確定申告、正直面倒くさいです。
中でも「今年初めて確定申告をする」なんて方の「面倒くさい度合い」は半端ないのではないでしょうか。
というのも、確定申告をしたことがない方は、「何をしていいのかわからない」という人が大半だと思います。僕も初めて確定申告をした年はそうでした。
人間、「何をするべきかが分かっている作業」は先の想像ができ、ある程度、面倒度合いも測ることができます。けれど、「何をすべきかがわからない作業」は、やることの目処も立たず、「調べることからしなければならない」という「先の想像できない面倒くささ」が加わります。
そんな「初めての確定申告をする必要がある」なんて場合は、クラウド会計ソフトを強くおすすめしたいです。
僕も確定申告最初の年、「何をしたら良いものか…」という状態から、会計ソフトの案内に従って操作していくうちに、知識がないなりに無事白色申告を行うことが出来たもので。
そして現在、開業届けを出して青色申告をする個人事業主となった今でも、より一層便利に活用しています。
そんなわけで以下では、僕がこれまで利用してきた(現在も利用している)クラウド会計ソフトについて、おすすめ順に紹介したいと思います。
目次
1位 MFクラウド確定申告
プラン名 | 料金 | 無料期間 | サポート | 備考 |
---|---|---|---|---|
フリー | 0円 | 年の仕訳数が50件以下の場合 | メール | 全書類作成可 |
ベーシック | 800円/月 | 30日間 | メール・チャット | 全書類作成可 |
個人事業主の確定申告ならば、一番おすすめしたいのはMFクラウド確定申告です。
MFクラウド確定申告の最大の利点は、完全に無料で利用できるフリープランがあるということです。
もちろん、1年あたりの仕訳数が50件以下という制限はあります。
けれど無料でありながら、確定申告書類(青色・白色)も消費税申告書類も作ることができるのは、このMFクラウド確定申告しかありません。
使い方も直感的に操作することができ、案内を見ながら操作すれば記帳などもサクサクと行うことができます。
仕訳はこのようにシンプルなインターフェースとなっています(勘定科目の検索もできます)。
このシンプルな使いやすさから、僕の「初めての確定申告」も白色申告で問題なく行うことができました。
もちろん、個人事業主として開業した後の青色申告も全く問題なく行うこともできました。
正直、クラウド会計ソフトを使用していれば、白色申告も青色申告も手間はほとんど変わらないです。
ですので、「確定申告が初めて」という方から「確定申告は何度かやったことがある」という方まで、大いに「確定申告の手間軽減」のため大いに力を振るってくれます。
MFクラウド確定申告の場合、無料から利用できるので「自分に合わないな」と思えば使用を止めれば料金は発生しません。
僕が実際に使ってみて感じた利点と難点を以下に挙げておきます。
MFクラウド確定申告の利点
使ってみた感じた利点は以下。
- かなり取引の少ない個人事業主であれば無料で利用できる
- 無料プランであってもメールサポートを受けられる
- 無料・有料プランにかかわらず全ての確定申告書類を作成できる(消費税申告も)
- 有料プランは業界最安値でコストパフォーマンスも高い
- 自動取り込み対応している金融機関が業界最多(クレカ、ECサイトも)
- 共有ユーザーも無制限に登録できる
- 利用ユーザーが多くネットで調べれば使い方や仕訳方法がほぼ分かる
- 前回仕訳した内容を記憶していて次から選択する手間が省ける
- 複式簿記の記載方法に対応なので本に仕訳方法をそのまま当てはめることができる
- 複式簿記に対応しているので簿記知識のある人は使いやすい
- 大手金融機関の出資を受けている(バックボーンが強い)
- セキュリティーは国際的な認証機関であるTRUSTeによる認証を取得
- スマホでも利用可能
- レシートの取り込み機能もある
無料で利用できたり、複式簿記に対応していたりと、初心者から上級者まで便利に使えて、非常にバランスが良いソフトです。
MFクラウド確定申告の難点
MFクラウドの難点といっても、思いつくのはこのくらいかも。
- 仕訳の勘定科目に関する説明がない(初めての場合は何を選んで良いか迷うかもしれない )
ただ、「項目に説明がない」といっても、慣れてくると、そういったものは逆に不要で煩わしく感じます。ですので、「慣れてから利用する期間が長い」ということを考えると、MFクラウドのようなシンプルなインターフェースの方が良いのかもしれません。
2位 freee
プラン名 | 料金 | 無料期間 | サポート | 備考 |
---|---|---|---|---|
スターター | 980円/月 | 30日間 | メール・チャット | 消費税申告は不可 |
スタンダード | 1980円/月 | 30日間 | メール・チャット(優先) | 全書類作成可 |
freeeは、「とにかく確定申告初心者向けに仕訳がしやすい会計ソフト」に仕上がっていると思います。
以下のように、仕訳画面が色分けされ解説まで付いているという分かり易さです。
確定申告初心者が、まず最初に当たる壁でもある記帳も手軽に行えるような工夫がなされています。
freeeは、「完全無料で利用できるプラン」はないですが、「なるべく分かりやすく使える会計ソフトを使いたい」という場合は、こちらのほうが適していると思います。
もちろん記帳(仕訳)さえ行っておけば、白色申告書類の作成は、あとはおまけみたいなものです。
当然青色申告も行うことができます。
freeeに関しても、白色申告と青色申告の書類作成の手間は、ほとんど変わりません。なので、できるなら、青色申告特別控除65万円を得られる分、青色申告をしておいた方が、節税効果は高いです。
以下は、僕がfreeeで確定申告書類を作成してみて感じた利点と難点です。
freeeの利点
使ってみた感じた利点は以下。
- 仕訳の勘定科目が説明付きで初心者でも分かりやすい
- 自動取り込みできる取引金融機関が多い (MFクラウドほどではないけど)
- 利用ユーザーが多くネットで調べれば使い方を公開しているページが多数見つかる
- 前回仕訳した内容を記憶していて次から選択する手間が省ける
- セキュリティーは国際的な認証機関であるTRUSTeによる認証を取得
- スマホでも利用可能
- レシートの取り込み機能もある
とにかく、「初めて確定申告をする場合」の利用のしやすさは、freeeがナンバーワンだと思います。仕訳も、確定申告書類の作成方法も「初めての方でもわかりやすいように」という配慮が随所に感じられます。
freeeの難点
難点は以下。
- 無料で確定申告書類を印刷することはできない
- スタータープランだと消費税申告ができない
- 3人より多く共有ユーザーを登録する時は有料
freeeは、無料だと書類の印刷ができなかったりと、機能制限があり、書類提出まではできません。
サイト freeeに無料体験登録をする
3位 やよい会計オンライン
プラン名 | 料金 | 無料期間 | サポート | 備考 |
---|---|---|---|---|
白色フリー | 0円 | 永続無料 | なし | 白色書類作成可 |
白色ベーシック | 720円/月 | 最大2ヶ月 | メール・チャット | 白色書類作成可 |
青色ベーシック | 1080円/月 | 最大2ヶ月 | メール・チャット | 全書類作成可 |
パソコンのクライアントソフトとして、高いシェアを誇る「やよい会計シリーズ」を制作している弥生が開始したオンラインクラウドサービスです。
「オンラインのクラウド会計ソフト」としては、freeeやMFクラウドに出遅れている感は否めません。けれど、「青色申告用のソフト」全体では、いまだなおトップシェアを誇っています。
会社などで「やよいの青色申告」もしくは「弥生会計」を使ったことがある人であれば、インターフェースの親和性も高く、迷わず使えるかと思います。
仕訳画面も説明付きで分かりやすいです。
弥生会計オンラインを利用してみて感じた利点と難点は以下。
弥生会計の利点
弥生会計の良いところは以下。
- 白色申告なら完全無料で行える(ただしノーサポート)
- クライアントの弥生ソフトとの親和性が高い
- 仕訳の勘定科目に説明があって分かりやすい
- 無料体験期間が2ヶ月ある
- 1年目は料金が半額
サポートはないながらも、白色申告なら全てを行うことができます。
弥生会計の難点
いまいちな部分は以下です。
- 取引の自動取得をする時に他サービスを利用する必要があり面倒
- 他のクラウド会計ソフトに比べてユーザーが少ない
- 前回行った仕訳の記憶機能はない
- 無料版はサポートがない
- スマホから利用できない
- 共有ユーザーは1人まで
クラウド会計ソフトとしては後発なため、まだまだ改善しなければいけない点も多いように見受けられます。
ただ、会社などで弥生会計ソフトの使い方に慣れている人には取りかかりやすいかと思います。
まとめ
僕は、初めて確定申告をする年に「無料で試せる会計ソフト」は片っ端から登録して全て使用感を試してみました。
けれど、実用に足りるクラウド会計ソフトは以下の3つだけでした。
というのも、その他の会計ソフトは、利用ユーザーが少なすぎて先行きが不安すぎます。利用ユーザーがいないということは、単純に言えば、それだけ利益が少ないということです。帳簿などは、法的に7年間保存する義務があるので、サービスが終わってしまう可能性の高いものはおすすめできません。
クラウド会計ソフトには、長年サービスを存続してもらう必要があります。
その点、MFクラウドと、freeeと言えば、クラウド会計ソフトの2強といえるほどユーザー数が多く今も安定して利用者を増やしています。
弥生会計に関しては、古くからある会計ソフトの老舗で、青色申告ソフト全体では、今もシェアが高いです。弥生会計シリーズのユーザーも多いので、そういった面での企業体力はあります。
これらが今後しばらくは、どうにかなるという可能性は低いと思います。
とりあえず、僕のおすすめとしては、無料で使えるMFクラウド確定申告から始めて、難しかったらfreeeを試してみると言うスタンスで良いかと思います。
弥生会計オンラインに関しては、クライアントの弥生ソフトを使ったことがある人には、なじみがあって良いかと思います。
なにはともあれ、こういった会計ソフトを使うと使わないとでは、確定申告書類を作成する時間が何倍も変わってきます(自分で計算するとか地獄、エクセルで計算するにしてもキツイ)。
ですので「今年初めての確定申告なんだけどクラウド会計ソフトは何を使ったらいいんだろう?」なんて方や、「Macなのでオンラインの会計ソフトを使うしかないんだけど、どれが使いやすいんだろう?」なんて場合は、今回紹介した会計ソフトの中から、まずは無料体験して使い勝手を確かめてみることをおすすめします。