最近、Firefoxが29.0にアップデートしました。
そのせいで、ちょっと使いにくいと思っているのは僕だけじゃないはず。
それは、「Firefox 29.0」以降のインターフェースを前の外観に戻す方法へのアクセスが多いことからもわかります。ただ29.0で外観を戻しても、アドレスバー周りのボタン配置は変えることが出来なかったり、戻せないところは戻せないようです。
僕も新しいインターフェースに慣れようと思い、しばらくは使ってみたんですが、ちょっと馴染めませんでした。というよりも、今までただでさえ不安定だったFirefoxに、29.0からの仕様変更で、ちょっと嫌気がさしてしまったという表現が正しいかも。そんな時に「Cyberfoxというのがいいらしい」というのをネットで目にしました。
そのあと実際に使ってみたら本当に良さそうだったので乗り換えてみることにしました。で、数日使ってみたんですが、本当に今までの不満が解消する良い派生ブラウザでした。以下で、そのよかった理由と移行方法について紹介したいと思います。
photo by .CK
目次
Cyberfoxとは?
Cyberfoxとは簡単に言ってしまえば、Firefoxの派生ブラウザです。
Firefoxのソースコードを改造しコンパイルしています。他の派生ブラウザと違うところは、Microsoft Visual Studio 2012にてコンパイルし、Vista SDKの代わりにWindows 8 SDKを採用しているところ。
僕はこれまでに、Firefox→Pale Moon→Waterfox→lawlietfoxといろいろ使ってきたけど、Cyberfoxが一番使いやすく感じます。
何がよかったかというと、かなり安定しているということ。これオンリーです。Firefoxは、使い勝手も良く、機能的なアドオンが豊富で、自分にあったアドオンを見つけてカスタマイズを駆使すれば、操作性もさらに向上する、文句のつけようのないブラウザだと僕は思っています。ただ、ある1点を除いては。
その1点というのが、ブラウザの不安定さです。ブラウザ起動時は、かなりサクサク動くのですが、タブを何個も開いていたり、長時間起動していたりすると、途端にパフォーマンスが落ちます。具体的に言うと、スクロールがカクカクしたり、タブがなかなか切り替わらなかったり、全体の動作がもっさりになったり、しまいには勝手にブラウザが落ちてしまうなんてことも。
けれど、Cyberfoxを、ここ数日使ってみた限りではかなり安定しているように感じました。それが、コンパイル環境が違うという要因からなのかは、僕にはわかりませんが、メモリ関係にかなり気を配っているブラウザではあると思います。
その根拠として、Firefoxでは、アドレスバーに「about:memory」と入力すればこんな感じでメモリ状態を見ることができます。
普通のFirefoxならば、「Measure」を押してメモリ状態を表示させたら、ずっとそのままだけど、Cyberfoxの場合は、しばらく経つと以下のように「Memory minimization completed」と出ます。
どうやら、一定期間をおきにメモリの最小化作業を行っているようです。作業間隔を測ってみたら1分ごとにメモリの解放を行っています。他に3つくらい派生ブラウザをみましたが、(アドオン抜きの)ブラウザ側でメモリを定期的に解放しているものはありませんでした。
これだけでも、かなりCyberfoxがメモリに気を使っていることがわかります。こういった開発陣が開発しているので、もしかしたら安定したブラウザになっているのかもしれません。(ただ、いくら安定しているといっても、タブをガバガバ開いたり、何日も起動していたりするとパフォーマンスが落ちます。)
けれども、これまで使ったFirefox系ブラウザの中では、1番のできだったので、今使っているFirefox派生ブラウザから移行することにしました。以下に初期環境の構築方法を残したいと思います。
Cyberfoxのインストール
というわけで、これからしばらく利用するだろうCyberfoxの初期設定方法を残しておこうと思います。
とりあえず、今現在Firefoxを使っている人もいると思うので、競合しないためにもポータブル版(64bit)の設定方法です。僕は、インストール版、ポータブル版両方使ってみましたが、やはりポータブル版の方が使いやすく感じます。環境移行もしやすいですし(ほぼコピペで他環境でも使える)。
ということでCyberfoxポータブル版のインストール方法です。
まずは、Cyberfox Portable Editionからポータブル版をダウンロードします。
インストーラを起動し、インストール先が出てきたら目的の場所を選択します。
インストールが完了して起動すると、インタフェースはこんな感じ。
こんな感じに、メニューバー、アドオンバーを戻したり、ボタン位置を自由にカスタマイズすることもできますよ。
追記(2014/6):
Cyberfoxも29.0から、Firefox29.0以降と同様の仕様に変わりました。見た目を28以前に戻すには、メニューの「Custamize Cyberfox」から外観をカスタマイズする必要があります。
Cyberfoxの日本語化
インストール直後の状態だと、まだメニューなどは英語です。日本語環境で使いたい場合は、日本語化する必要があります。
日本語化するには、まずLanguage Packs at SourceForge.netから、日本語の言語パック「ja.xpi」ファイルをインストールしなければなりません。
「ja.xpi」ファイルをクリックし
「Allow」をクリック。
言語パックのインストール画面が表示されるので、「Install Now」をクリック。
ただし、これだけでは日本語化されません。
Cyberfoxメニューから、「Options→About:Config」を選択してください。Cyberfoxはこういうのがメニューからできるのも珍しいです。
動作保証外の警告が出るけど、慎重を期すということで「I’ll be careful, I promise!」をクリック。
まずは検索ボックスで「general.useragent.locale」と検索。1つだけ表示される項目をダブルクリックし、入力値を「en-US」→「ja-JP」に変更します。
もう一度検索ボックスで「intl.accept_languages」と検索。入力値を「en-us, en」→「ja, en-us, en」に変更します。
あとは、再起動するとCyberfoxが日本語化されています。
その他の設定
その他もろもろの設定です。ここら辺は個人の好みです。
外観の変更
僕の場合は、Cyberfoxメニューから、「オプション→アドオンバー」と、「オプション→メニューバー」を表示させて使っています。こっちのが、視覚的にも慣れているので使いやすくて。
アドオンのインストール
アドオンの好みは人それぞれなのでAdd-ons for Firefoxから探してインストールします。
僕の場合は、以下のアドオンをインストールしています。
ブログ補助としてMake Linkの設定を移行するには、以下の方法を使用しています。
Cyberfox Portableをデフォルトのブラウザにする
Cyberfox Portableをデフォルトのブラウザにするには、「ツール→オプション→詳細→規定ブラウザ」の「Cyberfoxを規定のブラウザに設定する」ボタンを押せばOKです。
ただポータブル版なんで、僕の2台の環境では、それでうまくいった場合と、いかなかった場合がありました。
うまくいかない場合は「コントロールパネル→プログラム→既定のプログラム→既定のプログラムを設定する」から、Cyberfoxを選んで
- 全ての項目に対し、既定のプログラムとして設定する
- 規定でこのプログラムで開く項目を選択する
のどちらかを設定します。1の場合は、ブラウザで開くようなファイルとプロトコルが全てCyberfoxで開かれます。
2の「規定でこのプログラムで開く項目を選択する」にすると、Cyberfoxで開くもののみファイルやプロトコルを選択できます。
これでも、既定のブラウザに設定できない場合は、以下のページの方法なども試してみてください。
まとめ
Cyberfoxは、以前のFirefoxブラウザのもっさり感に不満を抱いていたユーザーにはもってこいの派生ブラウザだと思います。
そりゃ、無茶な使い方をすれば、レスポンスが悪くなってしまうこともあります。けれど、その頻度はかなり減ったような気がします。僕個人の感想としては、久しぶりにこんなに長時間働かしてもキビキビ動くFirefoxを見たといった感じです。
もしCyberfoxを使っても、環境が安定しないようであれば、そこで初めて他ブラウザベースのものへ移るのも遅くないと思います。
これからしばらく僕は、以下の布陣で挑みたいと思います。
- メイン→Cyberfox
- サブ→Google Chrome
- 上記2つのブラウザで不具合が出るサイト用→Opera
どのブラウザも、それぞれ良いところがあって面白いです。それに、ブラウザいじりは何だか楽しいです。普段最も使う道具(アプリケーション)だからなのかもしれません。