寝たきりの要介護者向け肌着としてベストなものとは?

僕は怪我による障害により20年間寝たきり生活をしています。

そんな生活の中、24時間身につけることになる下着シャツ(インナーシャツ)の重要さを再認識しています。

というのも、良くない(合わない)下着シャツを身につけていると、ベッド上での生活の質が大きく変わってくるからです。

というわけで今回は、「介護を受ける寝たきり者(重度)に最適な下着シャツ」について考えてみたいと思います。

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寝たきり向けのインナーシャツとは

僕の無駄に長くなった20年にも及ぶ寝たきり生活の経験から言うと、以下の条件がそろっている下着シャツが最適かと思います。

  • 前をボタンなどで全開にできる前開きシャツ
  • 半袖のシャツ
  • 綿100%のシャツ
  • 抗菌・防臭加工がしてあるシャツ
  • 比較的サイズがゆったりとしているシャツ
  • 日本製のシャツ

以下では、これらの理由について述べたいと思います。

前をボタンなどで全開にできる前開きシャツ

やはり、自分で衣類を着脱できない重度の要介護者の場合、前開きシャツであることは必須だと思います。

こんな感じのやつ。

前開きシャツ

というのも、Tシャツのように「頭からかぶるタイプのシャツ」だと、非常に着せ替えがやりづらいからです。

前開きのシャツだと、ベッドで寝ながらでも着脱することは何とかできます。けれども、Tシャツのようなシャツの場合は、一旦ベッドから体を起こしてもらわないと、脱ぎ着できません。

自分で、上体を起こしたりできない人の場合は、起こすのは結構な重労働で介護者の負担が増えます。介護者の負担を減らすことが、回り回って要介護者の負担を減らすことになると思います。

前開きのシャツには、ボタンタイプとマジックテープタイプがあるのですが、個人的にはボタンタイプの方がおすすめです。というのも、ボタンタイプの方が長持ちするからです。あと、マジックテープタイプの場合だと、個人的には胸のあたりに厚みがあって違和感があり、あまり好みではないというのもあります。

マジックテープタイプは、あまり長く使わず、看護師さんの負担も減らせる入院時などには良いかもしれませんが、日常的に使う場合は、ボタンタイプのものが長く使えるかと思います。

半袖のシャツ

重度の要介護者向けのシャツならば、長袖よりは、半袖シャツの方がおすすめです。

というのも、長袖のシャツというのは、袖が長いだけあって、袖を通すのにも、布をたぐり寄せたりして多少の時間がかかります。

長袖のシャツに袖を通したからといって、3分とか5分かかるわけではありません。けれど左右両手の袖を通す場合、半袖に比べて、30秒~1分ぐらい余計に時間がかかってしまいます。

シャツを着るのが数回ならば、別に良いのですが、毎日毎日のことなのでこの時間差は大きいです。少しでも、介護者の負担を減らすということで半袖シャツを僕は利用しています。

あと、夏にもちょうど良いですしね。冬の寒い時などは、長袖を着ていたとしてもどうせ寒いので、上に何かをもう一枚着るのが結局楽なような気がします。

綿100%のシャツ

なんだかんだいって、綿100%のシャツは非常によく汗を吸い取ります。

寝たきり生活は、汗との戦いとも言っていいくらい、汗により体の調子が左右されます。そりゃ、基本的に一日中布団をかけてベッド上で過ごしているわけですから、夏は当然ながら冬も非常に汗をかきます。

そんな場合、汗を吸い取らない下着を着ていると、後に体温を奪われて、体調不良の原因にもなります。

あと、綿100%は、肌触りが良いというのも理由にあります。結局、ほぼ24時間身につけるわけですから、出来る限り「気持ち良い」と思う素材でできていた方が、快適さが違います。

抗菌・防臭加工がしてあるシャツ

寝たきり生活などをしていると、お風呂に入りたいときに必ず入れるわけではありません。

多くの重度要介護者の場合、週の決まった日に、何かしらのサービスを利用したり、ショートステイなどをしてお風呂に入ったり、シャワーを浴びたりするのが一般的かと思います。

なので、長い間風呂に入れない時期があったとすると、やはり汗や加齢臭、その他のニオイが出てしまうこともありえると思います。だって人間なんだから。

そんなときに、抗菌・防臭加工のシャツは、結構ニオイを軽減してくれると思います。今の、防臭加工は本当に優秀で、「防臭未加工のシャツ」と「防臭加工シャツ」を着ていると、かなりの違いを感じます。

自分で匂ってみても、やはり「防臭加工シャツ」の方が、汗などのニオイを軽減してくれています。

比較的サイズがゆったりとしているシャツ

ベッドに寝ている人向けのシャツなら、サイズはできる限りゆったりとしている方が良いかと思います。それは、着替えなどをするときに、小さいシャツだと腕などを通しにくいからです。

寝たきり生活をしていて、体を動かさない生活をしていると、関節などが固まって腕などが動かしづらくなります。

定期的に毎日ストレッチなどをしていない限り関節が固まってしまいます。僕は毎日ヘルパーさんにストレッチを行ってもらっているもののそれでも健常者よりは硬くなってしまいます。

節などが固まると、腕の可動域が狭くなります。腕の可動域が狭いのに、小さなシャツを着ようとすると、当然「イテテテテ!」となります。大きなシャツを着ることで、着替える時間も比較的短くなり、介護者の負担も軽くなるかと思います。

あと、ベッドなどで寝ていると、体がどちらかに傾いたりすることがあります。自分で体を起こせる人ならば、体を元に戻して万事OKなのですが、自分で体を起こせない人にとっては、ずっと体が傾いていくことになります。

そんなときに、小さなシャツを着ていると、首などにシャツの襟などが食い込んで行き、非常に窮屈な状態になります。「できるだけサイズがゆったりしたシャツ」というのは、そのように体が傾いていったときに、「できる限り布が体を締め付けないようにする」という意味もあります。

僕の場合は、通常ならLを購入するところであれば、LLを購入したりしています。

日本製のシャツ

    僕は以前、安さにつられて中国製のシャツを購入したことがあります。

    その時に、胸のあたりが痒くなり、皮膚科などに行って飲み薬(アレロック)を飲んだり、塗り薬(ステロイド系の薬)を塗っても全然治らなくて、数ヶ月間「なんで痒みが取れないんだろう?」とかなり悩んだことがあります。

    結局その時偶然、中国製のシャツを着るのをやめてたまたま日本製のシャツを着たら、痒みが和らいだので「これはもしや!?」と思って、中国製のシャツを着るのをやめたら、1週間ほどで痒みは治ってしまいました。

    どうやら、シャツの生地による繊維かぶれが原因であったようです。

    そういったことがあってから僕は、中国製のシャツを着るのをやめて、日本製のシャツしか着なくなってしまいました。もう懲りごりといった感じで。

    もちろん、中国製のシャツでも今では良い品質のものはありますし、日本製のシャツだからといって、安全性が担保できるものではありません。

    ただ、やっぱり口に入れるものや、身につけるものの場合は、とりあえず日本製にしておいたほうが、何かトラブルに見舞われる可能性は低いと考えています。日本メーカーの場合、責任の所在も明らかにしやすいですし。

    お薦めしたい下着シャツ

    僕の、20年寝たきり経験から、現在利用していておすすめしたい下着シャツは「グンゼの快適工房 半袖前あき釦付シャツ」です。

    グンゼの快適工房前開き半袖シャツ

    中身はこんな感じ。

    快適工房前開き半袖シャツ

    全体のフォルムとしては、以下のようになっています。

    グンゼの前開きシャツ

    半袖で、しかも全体的なフォルムも、ウエスト辺りがキュッと綺麗なラインのインナーシャツになっています。

    当然良質の綿を100%使用しています。

    良質綿100%

    もちろん、抗菌・防臭加工済みです。

    抗菌・防臭加工済み

    サイズもゆったりめのLLを購入しています(通常はLサイズのものを買っています)。

    ゆったり大きめサイズを購入

    そしてやっぱり、日本製というのは安心面から欠かせません(中国製のシャツで以前えらい目にあったので)。

    日本製のシャツ

    もちろん、最近の中国製は、品質管理などもキッチリとされて良い製品があるとは思いますが、昔に「繊維かぶれ」になった経験から、身につけるものは、日本製を見につけるようになりました。

    寝たきりで、体も満足に掻けないのに強烈な痒みが続くなんてのは、正直地獄の苦しみなんですよ…。

    まとめ

    やっぱり、老舗下着メーカーのグンゼだけあって、良い製品を作ります。

    僕は、この「快適工房下着」と出会ってから、もっぱらこれしか着なくなってしまいました。

    最大の難点といえば、やっぱり値段の高さでしょうか。安物の中国製シャツの4倍くらいの値段がします。

    けれども、生地に使っている綿は非常に良質のもので肌触りは良いですし、日本で作られているため縫製もしっかりしています。また、MADE IN JAPANということで(心の)安心感も高いです。

    なので、個人的にはこのシャツの値段が特別高いものとは思っていません。やっぱ、肌に直接身につけるものは、多少値が張っても、良いものを身につけたいですし。

    というわけで、重度要介護者が家族におられる方で、「シャツの締め付けが苦しそう」とか「肌着を身につけているところが何か痒そう」とか「着心地の良い下着を身につけて欲しい」なんて場合は、今回書いた条件に合った下着を買うと「生活の質(QOL)」が多少は上がるかもしれません。

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