僕は毎日、自室にこもってWEB制作ばかりしています。
正直、運動も全くしないので、とても健康的な生活とは言えません。
なので、その他の健康的な生活をしている人よりは、長くは生きられないと思っています。
ある日、ふと思いました。
自分が死んだら、広告やアフィリエイトサービスのアカウントはどうなるんだろう…?
「死んだらアカウントは相続できるのか?」とか「死亡後の報酬はどうなるんだろう?」といろいろ思ったので、僕が利用しているサービス全てに問い合わせてみました。
目次
本人死亡時の相続対応状況
質問内容の要点としては以下。
- 現在のアカウントを維持したまま個人への相続はできるか?
- 現在のアカウント維持したまま法人への移行はできるか?
「現在のアカウントを維持したまま」というのがポイントです。現在利用しているアカウントをそのまま利用して、続けられるかということを質問しました。
まず先に結論を書くと、各種広告サービスの相続対応状況はこんな感じでした。
個人相続 | 法人移行 | |
---|---|---|
AdSense | ○(生前譲渡は◎) | × |
Amazon | ◎ | ◎ |
楽天アフィリエイト | × | ○ |
A8.net | × | ○ |
バリューコマース | ◎ | ○ |
afb | △ | ○ |
もしもアフィリエイト | ○ | ○ |
アクセストレード | × | ○ |
JANet | × | × |
各サービスの対応はこんな感じです。
ただ、それぞれのサービスによっては、細かな対応方法が違うので以下で詳しく書きたいと思います。
Google AdSense
Google AdSenseは、個人間の相続は可能なようです。法人への移行は、一旦別アカウントで新規申請する必要があるようです。
個人への相続
個人への相続は、既にアカウントへの管理者権限の有無によって変わってきます。
既にアカウントに相続されるユーザーが登録されている場合
個人へ相続する場合は、死亡前に相続するユーザーをアカウントに登録し、管理者権限を移しておけば問題ないようです。
その際、口座変更もアカウント内で行える模様。
アカウントに相続されるユーザーが登録されていない場合
ただ、人間いつ死ぬかわからないので「死亡前に相続するユーザーに管理者権限を委譲していない」というケースが多数かと思われます。
死亡後に可能な手続きとしては、Google社に以下のような手続きを行えば行える模様。
- ユーザーの死亡証明書および、死亡したユーザーの方と相続されるユーザーの関係性を証明する法的な書類を提出する
死亡後に行える手続きは血縁者が行う上記のみっぽいです。
死亡前に引き継ぎの同意があれば、以下のようなケースでもOKなようです。
- 事前に今の運用者に管理者ユーザーとして登録するよう依頼する
- 死亡したユーザーと血縁・婚姻・パートナーシップ関係がなく、ビジネス関係である場合、事前に引き継ぎの同意があったことを証明する書類(形式自由・前所有者の印鑑付き)を提出
- 所有者の Google アカウントのアドレスおよびパスワードを事前に伺う
やはり、相続を行う必要があるのであれば、死亡前に上記いずれかの手続きを行っておく必要があると思います。
それならば、死亡前にAdSenseの管理者権限を相続者に移しておいた方が最もスムーズに相続できるかと思います。
法人への移行
AdSenseは、個人から法人へのアカウント変更は、行えないようです。
基本的に、法人アカウントを新たに作成後、移行する必要があるようです。
ならば、
個人アカウントの名義を法人に書き換えたらダメなの?
という旨を質問してみました。
すると、担当者さんの「個人的な見解」と前置きはありましたが、
個人アカウントに法人情報を追加することで収益の支払いが上手くいかないケースや、定期的に入るアカウントの審査で不承認となるケースもございました。
とのこと。
定期アカウント審査で不承認となるリスクが高いとのことです。
個人アカウント名義を法人に書き換えるリスクを考えたら、新しく法人アカウントを作成した方が良いとのことでした。
参考情報
より詳しくは、以下を参照してください。
Amazonアソシエイト
Amazonアソシエイトは、基本的に個人間の相続も、法人への移行も可能なようです。いずれにしろ、Amazonアソシエイトが最も手続きが簡単です(※自己責任)。
個人への相続
個人に相続する場合は、アカウントのログイン情報を事前に親族や、第三者に公開しておくことで可能とのこと。
ただし、アカウント情報の公開によるトラブルに関しては、完全に自己責任になります。
名義変更も、管理画面にログインできれば可能です。
法人への移行
法人への移行もアカウント情報を法人(第三者)に公開することで可能とのこと。もちろんこれも自己責任。
個人から法人への切り替えは、アソシエイト管理画面上部の「Eメールアドレス」にカーソルをあて、「アカウントの管理」を選択し、「お支払い/米国税務情報を変更」から行えます。
参考情報
より詳しい内容は以下を参照してください。
楽天アフィリエイト
楽天アフィリエイトは、個人間の相続は不可。法人への移行は可能です。
個人への相続
楽天IDは、引き継ぐことができないのでアカウント相続はできません。
法人への移行
個人事業主が法人化した場合、登録者自身が代表者となる法人であれば、「登記簿謄本/抄本の写し」を提出すれば可能です。
またその際には、以下のページから申請が必要です。
参考情報
より詳しい内容は以下を参照してください。
A8.net
A8.netは、個人への相続は不可、法人への移行は可能なようです。
個人への相続
A8.netの場合、登録者本人が死亡の際に、A8.netが死亡の事実を確認した時に、死亡退会手続きが行われると利用規約に書かれています。
第16条 当社によるメディア会員登録の抹消・退会
1.当社は、下記の事由が発生した場合、当該メディア会員の会員登録を抹消し、
何ら通知、承諾なくして当該メディア会員を退会させることができる。(4) 当社がメディア会員死亡の事実を知ったとき。
法人への移行
法人化の際の手続きに関しては、以下に詳しく書かれています。
ただし、一度法人化されたアカウントを個人アカウントに戻す事は出来ないので注意が必要です。
参考情報
A8.netでのアカウント相続・移行について詳しくはこちら。
バリューコマース
バリューコマースは、個人への相続、法人への移行双方とも可能です。
個人への相続
アフィリエイト運営者死亡時、家族からバリューコマースに対して「名義変更手続き」を行えば、相続は可能なようです。
法人への移行
法人へ移行する場合は、以下の「変更フォーム」から申請を行えば可能なようです。
参考情報
バリューコマースでのアカウント相続・移行について詳しくはこちら。
afb(アフィb)
afb(アフィb)の個人への相続は、ちょっと微妙なところ。法人への移行は可能。
個人への相続
afbに問い合わせたところ、「現時点では不可」とのこと。
ただし、「万が一そのような状況となった場合、ご親族の方や相続人の方からご連絡いただければ対処させていただきたく存じます。」とのことです。
相続者の問い合わせによって、相続できる可能性もあるので、一度問い合わせてみることをおすすめします。
法人への移行
個人が法人化した場合は、個別に問い合わせで対応とのことだそうです。
参考情報
afb(アフィb)でのアカウント相続・移行について詳しくはこちら。
もしもアフィリエイト
もしもアフィリエイトは、個人間の相続は可能(おそらく)。法人への名義変更も可能です。
個人への相続
問い合わせたところ、「死亡証明書」を提出すれば「合理的な対処をする」とのことでした。
「合理的な対処」とのことなので、明言はされていません。
なので次は僕が考える「合理的な対処」になるのですが、「親族等の正当な相続であれば可能」なのではないかと考えます。
法人への移行
法人への移行は登録情報変更ページから申請すれば可能です(要ログイン)。
参考情報
もしもアフィリエイトでのアカウント相続・移行について詳しくはこちら。
アクセストレード
アクセストレードは、個人間のアカウント相続は不可能。法人への移行は可能です。
個人への相続
アクセストレードは、アフィリエイト運営者が死亡した場合、基本的に自主退会手続きを行う必要があるようです。
法人への移行
法人化の際の区分変更は可能なようです。
法人化の際には「法人名称」と「法人名称(全角カナ)」を運営に伝えることで、対応していただけるようです。
参考情報
アクセストレードでのアカウント相続・移行について詳しくはこちら。
JANet
JANetは、個人間の相続、法人への移行双方とも不可なようです。
JANetの場合、相続する際には、基本的に以下のフローで手続きが必要なようです。
- 新規アカウントを作成
- 既存のアカウント削除
- 広告の提携申請
- 広告リンクの貼り替え
詳細はこちら。
まとめ
このように、各種広告サービスによって「個人への相続」と「法人への移行」の対応状況は、かなり違ってきます。
ただ、相続できるにせよ「事前に相続者に相続の意思を示しておくこと」は重要かと思います。
そうでないと、基本的に以下のような流れになるのではないのかなと(アフィリエイトをやっているのを伝えていない場合)。
- 本人死亡
- 家族も何も知らないのでそのまま放置
- いずれ銀行が凍結になって報酬も振り込まれない
- クレジットカードも停止してサーバーも凍結
- ASPによっては死亡が確認された時点で退会になる
- 本来得られるはずだった報酬は相続されない
これを防ぐためにも、アカウントのログイン情報くらいは、死亡時に伝わる形で残しておくことは重要かと思います。
ただ、死亡前にアカウント情報を誰かに伝えるのも、ある意味リスクなので、難しいところです。
ただ、そういった諸々を回避する策として、法人を作るというのはありかもしれません。
個人が死亡しても法人は存続します。
なので、本人死亡事件でも「法人に報酬が支払われる形」になっていれば、死亡後の報酬受け取りもスムーズに行くかと思います(※死亡時にアカウントが法人名義になっていれば、特に手続きは必要ない)。
僕はそのために、法人化を行いました。
少しでも、会社設立経費を少なくするなら自前で行うこともできます。
正直、自分が死んだあとのことなんて、どうでもいい部分もあります。
ただ、せっかく得られる報酬を、これまで迷惑をかけた親(親族)に残せないのはもったいないと思ったもので。
例えるなら「せっかく立地のいい場所に、よく売れる自動販売機を持っているのに、死亡後には自動撤去されてしまうのは避けたい」みたいな感覚です。