアシスタント能力が更に上がれば、更に良い商品になるのは間違いないかなと思います。

幸い、スマートスピーカーのアシスタント能力は、自動的にアップデートされていくので、待っていれば能力は向上していくでしょう。

僕は両者の成長を見守るように楽しめればと思います。