先日、大腸ガンの節目検診の案内が届きました。
時を同じくして、学生時代の友人が大腸ガンでなくなったということもあり、「これは検査を受けなくては」という思いが強くなりました。
と言うのも、僕はあまり健康的な生活を送っておらず、前々から心配だったというのもあります。
加えて、排便時に時々出血もしているので、主治医にお願いしてクリニックで大腸カメラ検査を受けさせていただくことにしました。
それで数日前に大腸検査を受けてきたので、その事前準備から大腸カメラによるチェックまでの体験について書きたいと思います。
目次
主な流れ
とりあえず、大腸カメラ検診を受けるに当たって、近所のクリニック(開業医院)の看護師さんに、下のような案内書をもらいました。
大腸検査の主な流れを簡単に説明すると以下のような感じです。
大まかな流れとしてはこんな感じです。
流れとして書くと、たったこれだけなんですが、思っていた以上にしんどい検査でした。
僕は、大腸検査といえば、その日だけ下剤を飲んで腸を空にすれば良いと思っていました。けれど、しっかりと行うには、前々日からキッチリ事前準備する必要がありました。
以下で、それぞれについて詳しく書きたいと思います。
検査前々日準備
個人的に、大腸検査といえば、内視鏡検査当日だけ下剤を飲めば良いと思っていました。
まさか、厳密に行うには検査2日前から、準備する必要があるとは…。
ただ、前々日にやることといっても、寝る前に下剤を2錠飲むだけではありますが。
前々日の夜、服用する下剤はセンノシドといって、こんな感じの糖衣錠です。
同様の効果を持つ市販薬で言えば、コーラックみたいな下剤です。
とりあえず、検査前々日はセンノシド2錠を飲んで就寝しました(当然次の日排便)。
検査前日準備
検査前日あたりから、もう少し辛い内容になってきます。
というのも、「大腸内視鏡用検査食」を食べて、「腸の中に食品残渣物が残らない食事」を丸々一日する必要があるからです。軽い断食みたいなもんです。
僕が実際に食したのは、ダルムスペースという大腸内視鏡用検査食です。
このダルムスペースは、ハウス食品から出ているレトルトの検査食です。
中に入っているものを全部出すとこんな感じです。
セット内容としてはこんな感じ。
質素です。とにかくお粥主体の粗食となっています。
実際、検査食全てを摂取しても、1173kcalとかなりカロリーを抑えた食事になっています。
一般的に成人が一日に必要なカロリーは1800kcal~2200kcalと言われています。
それと比較しても、1173kcalというのはかなり少ないです。ですので当然腹が減って辛いです。
朝食
朝食は、「和風がゆ」と「みそ汁」です。合わせて219kcalの食事です。
できた状態はこんな感じ。
和風がゆは7分粥といった感じ。朝からこれでは物足りないです。ハウス食品が作っているだけあって、味自体は思っていた以上に美味しかったです。
昼食
昼は「中華がゆ」と「すまし汁」で、207.8kcalの食事です。
実際に作ると、こんな感じになります。
写真を見てもらえると分かると思うんですけど、どんどん固形物が少なくなっていきます。中華がゆは五分粥といった感じ。
僕は元々小食なんですが、流石にこれだけ少ないと、かなりキツイものがありました。
夕食
夕食となると「コーンポタージュ」のみになってしまいます。カロリーは256kcalです。
実際のスープがこちら。
もうここまでくると、固形物は完全に無くなります。一応夕食ということなので、朝昼夕食の中では最もカロリーは高いですが、物足りないのは言うまでもありません。
味は結構美味しかったです。
間食
朝昼夕食合わせても、682.8kcalと少ないので、「空腹に耐えきれなくなった時用」に一応間食も用意してあります。
間食は、朝食~夕食の間で、腹が減ってどうしようもなくなったときに、食します。
間食には、以下のものがありました。
- ソフトクッキー(ココア味)
- 粉末飲料(オレンジ、リンゴ)
ソフトクッキー(ココア味)
ソフトクッキーは、全部で199kcalです。
中には、以下のような袋が2つ入っています。
一袋の中には、以下のようなカロリーメイトみたいなソフトクッキーが2つ入っています。
ですので、全部で4つのソフトクッキーがあることになります。
このソフトクッキーには、かなり空腹感を満たしてくれました。味も、カロリーメイトのチョコレート味よりも濃くて美味しかったです(空腹だったからというのもあるかも)。
今回の検査食は、基本的にどれも(検査食にしては)美味しいのですが、その中で、一番美味しく満足度が高いのは、このソフトクッキーでした。
僕はこのソフトクッキーを、3時のおやつに2個、夕食前の6時頃に2個食べました。
粉末飲料(オレンジ、リンゴ)
あとは、「腹が減った時用の飲み物」として粉末のアップルジュース(145kcal)と、オレンジジュース(146kcal)が付いていました。
この飲み物は、非常に甘くて美味しく感じました。粉末飲料ながら、買ってきたジュースのように普通に美味しかったです(空腹だったからかも)。
僕の場合、この粉末飲料も昼食~夕食の間の空腹時に作って飲みました。
それでも空腹になったらどうすればよいのか?
いくら、間食などがあっても、全体としてのカロリーが1200kcalに満たないので、普通の成人であれば腹が減ると思います。
そんな「検査食を食べても腹が減ってしまったときはどうすればよいのか問題」については、検査食のQ&Aには以下のように書かれていました。
Q.空腹に耐えられない時にはどうしたらよいですか?
A.ダルムスペースリッチⅢに入っている間食で空腹感を補えないようなときには、透明なあめ玉、水やお茶、砂糖湯、清涼飲料水(透明なジュース、サイダー)などをお召し上がりください。
僕は、これを読んで事前準備として「ハチミツのど飴」、「カンロ飴」、「三ツ矢サイダー」を購入しておき、空腹時はこれらを食して空腹に耐えました。
その他の検査食に関するQ&Aも、以下に掲載しておきます。
寝る前に下剤を2錠飲んで寝る
で、検査前日も下剤(センノシド)を2錠飲んで就寝しました。
検査当日準備
検査当日は、朝早く起きて、検査の2、3時間前からまた違った下剤(ニフレック)を飲む必要があります。
検査当日に飲む下剤は、ニフレックといって、こんな感じのパッケージです。
パッケージを開けると、以下のような袋の中に白い粉が入っています。
正式名称は「経口腸管洗浄剤ニフレック配合内用剤」という、おどろおどろしい名前がついています。
この下剤は、名前が表す通り「口から飲んで腸内を洗浄する薬」となっています。ですので、家で行う場合は自分で水を入れて作成する必要があります。
作り方は、以下の通りで2リットルの水で溶かして作ります。
水に溶かすと、以下のような無色透明の液体になります。
これを、口から飲み込んで腸内を洗い流します。目安としては、1時間に1リットル、2時間かけて飲む感じです。
この、ニフレックを飲むのが、結構な苦行でした。
とにかく日常生活でも、2時間に2リットルの水を飲むことってあまりないと思います。
それに加えて、ニフレックは下剤なだけあって、味もあまり美味しいとは言えません。味を例えるなら、「不味いスポーツドリンクをさらに不味くした飲み物」とでも言いましょうか。
決して、進んで飲みたい飲み物ではありません。その「不味い飲み物」を2時間で飲み切る必要があるので軽い罰ゲームみたいなものです。しかも、下剤なので「体が飲むのを拒否している感覚」さえ付きまといます。
ニフレックを飲んで1時間ほどすると、大抵の人は便意がきて、トイレに駆け込む仕様になっているようです。
ニフレックを全て飲み終えて、排便を終えると、「便カスがなくなって、無色もしくは薄黄色の水様便になっているか?」を確認します。
服用後は、検査が終わるまで水とお茶以外は摂取出来ないので注意が必要です。
僕は、検査前に何とか下剤を飲み干し、排便を済ませ病院(クリニック)に向かいました。
大腸内視鏡検査
クリニックに着いたら、促されるままベッドに横になり、まずは痛み止めの点滴を受けました。
その後、検査室に医師が入ってこられて、大腸のカメラ検査が始まりました。
大腸内視鏡検査に関しては、いらすとやさんにある、イラストそのものの検査です。
大腸カメラ検査は、肛門内に内視鏡カメラを挿入して、大腸の中を医師が目視でチェックする検査です。
僕は、事前に下剤を飲むのが苦しすぎたせいか、もしくは、お尻のキャパシティーが豊富なのかは分かりませんが、内視鏡検査自体はそこまで苦しくなかったです。
やることといっても、医師に促されるまま、体の向きを変えるといったぐらいでしょうか。
ただ、僕の場合、比較的大腸が長い体質のようで、「大腸の終わり(小腸の手前)」に行き着くまで1時間ぐらいかかってしまいました(何回か入れ直したりしたので)。通常の方ならば、カメラ検査は30分程度で終わるそうです。
内視鏡カメラが小腸手前まで到達したら、戻りながら「大腸内のポイントとなる部分(ポリープ・病変があるところとか)」を写真撮影します。
検査後、その写真は検査機関に送って、正式な診断を仰ぎます。
僕の大腸検査はというと、内視鏡をやってくださった医師が言うには、綺麗な大腸だと言っていただけました。
ただ、直腸あたりに、1cm未満の小さなポリープは2つほどありました。ですので、1つはサンプルを採取して生検に出しました。
生検法(せいけんほう)は病気の診断や経過予後の判定のために、生体の組織や臓器から材料を採取する方法。
検査後は、大腸内で撮影した写真を一応いただいて、帰ってきました。
検査結果
数日後、医師から検査結果をいただきました。
問題の大腸ガン検査の結果は、「問題なし」とのことでした。
この一言を聞けただけでも、辛い検査を受けたかいはあったかなと。それぐらい嬉しかったです。
ポリープの生検結果も以下のようなものをいただきました。
診断・初見には以下のようにも書かれていました。
切片に異常腺管や悪性所見はありません。
こういった診断結果を書面でいただけると、安心感もグッと高まります。
まとめ
こんな感じで、大腸内視鏡検査を近所のクリニックで受け、「問題なし」との結果をいただくことができました。
正直、心から安心しました。
大腸ガン検診の準備や検査自体は、結構大変ではありましたが、僕は検査受けて良かったと思っています。
そう良かったと思える理由は以下。
- 検査に問題がなかったことで安心できる
- 日々、心配しながら過ごすより、医師にしっかりとした結果をいただける
- 大腸カメラ検査でどんなことをするかが分かったので次への抵抗感が減った
- 安心したことでお通じも良くなったかも(プラシーボの可能性大)
「安心できる」ということで、心がかなり落ち着きます。
もちろん上記は、悪性腫瘍が陰性だったから思えた理由でもあります。
ただ、大腸ガンは早期発見すればするほど治りやすいガンであるのは間違いないです。定期的に検診を受けて、兆候がないかを確認するのは、とても大事と思います。
少なくとも、積極的に申し込みをしないまでも、年齢の節目に案内が来る「節目検診」ぐらいは、受けておいて損はないと思います。