前回、e-Tax申告を行う上での前準備となる「電子証明書の発行」まで行いました。
これでようやくe-Taxで確定申告を行う準備が整いました。
あとは、確定申告(控除申告)データを「国税庁のe-Taxツール」で作成し提出するだけです。ようやくここからが本番といった感じ。
目次
確定申告データ作成・提出の主な手順
会社員向けの確定申告書類を作成し、提出する主な手順はこちら。
- ICカードリーダーとマイナンバーのセット
- e-Taxツールで確定申告書類の作成
- e-Taxで確定申告データの提出
- 確定申告データ送信結果の確認
確定申告書類の作成で行うことといえば、会社からもらった「源泉徴収票の値を入力」して、あとは「各種控除項目を入力」するといった感じです。
ICカードリーダーとマイナンバーのセット
まずは、パソコンにICカードリーダーを接続して、マイナンバーカードをセットしてください。
マイナンバーカードの作成方法はこちら。
ICカードリーダーのセットアップ方法はこちらです。
e-Taxツールで確定申告書類の作成
次に、会社からもらっている「源泉徴収票」の値から、e-Taxツールで確定申告書類を作成します。
データの作成開始
まずは国税庁の確定申告書等作成コーナーを開いて「作成開始」を選択してください。
WindowsであればInternet Explorer11(IE11)。MacであればSafariブラウザで開いてください。
昨年の保存データ(.data形式)がある場合は
昨年のデータがある場合は、「保存データを利用して作成」を選択してください。
この機能を利用すると「昨年作成した申告データ」を取り込んで、「申告年との違い」を入力するだけで「本年の申告データ」を作成できます。
昨年のデータを使用することにより、住所氏名やマイナンバーカード等の変わらない情報は、再度入力する必要がなくなるので余計な手間を省けます。
提出方法の選択
次に税務署への提出方法を選択します。
今回はマイナンバーカードを利用した方法となるので「e-Taxで提出(マイナンバーカード方式)」を選択します。
その他の提出方法
「マイナンバーカード方式」以外にも、e-Taxツールを用いてデータを作成する方法はあります。
ただし、それぞれ以下のような難点はあります。
- ID・パスワード方式:事前に税務署への申請が必要(申請方法の詳細)
- 印刷して提出:電子申告ではない。書類を印刷して税務署へ提出する必要がある。
マイナンバーカードを持っているのであれば、「マイナンバーカード方式」が最も簡単だと思います。
動作環境確認
すると事前準備に問題がない場合は、以下のようなメッセージが表示されます。
最新の事前準備セットアップが正常に適用されています。
動作推奨環境はこちら。
問題なければ「利用規約に同意して次へ」ボタンを押してください。
マイナンバーカードの読み取り
「マイナンバーカードの読み取り」ボタンを押してください。
すると、以下のようなダイアログが表示されるので「マイナンバー作成時に設定した4桁のパスワード」を入力してログインを行います。
ログインがうまくいったら「検索完了」と表示されるので「OK」ボタンを押してください。
事前確認
すると以下のような登録情報が表示されるので、間違いないか確認します。
間違いがある場合は「訂正・変更」ボタンから修正してください。
問題ない場合は、「申告書等を作成する」ボタンを押してください。
申告書の選択
作成する「年」と「申告書」を選択してください。
今回は会社員の確定申告(控除申告)なので「所得税」を選択します。
次の画面で「給与・年金の方」の「作成開始」ボタンを選択します。
以下のケースに当てはまる場合は「給与・年金の方」を選択します。
- サラリーマンで、医療費控除や寄附金控除、住宅ローン控除等を受ける方
- 所得が年金(国民年金、企業年金、個人年金等)のみの方
- 所得が給与と年金のみの方
申告書を作成する前に準備するもの
事前準備の確認項目が表示されるので目を通します。
会社員の給与のみから申告書作成する場合、以下のものを用意しておく必要があります。
所得に関する書類
- 給与所得の源泉徴収票
- 公的年金等の源泉徴収票
- 保険会社から送付される個人年金の支払調書、年金支払証明書 など
所得控除に関する書類
- 医療費の領収書
- 生命保険料控除証明書
- 寄附した団体などから交付を受けた寄附金の受領証 など
注意点
給与・年金所得以外の「所得(事業、不動産、配当など)」がある方は、画面を戻って「左記以外の所得のある方」から作成してください。
提出方法の選択
提出方法と生年月日を入力して「次へ」ボタンを押します。
所得の種類選択
所得の種類は、今回「会社員の確定申告」なので「給与のみ」を選択して「次へ」ボタンを押します。
給与所得の内容等選択
給与所得の内容を選択します。
これは「給与支払い者が1箇所であるか?」の選択と、「年末調整済みであるかどうか?」の選択になります。
適用を受ける控除の選択
適用を受けるつもりの「控除」を選択します。
僕の場合は「医療費控除」と「寄付金(ふるさと納税)控除」を受けるつもりだったので、以下のように選択しました。
ふるさと納税の「ワンストップ特例の適用に関する申請書」を提出された方が確定申告を行う場合には、ワンストップ特例の適用を受けることができません。
確定申告を行う際に、全てのふるさと納税の金額を寄附金控除額の計算に含める必要がありますのでご注意ください。
源泉徴収票の入力
次に、会社からもらった「源泉徴収票」からデータを入力します。
「入力する」ボタンを押してください。
源泉徴収票とは会社からもらえるこんな感じの書類です。
e-Taxツールの案内に従って、源泉徴収票の値を入力します。
源泉徴収票の値を入力した後は、以下のように一覧で表示されるので内容を確認後、「次へ進む」ボタンを押してください。
収入・所得金額の入力
収入・所得金額画面が表示されるので、問題なければ「入力終了(次へ)」ボタンを押してください。
所得控除の入力
所得控除の入力画面が表示されるので、必要な項目の「入力する」ボタンを押して値を入力します。
寄付金入力の例
以下では「寄付金控除」の「入力する」ボタン押した際の入力例を紹介しておきます。
寄付金の入力画面が出たら、もう一度「入力する」ボタンから入力します。
以下のような入力画面が表示されるので、詳細を入力していきます。
ふるさと納税などを入力した場合は、以下のように一覧で表示されます。
全ての寄付金の入力を終えると以下のような計算結果が表示されます。
以下のように入力をすべて終えたら「次へ」ボタンを押してください。
計算結果の表示
入力を終えると、還付金額等が表示されるので確認し「次へ」ボタンを押してください。
住民税等に関する事項の入力
住民税に関して当てはまるものがあれば、入力して「次へ」ボタンを押します。
還付金額の確認
給与や控除の入力をすべて終えると、還付金額が表示されます。
受け取り方法の選択
還付金を受け取るための銀行・ゆうちょ口座情報を入力します。
住所・氏名・税務署情報の入力
案内に従って住所氏名等を入力します。
マイナンバー情報の入力
マイナンバーの入力画面が表示されるので入力します。
データの保存
ここまで入力を終えたら、以下のようなボタンから必ずデータを保存しておいてください。
.data型式のファイルが保存されます。
e-Taxで確定申告データの提出
ここまで来たら、あとは電子申告でデータを提出するだけです。
帳票の確認
確認したい帳票にチェック入れて「帳票表示・印刷」ボタンを押してください。
PDFファイルがダウンロードされるので、中身を確認します。
内容に問題がなければ「次へ進む」ボタンを押してください。
あとは手続きを進めて、電子申告を行えばOKです。
マイナンバーカードで電子申告をする場合
マイナンバーカードで申告する場合は、以下のような確認画面が表示されます。
マイナンバーカードが「ICカードリーダー」にセットされているか確認します。問題なければ「送信」ボタンを押してください
ログインダイアログが表示されるので「利用者証明用パスワード」を入力して「OK」ボタンを押してください。
問題なく電子申告が行われれば、以下のような画面が表示されるので「受付結果確認」ボタンを押してください。
以下のような「受付結果の確認」画面が表示されれば、電子申告は完了です。
帳票の印刷
電子申告を終えたら、以下のような帳票を選択してください。
「帳票表示・印刷」ボタンをホストPDFがダウンロードされるので、印刷します。
PDFファイルの一枚目「申告書等送信票(兼送付書)」がこちら。
必要なものは上記の一枚目だけです。それ以外は「確定申告内容の控え」として保存しておいてください。
一枚目は、必要な「別途提出書類」の案内もあります。僕の場合は、医療費控除を受けるので「医療費控除の明細書(自分でまとめたものでOK)」を提出する必要がありました。
別途提出書類がある場合は、以下を同封して税務署に郵送します。
- 申告書等送信票(兼送付書)
- 別途提出書類(今回は医療費明細)
郵送先は「申告書等送信票(兼送付書)」の右下部分に住所の記載があるので、この部分を切り取って封筒に貼り付けて送付すればOKです。
別途提出書類がある場合は、書類を税務署に提出すればe-Taxによる確定申告は終了です。
確定申告データ送信結果の確認
e-Taxへの申告は上記終了です。
しかし、税務署職員と対面していないので、
ちゃんと申告されたのかな?
と思われる方もおられると思います。実際僕も、もう何度も電子申告をしているのですが心配になります。
そういった場合、申告状態を確認する方法もあります。
申告を確認するにはe-Taxサイト開いて「メッセージボックス」を開きます。
「マイナンバーカード」か「利用者識別番号」でログインします。
「メッセージボックス一覧」から「確認画面へ」ボタンを押します。
受信メッセージの一覧が表示されるので「所得税及び復興特別所得税申告」と書かれた手続き名を選択します。
以下のようなメールが届いていれば、電子申告は受け付けられています。
まとめ
冒頭でも書きましたが、去年まで個人事業主だったんですが、今年から会社員として申告することになりました。
個人事業主時代は、支出と収入を細かく仕分けして計算等する必要があり結構面倒でした。
けれど会社員になると源泉徴収票から数値を取り出して入力し、控除金額の入力をすれば良いだけなので、「個人の確定申告(控除申告)」はかなり楽になりました。
来年も基本的に今回の手順をなぞって行えばいいだけです。
来年から、電子申告だけなら30分くらいでできそうな感じです(※僕の場合それ以外に、医療費控除があるので明細を作成するのに多少時間は要する)。
とりあえずe-Taxを使うことで、1月の初旬に面倒事を終わらせることが出来るのはありがたい。