Google Analyticsは、無料ながら非常に高機能なアクセス解析ツールです。
サイト運営者ならば、多くの人が利用していることでしょう。
けれど、サイトを運営を開始したばかりの人にとっては機能が豊富すぎて「どのレポートを見れば良いのかわからない」とか「見たい分析結果が何処にあるのかわからない」なんてことが多々あるかと思います。
なので以下では、サイト運営を始めたばかりの方向けに「とりあえずどのAnalyticsのどのレポートを見るべきか」をまとめてみたいと思います。
加えて、今回挙げる解析レポートは、ショートカット機能で手軽にアクセスできるようにしておけば、毎度毎度探す必要はありません。
目次
リアルタイム項目のレポート
「リアルタイムサマリー」は、「現在ユーザーがよく読んでいるページを分かりやすく知りたい」という場合は、必須の分析レポートでしょう。
最初のうち、アクティブユーザーは少ないかもしれませんが、ある程度増えてくると、暇な時に眺めているだけでも結構楽しかったりします。
サマリー(リアルタイムサマリー)
重要度 高
リアルタイムサマリーを見ることで、以下のようなことが分かります。
- 現在サイトにどのくらいの訪問者がいるか
- 現在サイトに訪問者を送ってくれた参照元リンク
- 現在のソーシャルからの流入数
- 現在検索から流入している訪問者の検索ワード
- 現在よく読まれているコンテンツ
- 現在の訪問者のアクセス地域(日本サイトの場合はあまり関係ないけど)
「流入検索ワード」などは、ただ眺めていても、「えっ、こんなキーワードで自分のサイトに流入してきているのか!」と何かの気づきになることもあります。
エラーチェックにも
あと、個人的にこのリアルタイムは、「サイトカスタマイズ後にサイトにエラーが出ていないか?」を判断するのにも使えます。
サイトをカスタマイズした後、いつもなら30人くらいいるアクティブユーザーが、突然0になったままになっている(もしくは明らかに少ない)なんて場合があるかもしれません。
そんな時は、カスタマイズなどのエラーにより、サイト上のページなどが表示されていない可能性があります。
僕は、サイトカスタマイズなどをアップデートしたあとは、当然ながらサイトの動作チェックは必ずします。
しかしそれに加えて、「Analyticsのリアルタイムサマリーで急激にアクティブユーザーが減っていないか?」もチェックしてカスタマイズが正常適用されているかもチェックしています。
レポートを見るには
「リアルタイムサマリー」を見るには、「リアルタイム」項目にある「サマリー」を選択します。
コンテンツ(リアルタイムコンテンツ)
重要度 低
「リアルタイム」項目の「コンテンツ」を表示すると、「現在アクティブユーザーがどういったページを多く読んでいるか?」が分かります。
これは、通常の「リアルタイムサマリー」にて「上位のアクティブページ」を見ることででも大体のことは分かります。
ただ、「表示されているのはページのURLなので、どういった投稿内容か想像できない」なんて場合は、「リアルタイムコンテンツ」もチェックした方が良いかもしれません。
以下のようにタイトルと合わせて表示されるので、「現在どのページが読まれているか?」が、より分かりやすくなります。
レポートを見るには
「リアルタイムコンテンツ」を見るには、「リアルタイム」項目の「コンテンツ」を選択します。
ユーザー項目のレポート
ユーザー項目内では、「ユーザーサマリー」での分析は必須でしょう。
ユーザーサマリー
重要度 高
サイトへのアクセスの推移を見ることで、「サイトが成長しているか?」、「行った施策は成功しているか?」その他もろもろのことが分かります。
このレポートを見るのは基本中の基本です。
集計期間などを設定すれば、サイト開設当初から現在までの推移などを見ることができます。
これにより、「この時は、これがだめだったから、このようにした」などのトライ&エラーの歴史も振り返ることができ、見ることは非常にためになります。
Googleアナリティクスでは、かなり利用頻度の高いレポートだと思います。
レポートを見るには
「ユーザーサマリー」を見るには、「ユーザー」項目の「サマリー」を選択します。
ユーザーの環境 ブラウザと OS
重要度 低
これは、あまり使用頻度も高くはないですが、「自分のサイトへ来る訪問者がどういったブラウザから多く来る」くらいはたまに把握しておくと良いかもしれません。
サイト表示などは、ブラウザによって表示が崩れることがありますが、「このブラウザからの訪問者は全体の0.1%にも満たないのか。なら対応しなくていいや」と判断する上での判断材料になるかと思います。
レポートを見るには
「ユーザー」項目から、「ユーザーの環境→ブラウザとOS」を参照することで見ることができます。
モバイル サマリー&デバイス
現在、モバイルからのサイトへの流入が年々多くなってきています。「自分のサイト閲覧者のモバイル率」や「モバイル利用端末」などを知っておくことは、サイトの運営戦略上重要かもしれません。
モバイルサマリー
重要度 中
とりあえずは、自分のサイトの「デスクトップユーザー率」、「モバイルユーザー率」、「タブレットユーザー率」くらいは把握しておいた方が良いかもしれません。
現在では、モバイルからのアクセス数が8割と言うサイトも珍しくありません。
そういったモバイルユーザーが多いサイトで、パソコンに特化したサイトデザインをしていても効果はありません。モバイルユーザーが圧倒的に多いサイトでは、モバイルに特化したデザインを採用した方が、成果が上がる可能性があります。
そういったことをモバイルサマリーレポートで判断できます。
レポートを見るには
「モバイルサマリー」を表示させるには、「ユーザー」項目にある「モバイル→サマリー」を選択してください。
モバイルデバイス
重要度 低
自分のサイトに、どういったモバイル端末でアクセスがあるかを把握しておくのも良いと思います。
例えば上記のデータの例だと、モバイルユーザーでのiPhone使用率が約46%ということが分かります。もし、iPhone訪問ユーザーの多いサイトで、iPhone関連の記事を書くと、よりアクセスアップが望めるかもしれません。
レポートを見るには
「モバイルデバイス」を表示させるには、「ユーザー」項目にある「モバイル→デバイス」を選択してください。
集客項目のレポート
集客では、「どういった手段でサイトに流入があるか」などが分かります。
できれば、参照元や、参照メディア、参照サイトを知っておいて流入元の特徴を掴みましょう。
参照元/メディア
重要度 中
自分のサイトへの流入元が、どういったサイト(メディア)から訪れているかの割合を知ることができます。
これだけSNSがよく利用されている昨今でも、よほど有名人でない限り、「SNSからの流入が一番多い」という方はかなり少ないと思います。無名でもアクセスを伸ばすには、良い記事を量産して検索流入を増やすというのが、大変な道のりではありますが王道かと思います。
できれば検索エンジンからの流入は、7割~8割は欲しいところです。
レポートを見るには
「参照元/メディア」を表示させるには、「集客」項目にある「参照元/メディア」を選択してください。
参照サイト
重要度 中
参照サイトは、「どういったサイト(ドメイン)に貼られているリンクから、自分のサイトに訪問者が訪れているか」を知ることができます。
これにより、「自分のサイトがどういった紹介をされているのか」を知ることができ、「こういった記事を書けば、こういった紹介の仕方をされるのね」というように良い参考になります。
また、被リンク元の記事などは、自分が書いた記事との親和性が高いので、それを読むことによって新たな発見などもあるかもしれません。
レポートを見るには
「参照サイト」を表示させるには、「集客」項目にある「すべてのトラフィック→参照元/メディア」を選択してください。
行動項目のレポート
サイト訪問者が、サイト上でどのような行動を取っているかを分析できる項目です。
ただ、慣れないうちは、読まれているページを知ることができる「サイトのコンテンツ」と、サイトの不備を発見しやすくなる「サイトの速度」だけ登録しておけば十分なような気がします。
サイトのコンテンツ
重要度 高
サイトのコンテンツは、「自サイト内の集客力」がある記事を手軽に知ることができます。
ですので、「ああ、こういった記事が必要とされているのか。なら、別の角度から掘り下げた時も書いてみようか。」といったような、新しい記事を書くヒントにもなったりします。
レポートを見るには
「サイトのコンテンツ」を表示させるには、「行動」項目にある「サイトコンテンツ→すべてのページ」を選択してください。
サイトの速度
重要度 中
サイトの速度を見ることによって、「現在サーバー上で読み込みに負荷がかかっている処理はないか」などを知ることができ、あまりにも平均と乖離したサイト外であれば、「サーバー上で何か負荷(もしくは時間)がかかる処理が行われているのではないか?」ということを知ることができます。
あと、サーバーからアクセス制限などがかけられていると、この「サイトの速度」で読み込み時間が増える傾向にあり、サーバーの状態を知る1つの目安として利用することができます。
特に、「サーバーの平均応答時間(秒)」が長ければ長いほど、サーバーサイドスクリプト(PHPやPerl、Rubyなど)によるCPU負荷がサーバーにかかっていることになります。
どのくらいの平均応答時間まで許容されるのかは、サーバーによりけりだと思いますが、「サーバーの平均応答時間」が急激に上がるようであれば、「カスタマイズした処理の見直し」や、「利用プラグインの見直し」、「ページキャッシュプラグイン使用の検討」などを行う必要があるかもしれません。
レポートを見るには
「サイトの速度」を表示させるには、「行動」項目にある「サイトの速度→サマリー」を選択してください。
まとめ
サイト運営を始めたばかりであれば、最初はこのくらいを押さえておくだけでも十分かと思います。
もし、全てを覚えるのが面倒であれば、重要度の高いものだけでも利用しておくと良いと思います(全く分析作業をしないよりは)。
もちろん、今回紹介した以外にも、非常に重要な分析レポートは多々あります。ただ、それを利用するには、サービスの関連付けを行ったり、コードなどをサイトに記載する必要があったりするものです。
ですので、サイト運営を始めたばかりの方に、ちょっとハードルが高そうなものは、全て省いてあります。なので、「最初からガチ分析したい」なんて方は、書籍などを購入した方が良いかもしれません。
今回いくつか紹介した、分析レポート項目は、Analyticsのショートカット機能で、より手軽にアクセスできるようにもなります。ですので、以下の方法などで、「よく見る分析レポート」をショートカット機能で登録しておくことをおすすめします。