大腸カメラ検査を近所のクリニックで受けた体験談。事前準備から内視鏡検査まで。

先日、大腸ガンの節目検診の案内が届きました。

時を同じくして、学生時代の友人が大腸ガンでなくなったということもあり、「これは検査を受けなくては」という思いが強くなりました。

と言うのも、僕はあまり健康的な生活を送っておらず、前々から心配だったというのもあります。

加えて、排便時に時々出血もしているので、主治医にお願いしてクリニックで大腸カメラ検査を受けさせていただくことにしました。

それで数日前に大腸検査を受けてきたので、その事前準備から大腸カメラによるチェックまでの体験について書きたいと思います。

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主な流れ

とりあえず、大腸カメラ検診を受けるに当たって、近所のクリニック(開業医院)の看護師さんに、下のような案内書をもらいました。

大腸カメラを受ける皆様へ

大腸検査の主な流れを簡単に説明すると以下のような感じです。

  • 検査前々日
  • 検査前日
    • 大腸検査前の検査食(ダルムスペース)のみを朝・昼・晩・間食と食べる
    • 寝る前に下剤(センノシド)を2錠飲む
    • 午後9時以降は飲食をしない
  • 検査当日
    • 検査3時間前ぐらいに下剤(ニフレック)を2リットルを飲む(体内の便を洗い出す)
    • クリニックに行き大腸カメラ検診を受ける

大まかな流れとしてはこんな感じです。

流れとして書くと、たったこれだけなんですが、思っていた以上にしんどい検査でした。

僕は、大腸検査といえば、その日だけ下剤を飲んで腸を空にすれば良いと思っていました。けれど、しっかりと行うには、前々日からキッチリ事前準備する必要がありました。

「過去に大腸検査を受けた方」何人かに聞いてみたところ、当日経口下剤(ニフレック)だけを飲んで検査する医院もあるようです(急な大腸検査を要するときとか)。ただ、今回僕が大腸カメラ検査を受けたクリニックでは、念入りな事前準備から検査を行うよう指示を受けました。

以下で、それぞれについて詳しく書きたいと思います。

検査前々日準備

個人的に、大腸検査といえば、内視鏡検査当日だけ下剤を飲めば良いと思っていました。

まさか、厳密に行うには検査2日前から、準備する必要があるとは…。

ただ、前々日にやることといっても、寝る前に下剤を2錠飲むだけではありますが。

    前々日の夜、服用する下剤はセンノシドといって、こんな感じの糖衣錠です。

    センノシド錠剤のパッケージ

    同様の効果を持つ市販薬で言えば、コーラックみたいな下剤です。

    とりあえず、検査前々日はセンノシド2錠を飲んで就寝しました(当然次の日排便)。

    検査前日準備

    検査前日あたりから、もう少し辛い内容になってきます。

    というのも、「大腸内視鏡用検査食」を食べて、「腸の中に食品残渣物が残らない食事」を丸々一日する必要があるからです。軽い断食みたいなもんです。

    僕が実際に食したのは、ダルムスペースという大腸内視鏡用検査食です。

    ハウス食品のダルムスペース

    このダルムスペースは、ハウス食品から出ているレトルトの検査食です。

    ダルムスペース より正確な大腸検査のための検査食

    中に入っているものを全部出すとこんな感じです。

    ダルムスペースの中にあるレトルトパック全て

    セット内容としてはこんな感じ。

    大腸検査食のセット内容

    質素です。とにかくお粥主体の粗食となっています。

    実際、検査食全てを摂取しても、1173kcalとかなりカロリーを抑えた食事になっています。

    ダルムスペースリッチⅢ(成分分析表)

    一般的に成人が一日に必要なカロリーは1800kcal~2200kcalと言われています。

    それと比較しても、1173kcalというのはかなり少ないです。ですので当然腹が減って辛いです。

    朝食

    朝食は、「和風がゆ」と「みそ汁」です。合わせて219kcalの食事です。

    ダルムスペースリッチⅢ(朝食)

    できた状態はこんな感じ。

    ダルムスペースリッチⅢ朝食の完成

    和風がゆは7分粥といった感じ。朝からこれでは物足りないです。ハウス食品が作っているだけあって、味自体は思っていた以上に美味しかったです。

    昼食

    昼は「中華がゆ」と「すまし汁」で、207.8kcalの食事です。

    ダルムスペースリッチⅢ(昼食用)

    実際に作ると、こんな感じになります。

    ダルムスペースリッチⅢ昼食の完成

    写真を見てもらえると分かると思うんですけど、どんどん固形物が少なくなっていきます。中華がゆは五分粥といった感じ。

    僕は元々小食なんですが、流石にこれだけ少ないと、かなりキツイものがありました。

    夕食

    夕食となると「コーンポタージュ」のみになってしまいます。カロリーは256kcalです。

    ダルムスペースリッチⅢ(夕食用)

    実際のスープがこちら。

    ダルムスペースリッチⅢ夕食の完成

    もうここまでくると、固形物は完全に無くなります。一応夕食ということなので、朝昼夕食の中では最もカロリーは高いですが、物足りないのは言うまでもありません。

    味は結構美味しかったです。

    間食

    朝昼夕食合わせても、682.8kcalと少ないので、「空腹に耐えきれなくなった時用」に一応間食も用意してあります。

    間食は、朝食~夕食の間で、腹が減ってどうしようもなくなったときに、食します。

    間食には、以下のものがありました。

    • ソフトクッキー(ココア味)
    • 粉末飲料(オレンジ、リンゴ)

    ソフトクッキー(ココア味)

    ソフトクッキーは、全部で199kcalです。

    ダルムスペースリッチⅢ(ソフトクッキーココア味)

    中には、以下のような袋が2つ入っています。

    バランスパワー(ココア)

    一袋の中には、以下のようなカロリーメイトみたいなソフトクッキーが2つ入っています。

    バランスパワー(ココア味)の中身

    ですので、全部で4つのソフトクッキーがあることになります。

    このソフトクッキーには、かなり空腹感を満たしてくれました。味も、カロリーメイトのチョコレート味よりも濃くて美味しかったです(空腹だったからというのもあるかも)。

    今回の検査食は、基本的にどれも(検査食にしては)美味しいのですが、その中で、一番美味しく満足度が高いのは、このソフトクッキーでした。

    僕はこのソフトクッキーを、3時のおやつに2個、夕食前の6時頃に2個食べました。

    このソフトクッキーは、夕食後食べないことが推奨されています。

    粉末飲料(オレンジ、リンゴ)

    あとは、「腹が減った時用の飲み物」として粉末のアップルジュース(145kcal)と、オレンジジュース(146kcal)が付いていました。

    ダルムスペースリッチⅢ(粉末飲料アップル・オレンジ)

    この飲み物は、非常に甘くて美味しく感じました。粉末飲料ながら、買ってきたジュースのように普通に美味しかったです(空腹だったからかも)。

    僕の場合、この粉末飲料も昼食~夕食の間の空腹時に作って飲みました。

    それでも空腹になったらどうすればよいのか?

    いくら、間食などがあっても、全体としてのカロリーが1200kcalに満たないので、普通の成人であれば腹が減ると思います。

    そんな「検査食を食べても腹が減ってしまったときはどうすればよいのか問題」については、検査食のQ&Aには以下のように書かれていました。

    Q.空腹に耐えられない時にはどうしたらよいですか?
    A.ダルムスペースリッチⅢに入っている間食で空腹感を補えないようなときには、透明なあめ玉、水やお茶、砂糖湯、清涼飲料水(透明なジュース、サイダー)などをお召し上がりください。

    僕は、これを読んで事前準備として「ハチミツのど飴」、「カンロ飴」、「三ツ矢サイダー」を購入しておき、空腹時はこれらを食して空腹に耐えました。

    その他の検査食に関するQ&Aも、以下に掲載しておきます。

    検査食についてのQ&A

    寝る前に下剤を2錠飲んで寝る

    で、検査前日も下剤(センノシド)を2錠飲んで就寝しました。

    センノシド錠2錠

    検査当日準備

    検査当日は、朝早く起きて、検査の2、3時間前からまた違った下剤(ニフレック)を飲む必要があります。

    検査機関によって、ニフレックは、病院等の医療機関で飲んで病院のトイレで排便するというケースも多いかと思います。

    検査当日に飲む下剤は、ニフレックといって、こんな感じのパッケージです。

    ニフレック配合内容剤(パッケージ)

    パッケージを開けると、以下のような袋の中に白い粉が入っています。

    経口腸管洗浄剤ニフレック配合内容剤

    正式名称は「経口腸管洗浄剤ニフレック配合内用剤」という、おどろおどろしい名前がついています。

    この下剤は、名前が表す通り「口から飲んで腸内を洗浄する薬」となっています。ですので、家で行う場合は自分で水を入れて作成する必要があります。

    作り方は、以下の通りで2リットルの水で溶かして作ります。

    ニフレックの作り方

    水に溶かすと、以下のような無色透明の液体になります。

    ニフレックを水道水に溶かした状態
    ※写真は作成して半分ほど飲んだ状態です。

    これを、口から飲み込んで腸内を洗い流します。目安としては、1時間に1リットル、2時間かけて飲む感じです。

    ニフレック配合内用剤の服用のしかた

    この、ニフレックを飲むのが、結構な苦行でした。

    とにかく日常生活でも、2時間に2リットルの水を飲むことってあまりないと思います。

    それに加えて、ニフレックは下剤なだけあって、味もあまり美味しいとは言えません。味を例えるなら、「不味いスポーツドリンクをさらに不味くした飲み物」とでも言いましょうか。

    決して、進んで飲みたい飲み物ではありません。その「不味い飲み物」を2時間で飲み切る必要があるので軽い罰ゲームみたいなものです。しかも、下剤なので「体が飲むのを拒否している感覚」さえ付きまといます。

    下剤にしては、「なるべく美味しく飲んでもらえるように」という苦労の跡が伺える味にはなっているとは思います。「下剤」というイメージで想像する味よりは美味しく飲みやすかったということを補足しておきます。

    ニフレックを飲んで1時間ほどすると、大抵の人は便意がきて、トイレに駆け込む仕様になっているようです。

    ニフレックを飲んで1時間ほどすると最初の便意が訪れる

    ニフレックを全て飲み終えて、排便を終えると、「便カスがなくなって、無色もしくは薄黄色の水様便になっているか?」を確認します。

    ニフレックを飲んだ後、排便の確認

    服用後は、検査が終わるまで水とお茶以外は摂取出来ないので注意が必要です。

    検査当日にニフレック配合内用剤を服用する場合

    僕は、検査前に何とか下剤を飲み干し、排便を済ませ病院(クリニック)に向かいました。

    僕は事前準備を言われた通りに徹底して行ったので、検査後に医師に「綺麗に見える状態になっていました」と言っていただけました。

    大腸内視鏡検査

    クリニックに着いたら、促されるままベッドに横になり、まずは痛み止めの点滴を受けました。

    その後、検査室に医師が入ってこられて、大腸のカメラ検査が始まりました。

    大腸内視鏡検査に関しては、いらすとやさんにある、イラストそのものの検査です。

    大腸内視鏡検査のイラスト

    実際は、肛門の部分に穴の空いた検査用のパンツを履いて横になります。検査といったら白色のイメージなんですが、パンツの色は黒色でした。

    大腸カメラ検査は、肛門内に内視鏡カメラを挿入して、大腸の中を医師が目視でチェックする検査です。

    僕は、事前に下剤を飲むのが苦しすぎたせいか、もしくは、お尻のキャパシティーが豊富なのかは分かりませんが、内視鏡検査自体はそこまで苦しくなかったです。

    やることといっても、医師に促されるまま、体の向きを変えるといったぐらいでしょうか。

    クリニックの看護師さんによると、内視鏡検査でかなり苦しまれる方もおられるようです。というのも、大腸内を空気で広げてカメラを挿入するので、腹の圧迫感から、ずっと耐え忍んでいるという方も多いようです。検査後は、ぐったりされる方もおられるとおっしゃっていました。

    ただ、僕の場合、比較的大腸が長い体質のようで、「大腸の終わり(小腸の手前)」に行き着くまで1時間ぐらいかかってしまいました(何回か入れ直したりしたので)。通常の方ならば、カメラ検査は30分程度で終わるそうです。

    内視鏡カメラが小腸手前まで到達したら、戻りながら「大腸内のポイントとなる部分(ポリープ・病変があるところとか)」を写真撮影します。

    検査後、その写真は検査機関に送って、正式な診断を仰ぎます。

    僕の大腸検査はというと、内視鏡をやってくださった医師が言うには、綺麗な大腸だと言っていただけました。

    ただ、直腸あたりに、1cm未満の小さなポリープは2つほどありました。ですので、1つはサンプルを採取して生検に出しました。

    生検法(せいけんほう)は病気の診断や経過予後の判定のために、生体の組織や臓器から材料を採取する方法。

    生検法 – Wikipedia

    検査後は、大腸内で撮影した写真を一応いただいて、帰ってきました。

    検査結果

    数日後、医師から検査結果をいただきました。

    問題の大腸ガン検査の結果は、「問題なし」とのことでした。

    この一言を聞けただけでも、辛い検査を受けたかいはあったかなと。それぐらい嬉しかったです。

    ポリープの生検結果も以下のようなものをいただきました。

    病理検査報告書

    診断・初見には以下のようにも書かれていました。

    切片に異常腺管や悪性所見はありません。

    こういった診断結果を書面でいただけると、安心感もグッと高まります。

    検査自体は、僕が住んでいる県の「病理診断センター」が行ったと書いてありました。

    まとめ

    こんな感じで、大腸内視鏡検査を近所のクリニックで受け、「問題なし」との結果をいただくことができました。

    正直、心から安心しました。

    大腸ガン検診の準備や検査自体は、結構大変ではありましたが、僕は検査受けて良かったと思っています。

    そう良かったと思える理由は以下。

    • 検査に問題がなかったことで安心できる
    • 日々、心配しながら過ごすより、医師にしっかりとした結果をいただける
    • 大腸カメラ検査でどんなことをするかが分かったので次への抵抗感が減った
    • 安心したことでお通じも良くなったかも(プラシーボの可能性大)

    「安心できる」ということで、心がかなり落ち着きます。

    もちろん上記は、悪性腫瘍が陰性だったから思えた理由でもあります。

    ただ、大腸ガンは早期発見すればするほど治りやすいガンであるのは間違いないです。定期的に検診を受けて、兆候がないかを確認するのは、とても大事と思います。

    少なくとも、積極的に申し込みをしないまでも、年齢の節目に案内が来る「節目検診」ぐらいは、受けておいて損はないと思います。

    単なる便の潜血検査だけなら、節目検診の年に受けさえすれば、僕の自治体では無料できました(自治体にもよると思うけど)。
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