僕はこれまで、Windowsのターミナルは、ConEmu+nyaosを利用していました。
というのも、Windowsにデフォルトであるコマンドプロンプトは、コマンド履歴保存ができず、タブで管理もできないからです。なので、ちょっと設定は面倒ですが、ConEmu+nyaosという組み合わせを設定していました。
けれど先日、Cmderというコンソールエミュレーターを教えてもらったら、これがインストール時点で、すでに欲しい機能の設定がなされている、使い勝手の良いターミナルだったので紹介です。
目次
Cmderとは
Cmderは、Windows用のコンソールエミュレーターです。
フルバージョンをインストールした時点で、以下のようなことが行えます。
- mysysgitのソフトウェア群を同梱
- コンソールをタブで管理
- コマンドの履歴が保存される
- コマンドの履歴検索機能
- 基本的なUNIXコマンドが使える
- デフォルトでGitが使える
- 設定で他のシェルも利用可能
僕はこれまで使用したWindowsのコンソールエミュレーターでデフォルトで、これだけの機能があるものはありませんでした。
インストールするだけで、これだけの設定がされているのはものすごく手軽です。
Cmderの初期設定
それでも、Cmderはちょっとした初期設定が必要なので、その方法を備忘録がてら書いておきます。
主な手順は以下になります。
- Cmderのダウンロード&インストール
- 日本語表示用の設定
Cmderのダウンロード&インストール
まずは、Cmderに移動して、フルバージョンのCmderをダウンロードしてください。
「cmder.zip」というファイルがダウンロードされるので、任意の場所に解凍して保存してください。
そして、中にある「Cmder.exe」ファイルを実行してください。
起動すると、こんな感じの画面です。
デフォルト状態で既に見やすいMonokai配色になっています。
加えて、Windowsのコマンドプロンプトでは使用できない、UNIXの基本的なコマンドなどもデフォルトで利用することができます(利用できないコマンドもあります)。
日本語表示用の設定(日本語化ではない)
Cmderデフォルトの設定では、日本語表示がずれてしまうため、設定を変更しておきます。
まずは、コンソールの右下にあるメニューボタンをクリックしてください。
すると、以下のようなメニューが表示されるので「Settings」を選択してください。
すると以下のような設定ダイアログが表示されるので、「Main」設定項目を選択して「Monospace」のチェックを外してください。
このように設定しておかないと、日本語の表示幅が合わず、おかしな出力になります。
コマンドプロンプトにはないCmderの特徴
上の方でも書きましたが、以下ではコマンドプロンプトにはデフォルトではない便利な機能を紹介します。
マルチタブが使える
「+」ボタンを押すことで、複数のタブを開いてコマンド操作を行うことができます。
Ruby on Railsとかの場合、一つのウィンドウでサーバーを動作させながら、コマンド操作できたりして便利です。
コマンド履歴が保存される
Windowsのコマンドプロンプトでも、↑ ↓キーを押せばコマンドの履歴機能はあります。
ただ、一度ウィンドウを閉じてしまうと、それまでの履歴は失われます。
けれど、Cmderを利用した場合は、ウィンドウを閉じてしまっても、↑ ↓キーで前回使用したコマンド履歴から、コマンドを使用することができます。
コマンド履歴検索を行える
CmderでCtrl + Rキーを押すとコマンド履歴の中から、コマンドを検索することができます。
ショートカットキーを押すと「(reverse-i-search)`’:」と表示されるので、検索したい文字列を入力します。
基本的なUNIXコマンドが使える
lsのような、基本的なUNIXコマンドは、デフォルトで利用できます。
UNIXコマンドについては、以下を参照してください。
デフォルトでGitが使える
Cmderのフルバージョンをインストールすると、デフォルトでGitがインストールされるのですぐに利用できます。
Gitをあらためてインストールする必要はありません。
設定で他のシェルも利用可能
Cmderは、設定で利用するシェルを指定することもできます。
例えば、NYAOSとか、NYAGOSをシェルに指定してコマンドを利用することもできます。
以下は、NYAOSをシェルに指定した例です。
他のシェルの設定方法
一応、シェルの設定方法も書いておきます。
個別のシェルを設定するには、設定ダイアログを開いて「Tasks」項目を選択して「+」ボタンを押してください。
すると以下のような画面が表示されるので、識別名を入力し「Tab …」と書かれたボタンをクリックしてください。
すると、以下のようなダイアログが表示されるので、「シェルファイル」を選択してください。
必要なら、作業ディレクトリも変更することができます。
すると、メモコンポーネントに、設定情報が反映されるので確認して、「Save Settings」ボタンをクリックすれば設定が適用されます。
設定したシェルでCmderを起動する
設定したシェルでCmderスタートアップ時に起動したいときは、設定ダイアログの「Startup」項目を選択後、「Specified named task」で設定した識別名を選択すればOKです。
その他の設定
その他の、細々した設定方法も書いておきます。
historyコマンドを動作するようにする
デフォルトの設定状態だと、historyコマンドを実行すると、以下のようなエラーメッセージが出て使用できませんでした。
cat: ‘%CMDER_ROOT%\config\.history’: No such file or directory
これを解消するには、Cmderインストールフォルダ内にある以下のaliasesファイルを開きます。
cmder\config\aliases
ファイルを開くと、以下のような記述があるので
history=cat %CMDER_ROOT%\config\.history
以下のように変更します。
history=cat Cmderインストールフォルダのパス\config\.history
すると、historyコマンドが利用できるようになります。
エイリアスの設定方法
上記項目と設定は少しかぶるんですけど、エイリアスの設定方法も書いておきます。
エイリアスは、Cmderインストールフォルダ内にある以下のaliasesファイルにテキストを書き込むことで設定できます。
cmder\config\aliases
基本的な書式としては、以下のように記述します。
エイリアス名=コマンド
記述例は、こんな感じになります。
e.=explorer . gl=git log --oneline --all --graph --decorate $* ls=ls --show-control-chars -F --color $* pwd=cd clear=cls unalias=alias /d $1
まとめ
以上のように、Cmderはインストール状態で既に、使いやすい機能が詰め込まれたコンソールエミュレーターです。
少し気になった点としては、動作が少し遅いという点と、たまにコマンドがおかしな表示になるということぐらいでしょうか。特に気にしなければ、利用に問題はないと思います。
動作の遅さが気になるようであれば、以下の設定がおすすめかと思います。
というわけで「Windowsのコマンドプロンプトは必要最低限の機能すぎる」とか「Windowsで使いやすいコンソールを使いたいけど面倒な設定はしたくない」なんて場合は、Cmderはかなりお勧めです。
サイト Cmder